しくり

なんかいろいろ

しくり

なんかいろいろ

マガジン

  • エッセイ集

    こじれたエッセイです

  • 羽川翼に関するツイートまとめ

    羽川翼に関する解釈ツイートまとめ

最近の記事

雑語り「砂の器」

来週いっぱいくらいまで無料です。みんな見てください。 あらすじ すごい映画だった。すごいという言葉しかでてこない。現状、たいして映画はみていないけれど、オールタイムベストの一つであると、胸を張って言える作品だった。 ネタバレ注意 今作の主人公、犯人である和賀(本浦)の幼年時代は暗かった。父親はらい病にかかってしまい、母親も死んでいる。二人は村を出るしかなく放浪の旅に出ることになる。その渦中は、二人にしか知る由はないだろう。ただ、言ってしまえばそれが地獄であったかといわ

    • 暖かい夢と、僕の全て

       休日のまどろみは、何もしなかった1日の後悔をぼんやりさせる。静かで、薄汚いゴミ屋敷の真ん中で、脈拍だけがドクドクと、僕の中で響いていた。  夢を見たんです。 「暖かい場所で、すだれから差し込む夏の木漏れ日がきらめいてる──六畳間の和室。ガチャりと音が鳴るタイプのスイッチがついてる、青い羽根の扇風機が首を振っていました。柔らかない草の匂いに、落ち着きを感じている僕がいました」  ──夢を見ました。 「知らない場所にいました。眩しくって、目が眩んで、でも何故か居心地がよ

      • 雑語り「JOKER フォリ・ア・ドゥ」

        ほぼメモ書きです。段落繋がってない。なんでもありな方向け。 装飾と虚飾。僕らは劇場に立たされ続ける。 色々言われてますが、個人的にはかなり好きな部類の話でした。結構ウルっと来ちゃったところもある。やっぱりそれは、テーマの部分が自分にとって好みだからで、この部分が合わないと合わないなーという気もする。 この作品において頻出するミュージカルのシーンはいわば虚飾であり、妄想だ。しかし、そういうことを演じるというのはそれぞれの人間が持っている役割や、在り方をやるということで決し

        • 感情論で語る。ザ・クロマニヨンズ「生きる」

          まずは聞いてもらってから……今回話すのはこの曲です。(フル尺は公式ではありません。悲しい。) 前提として、自分はザ・クロマニヨンズが好きなんですが、何故好きなのかという、バンドのあり方の話をしなければなりません。 クロマニヨンズの曲は、全体的に物凄くシンプルで、下手したら意味の無いような文字の羅列だったりする「原始的」なロックンロールです。歴史の話をすれば、ブルーハーツでストレートなメッセージを込めた青春パンクを確立した後、徐々に幻想的かつ、文学的な詞の側面を強めた歌詞を

        マガジン

        • エッセイ集
          13本
        • 羽川翼に関するツイートまとめ
          3本

        記事

          お砂糖相手の三島くん

          「ねぇ。僕たちってどうなるの」  三角座りの態勢で、三島は聞いた。ラグジュアリーなホテルルームは安っぽく、絵にかいたような高級感に溢れていた。 「そうだね。何にもならないんじゃないかな」  僕はそう言って、ベッドに倒れこむ。 「好きじゃないの? 僕の事」 「好き。本名。教えちゃうくらいには」  僕はごろりと寝返りをうつ。頭に付けた大きな機械のせいで、耳元が少し痛かった。僕はつけっぱなしだった眼鏡を外して、機械をつけなおす。ディスプレイの向こうで彼の姿がはっきりと見え

          お砂糖相手の三島くん

          人として実存がブれている

          自己認識がブレているのに気づいたのは最近のことで、社会人になって3年目の春だった。 自分はカメラというものに手を出し、ところ構わず写真を撮っていた。家族と会う時も当然持っていき、あえてMF(手動でのピント合わせ)で撮ってみせるんだよというウンチクを口から垂れ流すなどしていた。 そこで、妹がカメラを僕から取り上げた。 「ほら、こっち向いて」 僕はやめろよ……といいながら、笑ってカメラに手を伸ばす。カメラを取り上げる前にシャッターは切られて、僕のその「時」は、1枚のデータにな

          人として実存がブれている

          雑語り「トラペジウム」

          東ゆう、好き〜〜〜〜〜〜〜〜〜。まあ端的に言ってなんですけど、この女好きというより、この人間好き!なんですよね。目標に真っ直ぐ突き進む女。作中の凶行は、それこそ若さだと思うんですよ。憧れが先行して突き進んで、それがアイドルという誰もが憧れている(と思ってしまうもの)だったからあーいう行動を取ってしまっただけで、めちゃくちゃ芯のある強い人間じゃないですか。オーディション全部落ちたから自分でキャッチーな企画とテーマ考えて足で人脈つくってきちんとやる事をやってる。彼女の独善性って、

          雑語り「トラペジウム」

          感情論で語る劇場アニメ「ルックバック」

          藤本タツキの読み切り「ルックバック」が公開されてから、3年がたった。あの頃の僕は大学生で、一丁前にメンヘラをこじらせて、布団の中と洗面所を行ったり来たりする生活をしていた。その中で出会ったそれに対して、初めに出た感想は 「全てを創作に捧げられない偽物の皆様」とか「大して捜索に大して熱を込めてないのに上手い人に嫉妬してる皆さん生きてる?」 と言ったふうな、嘲笑混じりのものだった。当時めちゃくちゃフォロワーに怒られた記憶がある。あの作品を読んでなんでそういうものが出てくる。とかな

