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1/24 採卵当日

ついに卵子凍結の採卵の日。
難病治療で、「妊孕性温存」という言葉を知り、「これから子どもをもつ希望を残しておきたい」という気持ちから始まった卵子凍結。
これまで不妊治療や卵子凍結については一切調べたことがなかった。
難病治療で入院の際に、医師に言われるがままに女性科に話を聞きにいき、手続きを進め、一ヶ月間卵子を育てて、今日に至る。

朝6時半、電車に乗り、8時前頃に病院着。
8時半から受付開始。ここに遅れると排卵してしまい採卵ができなくなる可能性がある、ということで、絶対に遅れられないと思った。
朝から何も飲食はできず、難病治療の薬の服用のみ。バイアスピリン(血液をサラサラにする薬)は休薬。
何度も、もらった「採卵当日の流れ」の紙をチェックし、薬の服用なども万全で向かう。

無事受付を済ませて、採卵する部屋へ。
9時半頃、ベッドのある個室に案内されて着替えやお手洗いを済ませる。

おそらく10時頃、採卵開始。
手術台に寝かされ、看護師や医師は5人ほどいた。思ったより多く、点滴や採卵準備など、あちらこちらで体を動かされている。
当日は静脈麻酔で眠ると聞いていたが、なかなか寝ない・・本当に寝るのかな・・?と思っていたら意識がなくなっていた。

麻酔で、一生忘れられないだろう経験をした。
体の感覚が一切なく、脳だけで生きているような感覚。
世界がオレンジで、もやもやしたりはっきりしたり、
とにかく「自分は生きている者ではない」という初めての感覚だった。

途中途中で、意識が少し戻りそうなときがあった。
全く何かを言おうとは思っていないのに、勝手に「麻酔が切れている」とか、何かうめいたりしていた。あれもとっても不識だった・・。
そして麻酔を追加され、また不思議な世界へトリップするという。
寝るとも全く違う経験で、ある意味思い出深いものとなった。

終わってから、手術台の上で意識が戻ってくる。
まだまだぼーっとしているが、「10個くらい採れましたよ」という声が聞こえて、一応大丈夫だったのか・・と安心する。

麻酔の効果で何もできないほどだるく、個室に運ばれ、そのままベッドで眠る。
また意識が戻ると、今度は下腹部の痛みと、やっぱり麻酔のだるさが襲ってくる。本当に何もできない。辛い。

気がつけば13時になっていて、「2時間ほど寝ていましたが、体調どうですか?」と看護師さんがやって来る。

まさかここまで何もできなくなるほどの具合の悪さになるとは思っていなかったので、15時から歯医者の予定を入れてしまっていた。
そのタイムリミットをぼんやりした頭で考えながら、でも、動けない無理・・・・という気持ちが強く、ひたすらに横になる。

腰を曲げてなんとかトイレに行き鏡を見ると、頬と唇が腫れている。頬は赤みを帯びていて熱を持っている。
プレドニン(ステロイド)服用の影響か・・・?
とりあえず看護師さんに報告すると、確かにそうですねと。アレルギー反応がないか見るとのことで、アレルギー内科の先生が来てくれる。

アナフィラキシーショックなどのアレルギーの可能性もあるので、もう1時間ほどは様子を見た方が良いとのこと。息苦しいなどの症状はない。

14時頃には病院を出ないと歯医者に間に合わない・・というリミットを感じながら、いやでもお腹痛すぎるしもう無理かも、という気持ちもあり、正直に歯医者に連絡を入れる。
(歯医者とはいえども、マウスピース矯正からワイヤー矯正を始める日だったので、結構ずらしたくなかった。笑)
歯医者は快く変更を受け入れてくれて、感謝。

その後、アレルギー内科の先生と諸々お話。
顔と唇の腫れはおさまってきた。何だったのかは結局不明だけど、多分いろんな薬を飲んでいる難病治療の方の影響だと思う。

アレルギー症状はなく、今後の難病治療のスケジュール感の話に。
卵子凍結も無事に終わったので、これからいよいよエンドキサン(抗がん剤)での治療が始まることになる。月に2,3日の入院をして点滴治療をする。
2月に一度外来に行き、その後3日間の入院日を調整する。
子どもが一時保育に行けて、夫の仕事に支障が出にくいようなスケジュールで調整。一時保育もまだ可能かどうかは未定・・・。
自分は今育休中なので仕事はなく、基本的には治療に全振りできることが救い。
調整した3日間の中で、2月まで通う予定の親子教室が入っていたけれど、そこはスキップで仕方ない・・。

始めるなら早めに始めたい、という気持ちがあったが、入院治療は2月中旬で決まった。いよいよだ。

予定を調整して、いつまでもベッドで寝かせてもらっている訳にもいかないし、とにかく早く帰りたいので、腰を曲げながらなんとか帰宅する。
とにもかくにも、下腹部のチクチクするような痛みと、膨らみ?がすごい。ぐるじい・・・・という感じ。もちろん個人差があると思う。

16時頃、なんとか家に帰った。
朝から何も食べていないので念の為おにぎりだけを駅で購入し、寝室で横になる。
夫には本当にごめんと、保育園のお迎えと全ての育児をお願いする。
もう無理なのだ。インフルよりも体が辛かった。
寝室も別のベッドで一人で寝かせてもらった。
採卵前に、医師には「何も予定入れない方がいいですよ」と言われていて、なぜか全然大丈夫だと思ってしまっていたが、本当だった。
大丈夫だと思ってしまっていたのは、胃カメラの時に静脈麻酔をして、眠るだけでなんの支障もなかったからだと思う。
採卵後はお腹の痛みというパンチがあった。

この時は何も考えずに回復に専念させてもらえて、夫には本当に感謝だった。
おかげで回復はかなり早いスピードでできたと思う。
翌日には、お腹は痛いものの、食欲はあるし、日常生活は普通に送ることができた。

採卵の結果は、約5日後の外来でわかる。
もともと卵子が17個ありそうという話だったが、採れたらしいのは10個と、今のところ言われている。実際にどうなのかは外来で伝えられることになっている。
どうか良い結果でありますように。

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