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ハンガリー訪問記④ブダペストでzineを買うには

私の最近の興味関心はもっぱら小規模出版で、ブダペストでもzineを買いたいと思い、googleで検索して出てきたのが「BP Zines」。ネットでは、ここ以外の小さい書店などは見つけられなかったのですが、BP Zinesのオーナーさんが色々教えてくれたので、私が訪問できなかった場所も含めて紹介します。


BP Zines(リソグラフスタジオ、zine販売)

黄色い看板が目印

リソグラフ印刷機が2台あるスタジオで、ここで刷ったzineやプリントの購入もできます。事前に相談すれば、ここでプリントもできるとのこと。

プリント、ポストカード、ノートなどが購入できます。
右上のHOT DOG VRが気になる…

こちらは、このスタジオが発行している「Untold Stories」というサイレントコミックアンソロジーの第2号。ハンガリーのアーティスト15人が共通のテーマで一人見開き1ページのコミックを寄稿しています。

この号は「秘密の場所」がテーマ

特にお気に入りだったのは、Rumi Zsófiさんの作品でした。
(下記Instagramでも読めます)

BP Zinesのオーナーさんは、他の仲間と一緒にzineのフェスティバル「Ukmukfukk Zinefeszt」を主催しています。1年に1回開催されるフェスティバルで、外国の出店者が出る回と、ハンガリーの出店者のみの回を交互に開催しているとのこと。ハンガリーのzineシーンを盛り上げていこうという意識を感じる体制!次回は来年の5月です。

今年のフライヤー

BP Zines訪問の際は、事前にinstagramのDMやメールなどで開店時間を問い合わせておくと確実だと思います。

ISBN books+gallery(書店+ギャラリー)

インド料理屋さんなどが立ち並ぶ地区にあるこちらの書店は、
アートブックとzineの品揃えが本当にすごかった!

ISBNついてない本=zineを売っているのにISBNという店名が面白い
zineが一面に並んだ壁!

お店がゆったりと広いのもあり、きちんと整理されていてかなり商品が見やすかったです。

ソファーに座ってじっくり選べます。

前述した『Untold Stories』はもちろん置いてありましたし、後述するHurrikan Pressのものもたくさんありました。また、ハンガリーのzineだけでなく、チェコ文学のハンガリー語翻訳や牛木匡憲さんのzineなども売っていました。また、店内奥(写真中央)にはギャラリーも併設されています。写真の右手にはさらに空間が広がっていて、写真集が並んでいました。

ここでは、Hurrikan Press発行の小さいコミック『SNAIL TAIL』を買いました。Ophélie Parisさんの作品で、作者の祖母が歩んだ歴史について、作者が紐解いていく過程を描いたエッセイのようなコミックです。家族の歴史を辿ることはハンガリー、ヨーロッパの歴史を辿ることにつながっていき、『SNAIL TAIL』というタイトルから想像したのとは全く違うところに連れて行ってくれました。

小さいコミックのシリーズの3号目です。可愛い!

以下は、都合があわず訪問は叶わなかったけれど、BP Zinesのオーナーさんに教えてもらった場所です。

Hurrikan Press(リソグラフスタジオ)

前述の『SNAIL TAIL』を発行しているリソグラフのスタジオ。FKSE Studio of Young Artists’ Associationという施設の中にあり、事前にメールで問い合わせれば訪問できるそうです。『Untold Stories』に参加しているRumiさんがメンバーの一人です。

RISOPLANT(リソグラフスタジオ+植物の販売)

リソグラフ+植物を扱っているお店。リソグラフのワークショップや、テラリウムを作るワークショップも頻繁に開催しているようです。

ブダペストのzineシーン

ブダペストのzineシーンは、リソグラフのスタジオがあったり、フェスティバルが開催されたりして活発な様子です。
今回10年ぶりにブダペストを歩いていて感じたのは、急激なインフレや政治体制の変化によって小さな地元のお店やオルタナティブな場所が減ってしまったのではないかということでした。そして、ISBN book+galleryの方とのやりとりの中で、これは私の個人的な感覚なのではなく実際に減ってしまったのだと聞きました。しかし、こんな風に場所を持って小規模出版やその販売を続けている人の姿を目撃することができて、とても心強く感じました。本好き、zine好きのみなさま、紹介したスポットをぜひ巡ってお気に入りの一冊を見つけてみてください。

つづく!

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たりん
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