          感情論で語る劇場アニメ「ルックバック」

          感情論で話す〜アステロイド・シティ〜

          テーマと結論が好きなので、まとめておきます。 前説 作品の中で問われているのは、おそらく「意味」である。 それは作中における。死別した妻やその周り、そして、脚本や「手を焼く口実」に示されている。 アステロイド・シティは多重構造的な舞台設定で、「TV番組の中にあるフィクションのTV番組」という構造になっている。。 つまりは、本当に全てが嘘で構築されていて、意味を持っていないということになる そして、意味を持っていないという意味──みたいな堂々巡りの話をしたいのではな

          感情論で話す〜アステロイド・シティ〜

          オッペンハイマー感想

          見た直後シンプル感想記事です。 ネタバレあり。 予習もしてないし歴史にも全然詳しくないのでまあ良くないことをしたなと思いつつ、シンプルに言えることはあって、これは伝記の映画なんだから、それを受け取ってそれぞれ考えようね!の話になってくる。時系列とかはまあわかるというか、そこまでぐちゃってないからむしろ有難かった。  で。感想なんですが、1と全と、その自覚。そういった部分に少し感情が動いたなと言う感覚があります。国的な、規模の大きいものが全とするなら、もっとマクロ的な、一人

          オッペンハイマー感想

          生きたくない日々の言いかえかた。

           石風呂氏の曲、シーサイドモーテルの歌詞に、こんな一節がある。 生きたくない日々を死にたいと言い換える。初めて聞いた時、納得感があった。誰しもが簡単に、「死にたい」と口にするけれど、大抵は別に、本気で死にたい訳では無いと思う。 最も、そう思うのは、僕が死ぬことに対して強い恐怖感があって、25にもなろうと言うのに、夜中に震えて眠れなくなる精神性だからかもしれない。 しかし、実際、死にたいと思うのは異常なのである。生物なのだから、生きねばという本能があるはずで、そういう本能

          生きたくない日々の言いかえかた。

          君たちはどう生きるかのことをずっと考えているのですけれど僕は?

          感情論で語る、「君たちはどう生きるか」|しくり #note https://note.com/taratatta/n/n07ef9653908b 公開当時の記事です。 雑語りです。注意! そこを踏まえた上で話すんですけど、公開してからかなり経ちますが、ずーっと考えていたわけです。自分は気に入った作品を咀嚼し続けて意味を考えるタイプのオタクなので、それは間違ってるしダメなことなんですけれども、そこに自分の出した結論があるので結構満足していたりします。 そこで思う、君たち

          君たちはどう生きるかのことをずっと考えているのですけれど僕は?

          実質的な人生の終わりについて

          表題について。実質的な人生の終わりとは、これから先がどうなるか、予見できてしまうことである。それは、人生という一つの大きな可能性の収束地点、その観測である。 月曜日の友達という作品で、中心人物である月野透が、終盤で語っている。 ここで語られていることは、人生という可能性の終着である。作中ではそれに対して一つの願いを提示して物語が閉じていく。思うに、人生というものは、こういった終着に対して、どう立ち向かっていくかということが、幸福に向かう道なのだと思う。 しかし、それはと

          実質的な人生の終わりについて

          傷物語「こよみヴァンプ」は物語シリーズ入門編に最高で最悪である

           まず謝らないといけないことがある。傷物語三部作をガッカリと決めつけてごめんなさいと言うことだ。もちろん見た上で語っていたけれど、当時の僕の理解が全く足りていなかったし、そういう感受性もなかったというのが事実である。 なのでまず、この場を借りて謝罪したい 本当に申し訳ありませんでした。 以下、感想 感想ネタバレ  前提として、僕はこの2年ほど物語シリーズをまともに摂取していない。傷物語も見返してないし読み返していない。それは単純に、僕が羽川翼のことを嫌いすぎて、考え

          傷物語「こよみヴァンプ」は物語シリーズ入門編に最高で最悪である

          感情論で語る、「∀ガンダム」

          クソ記事です。まとまってません 「Gのレコンギスタ」劇場版をみて、元気のGに当てられた僕は、∀ガンダムを視聴することに決めた。そして、一通り見終わって気づく── 「もしかしてこれ……ド傑作じゃないか?」 「∀ガンダム」は1999年から2000年にかけて放映されたTVアニメ作品である。 まずパッと見で「ガンダム」とあるのだから戦争モノ、ロボットモノという認識を受けるが、主人公機、そしてその他機体のデザインに度肝を抜かれるだろう。正直な話、ガンダムに出てくる数字を暗記する

          感情論で語る、「∀ガンダム」

          感情論で語る「Gのレコンギスタ」

          感情論で語ります。書いている本人はふわっとした感情で、劇場版を一周しただけで話します。なので、怒らないでください。すいません。先に謝っておきます。 「で、俺達は何を見せられたんだ?」君たちはどう生きるかを見たことなので、僕は友人を誘って、「Gのレコンギスタ五部作一気見上映会」というのをやることにした。なぜなら、君たちはどう生きるかを見た直後に、寂しくて泣いて、そのついでにキレ散らかしたからだ。キレ散らかして納得していく様は下の記事でまとめて落ち着いたのだけれど、 とりあえ

          感情論で語る「Gのレコンギスタ」