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夏が終わり秋が来ず本格的に肌寒くなってきた。
夏はライブ以外ほとんど何もできなかった。
念願の花火もお祭りも海も何もかも。
バイト先の仲間とBBQは出来たけど
軽く脱水症状になった。

まあ何も出来なかった分、
引き換えにバンドは力をつけた。
親よりメンバーの顔見た気がする。
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ちょこっと昔話
僕はブレザーや学ランを羽織るのがなんか好きだった。

洒落気付いてるわけでも無く、
でも重みのあるスーツのようなものを着てる感じが
なんだか心地よかった。

高校生の頃、
理解者もバンドも楽しみも何もなかった僕。

寒く暗い1人の帰り道、
当時好意を寄せていた先輩を想いながら
両手をズボンのポケットに入れて、
黒く長いカーテンのような髪を靡かせて、
イヤホン耳に音楽を聴きながら歩くのが
寂しいけれど好きだった。

聴くのはKANA-BOONやPEDRO。
「会いたいだけ 嗚呼、痛いだけ。」

いつか先輩にライブしてる姿を観てもらえるだろうか
なんて妄想をしながら、
なんとかしんどい現実を生き抜くことが出来た。

その先輩のことかなり長く想っていたけど
先輩が卒業してから多分5年は会えてないと思う。
告白したかも忘れてしまった。
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なんてことを寒くなる度に思い出す。
今は仲間もバンドメンバーも楽しみも沢山出来た。

僕にやっと春が来たのかもしれない。

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