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なぜなに和ハーブ塾 第三話『食』の和ハーブ②~山菜、野草類 薬味、スパイス 飲料~

前回のつづき。

・山菜、野草類

これも種類が豊富なので、悩むところですが
山菜は「ワラビ」、野草は「ヨモギ」を挙げることにしましょう。

・ワラビ
ワラビは、「ザ・山菜」といっても過言ではない程
私たち日本人にとっては馴染み深い和ハーブですね。
そのまま食べると毒があるので、あく抜きをしてお浸しや
汁物、お蕎麦などのの具としておいしく頂けます。

あまり知られていませんが、かつて「わらび餅」の原料として
根茎のデンプンが使われていました。
現在、天然のわらび粉を使ったわらび餅はかなり貴重品となっています。
見つけたら、ぜひ召し上がってみてくださいね。

・ヨモギ
ヨモギは、草餅やお灸のもぐさに活用される和ハーブです。
「おばあちゃんの知恵袋」としても活用されているので、
懐かしく思う方も多いはず。

アイヌでは「ノヤ」の名で親しまれ、生葉をもんだ香りを体につけて
魔除けとしていました。
また、沖縄では「フーチバー」と呼ばれ、おばぁの民間薬として
「サギグスイ」(下げ薬の意。解熱、血圧降下などに使われていた)
といわれ、今でも大切にされています。

余談ですが、蚊に刺されたときは、ヨモギの生葉をちょっぴり拝借して
モミモミした汁を刺されたところに塗ってみてください。
一発でかゆみが止まります。

山菜、野草類は他に、ユキノシタ、タラノキなどが和ハーブに含まれます。

・薬味、スパイス


日本のスパイスといえばワサビ
平安時代に朝廷に献上されていた記録が残っており、
古くから日本人に愛されてきた和ハーブです。

ワサビには面白い特性があり、私たちが食べる根の部分から
他の植物の生長を妨げる毒素を出すのですが、
なんとその毒素が自分にも効いてしまう為、
野生下では、我々の見知ったあの「ワサビ」になることができません。

そのため、栽培用のワサビ田では段差をつけて、
上からきれいな水を流し続けることで、ワサビの出す毒を流し
根を成長させるという、先人の知恵が伝わっているのです。

薬味、スパイスは他にネギ、ミョウガ、サンショウなどが和ハーブに含まれます。

・飲料

飲料の和ハーブ。
生まれてから一度たりとも飲んだことがない方は
ほとんどいないと思います。
そう、お茶=チャノキです。

チャノキが初めて登場したのは古代中国の伝説。
薬草と農耕の神、「神農(しんのう)」様は
世の中に疫病が起きたとき、人々を救うため山野を駆け巡り、
自ら各種の薬草を舐め、七十二種の毒にあたった。
苦しんでいる神農様のくちびるに、ひらりと舞い降りた一枚の葉。
その葉をかみ砕き、飲み下してみると
みるみるうちに毒は消え、神農様は元気をとりもどした。

神農様を救った一枚の葉、それがチャノキといわれています。

茶に含まれるカテキン類は、
植物の毒素に多いアルカロイド類と結合して、毒を消す作用があります。
伝説とはいえ、今より医学が未発達だった時代に
チャノキの効能を知っていた先人たちの植物知識には
頭が下がる思いです。

また、チャノキは仏教とともに、日本人の心を
育てていった和ハーブといっても過言ではありません。
臨済宗の開祖、栄西禅師は茶文化の普及に大きく貢献しました。

彼の記した『喫茶養生記』は、医学書として書かれたものですが
当時(鎌倉時代)の茶文化を知ることができる貴重な資料。
主に、チャノキとクワの薬効について細やかに記載されており
今でも多くの人に読まれ続けています。

飲料は他に、クワ、ナギナタコウジュ、ハッカ、カキなどが
和ハーブに含まれます。(薬とも重なるところがあります)

いかがでしたか?
どれも知っている食べ物ばかりだったでしょう?
「和ハーブ」って、むずかしくないんです。
ただ、私たちが忘れているだけ。

これから一緒に、ゆっくりと思い出していきましょう。

それでは、今回はここまで。
最後までお読み下さり、ありがとうございます。
次回もよろしくお付き合いくださいね♪



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