20230525 小松島新堤、小松島(仙台市) #風景誤読
昼ごはんを食べに行くついでに、りなさんが植物観察をしているという小松島新堤へ行ってみた。
「花咲くおねえさん」をさーっと探してみたが全然見つからない。りなさんからは、具体的にどこで植物観察をしているのかは聞いていない。ちいさな花畑みたいになっているところが多すぎるので、もっとゆっくり探した方が良さそうだ。
何気ない路地、住宅へつづく小路のひとつひとつが、ちょっとした遊歩道のようだ。ひとの手によって整えられて、丁寧に花が咲いている。
小松島新堤公園ではちかくの学校からあつまった子どもたちが楽しそうに遊んでいた。
小松島新堤は周囲を小松島、高松、蟹沢、南光台、安養寺に囲まれた本当に小さな地区で、その名の通り「新堤沼」という溜池がある。新堤沼はすぐ近くにある「与兵衛沼」の補助用水として1932年につくられたという(参考)。意外と最近だ。小松島新堤という地名はそれ以降に設定されたのだろうが、それにしても小松島と区別する理由はどこにあったのだろうか。
かつて、与兵衛沼周辺(とくに枡江、二の森、安養寺)は北側に里山を背負い、森林や竹林が点在する田園地帯だった。戦後どんどん住宅地が増えていったが、造成以後も緑を残そうとする誰かの意志を、ここ小松島新堤を歩いていても感じる。
お腹が空いたが小松島新堤にはごはん処がまったく存在しない。仕方がないので、小松島・東照宮のほうへ降りていく。
ところで、小松島は地形が大変凸凹していて、延々と坂道が続いている感じがとても良い。のぼり、くだり、のぼり、くだり、歩けば歩いただけ、違う展望がある。
さっき目をつけていた小松島2丁目の「そば処久楽」という店に入るが、14時で閉店していたらしく、丁重に断られる。丁重に「また来ます」と言って店を出る。
すぐ近くにある「ゴコー書店」に入って、店主のおばさんに「郷土の本って置いてますか」と声をかけると、「これ、結構まえにつくったものだとおもうんだけど」と『御宮町乃歴史BOOK』という小冊子を手渡される。発行年数は不明(むしろかなり最近だと思う)。行政の商店街活性化事業の一環で、宮町商店街が調査、発行したものだと言う。「宮町は結構そういうの、積極的なんですよ」
小松島小学校向かいの「ひまわり」という弁当屋に入る。
日替わり弁当をオーダーして席に座る。男女二人の店員さんがささっと準備をはじめる。少し経って、男性の店員がちいさなこえで「つけあわせは」と言って、女性の店員が「まめ」とこたえた。そのたった一言のやりとりのあと、二人とも一切くちを開かずに淡々と準備を続ける。やがて「おまたせしました。五百円です」と女性に言われて、お金を払う。弁当を受け取る。店を出る。
さっきの一瞬のやりとりがなんとなく面白くて、ずっとあたまのなかで繰り返してしまう。
「つけあわせは」
「まめ」
「つけあわせは」
「まめ」
[たかしな]
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