20240101 柴崎町(立川市) #風景誤読
元旦。八王子からしばし離れて、立川にある親戚の家に来ている。
暇なので妹と散歩にでかけた。
「ざんぼりミッキー」と妹が言うので、「ざんぼり頭」と返す。
残堀川は西多摩の狭山池から出て、この立川橋のすぐ南のところで多摩川に合流する。立川は残堀川に加え、多摩川、根川、玉川上水といたるところに水が流れている。
なんとなく、大通りから外れて、小道に入ってみる。
こんなところに親水公園があるとは全然知らなかった。
妹が「キジバトだ」と駆け寄っていく。たしかに、草のすきまに、水を飲んでいる鳩の姿が見える、と私はあとから気づく。よく不思議なリズムで鳴いている鳥だ。
妹は遠くからいつのまにか鳥を把捉し、ひとめ見ただけでその名前を言い当てる。私が尋ねれば、一言二言解説を添えてくれる。ひとりで散歩しても、こういう面白さは得られない。同行者の目線、例えば、道に「鳥」をみつけだす目線。私にその目はないから、私の道には鳥がほとんど居ない。
国立のみちくさ書店で買った『立川の歴史散歩』によると、根川は1971年に改修工事が行われて、人工河川になったという。やがて元の川は埋め立てられ、緑道が整備された。戦前はボートが浮かぶほど水量が豊かだったし、土手に植えられたサクラが多くの花見客を呼び寄せて賑わった。
緑道の脇、住宅のならぶなかに「なんでもない日」という名前のスープカフェがあって、かなり気になった。いま、まさに「なんでもない日」という感じの散歩をしている。さすがに元旦なのでお休みだった。
このあたりで引き返すことにする。
帰りにセブンイレブンに寄ってお菓子を買った。柴崎町あたり、新奥多摩街道は横断歩道が極端に少ないので、車の途切れたタイミングを見計らってダッシュで対岸へと渡る。インドネシアのポノロゴという街で、大量のバイクの間を縫ってどきどきしながら移動していたときのことを思い出して、隣を歩く妹に話しかけた。
[たかしな]
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