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【1分で読める】「UNDEAD/YOASOBI」を聴いて小説のワンシーンを想像した。【歌詞の意味】

中村悠太は、大学2年生。毎日がルーティンの繰り返しで、何か大切なものを失っているような気がしていた。夢も希望も、日々の単調さに埋もれつつあった。

ある日の午後、図書館で勉強していた悠太は、ふと目の前の本に映る自分の姿に目を留めた。しかし、その反射は少し違っていた。本に映る自分が、にやりと笑ったのだ。

驚いて本から目を離した悠太だったが、再び見ると普通の反射に戻っていた。「疲れているのかな」と思いながら、悠太は勉強を再開しようとした。

瞬間。突然、本から手が伸びてきて、悠太を引っ張り込んだ。

気がつくと、悠太は見知らぬ世界にいた。そこは、彼の知る世界とよく似ていたが、どこか違っていた。空は紫色で、建物は逆さまに建っている。そして、街を歩く人々は皆、悠太とよく似ていた。

「ついに来たね、僕」

声の主は、悠太そっくりの青年だった。しかし、その目は悠太よりもずっと生き生きとしていた。

「君は...僕?」悠太は混乱していた。

「そう、僕は君だよ。でも、可能性を諦めなかった君さ」そう言って、もう一人の悠太は笑った。

「ここは並行世界。君が選ばなかった道を歩んだ無数の君がいるんだ」

悠太は驚愕した。街を歩く人々は皆、別の可能性の自分だったのだ。

「でも、なぜ僕をここに?」

「君が自分を見失いそうだったからさ。ここで君に気づいてほしいんだ。君の中にある無限の可能性を」

そう言うと、もう一人の悠太は悠太の手を取り、街を案内し始めた。

そこで悠太は、様々な自分に出会った。世界的なミュージシャンになった自分、ノーベル賞を受賞した科学者の自分、宇宙飛行士になった自分...。どの自分も、生き生きとしていた。

「君の中には、これだけの可能性があるんだよ」もう一人の悠太は言った。

悠太は圧倒された。同時に、自分の中に眠っていた情熱が少しずつ目覚めていくのを感じた。

「でも、僕にはできない...」

「そんなことないよ。大切なのは、諦めないこと。そして、自分の心に正直になること」

その言葉を聞いた瞬間、悠太の周りの世界が揺らぎ始めた。

「さあ、自分の世界に帰る時間だ。でも忘れないで。君の中には無限の可能性がある。それを信じて生きていけば、君の世界も変わっていくよ」

目を覚ますと、悠太は図書館にいた。周りは何も変わっていない。しかし、悠太の中の何かが大きく変わっていた。

その日から、悠太の日々は少しずつ変わり始めた。授業では積極的に発言し、新しいサークルにも参加した。そして、かつて諦めていた音楽の夢を再び追い始めた。

時々、鏡や水面に映る自分の姿が笑いかけてくるような気がした。その度に悠太は、あの不思議な体験を思い出し、自分の無限の可能性を信じる勇気をもらうのだった。

悠太の未来がどうなるかは、まだ誰にもわからない。しかし、彼の目には再び輝きが宿り、一歩一歩、自分だけの道を歩み始めていた。


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