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相場振り返り  10/1(火)

米国株

  • <為替> ドルが上昇した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がこの日、よりタカ派的な姿勢を示したことを受け、市場ではFRBが次回11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の追加利下げを行うとの見方が後退した。
    パウエル議長は、経済成長や貯蓄率、個人所得に関する最近のデータ修正により、FRBが注目してきた「下方リスク」の一部が取り除かれたと発言。また 住宅サービスインフレが望ましい水準に落ち着くにはおそらく数年を要すると警告した。
    スタンダード・チャータード銀行(ニューヨーク)のグローバルG10為替部門の責任者、スティーブ・イングランダー氏は、議長の発言は「タカ派的だった」とし、「市場は、FRBが本当に25bp利下げでとどめるのではないかと心配し始めているのかも知れない。市場は、FRBが利下げを前倒しで実施するつもりだとみていた。実際、パウエル議長は、前回FOMC後の会見では言及しなかったような方法で上振れリスクに触れた」と指摘した。
    CMEグループのフェドウオッチによると、トレーダーらは現在、11月に50bp利下げが行われる可能性を35%と見込んでいる。パウエル議長の講演前は約37%、27日は53%だった。 ドル指数は0.42%高の100.86となった。
    ユーロは0.34%安の1.1125ドル。ドル/円は1.17%高の143.85円となった。 豪ドルとニュージーランドドルは上昇。中国人民銀行(中央銀行)が27日、金利を引き下げ銀行システムに流動性を注入したことを好感した。
    豪ドルは0.09%高の0.6908米ドル。一時は0.69435ドルまで上昇し、2023年2月以来の高値を付けた。
    ニュージーランドドルは0.03%高の0.6342米ドル。序盤には23年7月以来の高値となる0.63790米ドルを記録した。
    暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.73%下落し6万3355ドルとなった。

  • <債券> 国債利回りが上昇した。パウエルFRB議長が、金融政策に「あらかじめ決められた経路」はないと指摘し、金利引き下げに際し段階的なアプローチを取る意向を示唆したことを受けた。
    2年債利回りは2週間ぶりの高水準となる3.672%を記録した。終盤は8.2bp上昇の3.645%。1日の上昇幅としては8月中旬以来の大幅なものとなる。四半期ベースでは107bp低下した。
    パウエル議長は全米企業エコノミスト協会(NABE)年次会合で講演し、経済が概ね予想通りに発展すれば、政策は時間の経過とともにより中立的な姿勢へと移行するとの見解を示した。また「リスクは両面性があり、今後も会合ごとに決定を下していく」とも述べた。
    LSEGによると、市場が予想する11月FOMCでの25bp利下げの可能性は62%に上昇。一方、50bp利下げの可能性は約38%となった。パウエル議長の発言前は五分五分だった。
    年末までの利下げ幅見通しは約73bpと。27日の約80bpから低下している。
    アメリベット・セキュリティーズで米国金利戦略を統括するグレッグ・ファラネロ氏は「前回FOMC以降のFRB高官の発言から見ると、彼らは間違いなく段階的な利下げに傾いている。経済は多方面で少し弱まっているが、依然として好調な分野もある」と指摘した。
    指標となる10年債利回りは3.9bp上昇して3.790%となった。四半期ベースでは55bp低下した。
    一方、30年債利回りは2.7bp上昇して4.124%となった。四半期では38bp低下した。
    パウエル議長の発言を受けて米国債のイールドカーブはフラット化。2年債と10年債の利回り格差は13bpに縮小した。

  • <株式> S&P総合500種が小反発し終値で最高値を更新した。ただ、パウエルFRB議長が追加利下げを急がない姿勢を示したことを受け、一時下落する場面もあった。
    ダウ工業株30種も終値で最高値を更新。主要株価3指数はいずれも上昇し、四半期および月間でもプラスとなった。
    パウエル議長は30日、経済が予想通り推移すれば、年内にさらに2回、合計50bpの追加利下げを実施するという見通しを示した。
    ロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は「実際に経済のソフトランディング(軟着陸)は起こり得る」と語った。
    月間ではS&Pは2%上昇し、9月として2013年以来の好調なパフォーマンスとなった。上昇は5カ月連続。
    四半期ベースではS&Pが5.5%高、ナスダックが2.6%高、ダウが8.2%高となった。
    S&Pはパウエル議長の発言を受けて下げ幅を拡大する場面もあったが、引けにかけて回復した。ストラテジストは、四半期末の動きが終盤の相場を支える一因になった可能性があると指摘する。
    ダラーハイド氏は「四半期末にはモメンタム取引とウィンドウドレッシングが見られ、株式の勝ち組を買って負け組を売る動きがある」と語った。
    LPLファイナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は、FRBは11月の会合までにさらに多くのデータを精査することになると指摘した。
    個別銘柄では薬局チェーン・薬剤給付管理(PBM)大手CVSヘルスが2.4%上昇。ヘッジファンドのグレンビュー・キャピタル・マネジメントがCVSの幹部らと面会し、業務改善策を提案すると報じられた。

日本株

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