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#22【恋心と卒業。/ボイスドラマ脚本(女性1人)】

昔からそうだ!
アイツの鈍感さには腹を立ててばかりだ。
私のちょっとした優しさにも、
気づいているのか、気づいていないのかよく分からない反応をする。

「…あっ、どうも。」
それだけ!?普通ありがとうの一言くらいあっても良くない!?
折角、他の男子とは少し違う種類のやつ挙げたのに。
なんていうか…プレゼント損した気分。

きっとお返しもないんだろうなぁ…。
アイツ、なんも考えてなさそうな顔してるし。
多分、貰えたとしても「ポタポタ焼き」一袋とかそんな感じでしょ?
ポタポタ焼きて。おばあちゃんちじゃないんだから!いや、美味しいけどね!?


…そんなやり取りも後数ヶ月か。
アイツ、確か短大に入るって聞いたな。
美容師の専門学校だって!
確かに、見た目によらずオシャレだからな。うん。
悪くはない気がする。

この町から出て行くのかな。
寂しくなるな。
もう口喧嘩も出来なくなるんだ。

まぁでも、きっとなんだかんだ寂しくて戻ってくるでしょ?
アイツのことだし。
美容師免許だけとって、地元で就職…なんてよくある話じゃん。
私はこのままこの町で就職してさ、
いつかパッタリ出会うんだよ。
「あれっ…久しぶり。」なんて声かけられて!
そうしたらその時は、私の髪も切ってもらおうかな。

その日の為に、私はずっとこの町で暮らすことにする。
いつ帰ってくるかなんて分からないけど、待ってる。
“期待”はいつか裏切られるかもしれない。
だけど…自分がそれでいいと思えるうちは、
ずっとアイツのことを好きでいたい。

鈍感なアイツはきっと、
最後まで何も気付かないんだろうな。
でもきっと、それがアイツの良いところだ。

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たみな涼介 | シナリオライター/アプリエンジニア
最後まで読んでいただきありがとうございます! ▶︎「4コマ漫画」「ボイスドラマ」 などで活動中のシナリオライターです。 活動費用が意外とかさむため、よろしければサポートして頂けると嬉しいです!“あなた”のサポートが私のマガジンを創ります。 お仕事のご依頼もお待ちしております!