夜が明けて
念願のKNOCKOUT FES初出演。
まさかの全体のトッパー。
1年前、いや数ヶ月前の自分にとっては
あり得ない状況。
やっとここまできたのか、もうここまできたのか。
色んな感情が押し寄せてくる。
ずっと僕は1人だった。
中学も高校も満足に音楽が出来なかった。
音楽の大学に入っても満たされなかった。
何か友達というか仲間に飢えていた僕は何度も何度も
人との関係を壊しては新たなところへ移ることを
繰り返していた。
(勿論今も仲良い大切な友達はいるけど)
自分の性格や環境、理由は色々あるにせよ、
人間向いてないなと何度も思った。
仲間を得ても、本当に信頼し合っている、
お互いを切磋琢磨し合っている、
と自分に嘘をついていたような気がする。
僕はずっと1人だった。
自分のことが好きではなかった。
前置きが長くなったけど、
僕はようやく今のバンドのメンバーを、人を
信じられてる気がする。
実はライブ前日、メンバーと色んな話をした。
スタジオで練習をするとともにメンバーの家に泊まってそのままライブに行く、みたいなルーティンが
度々あるんだけどその中で
私生活のこと、ライブのこと、作曲のこと、
普段言いにくいこと、本当にたくさん話した。
そこで自分の短所を明確にみつけた。
分かっていたつもりになっていた。
自分の考えに耽って人の話を聞いていなかったり、
他人のことを思い遣ってるようで、
自分の本音を隠して
人に指摘する時も潜在的に自分も傷つきたく無いから
オブラートに包み過ぎたり、
自分の長所も短所のことを考え過ぎて
潰してしまったり、
実は海斗や匠の才能に嫉妬している部分もあったり。
僕はまだまだ子供だなって思った。悔しかった。
こうやって大切な人をたくさん傷つけてきたんだなと
思った。胸が痛かった。
ただメンバーのアイツらは僕を許した。
むしろ気持ちがわかると言った。
こんな出会いが出来たこと、当たり前じゃない。
もう僕は1人じゃないと思った。
KNOCKOUT FES当日。
雨が降った。受付で大量にビラを配った。
ここぞとばかり接客バイトで培った会話を披露した。
出番ギリギリまで配った。
ライブ本番。
お客さんが沢山入ってくれていた。
嬉しかった。
入場規制にならなかったものの、
1番手らしいライブができたのではないかと
僕は思っている。
僕としては海斗は過去一のMCをしたと思っている。
つい涙ぐんでしまった。
過去のことを思い出してダメだった。
アイツは家族のこと、俺らメンバーのこと、
観てくれるお客さんのこと、友達のこと、
自分自身のことを話した。
「ずっと1人だと思っていた_______。」
アイツの人がわかるいいMCだった。
ファンの子も仲間のバンドマンも友達も
凄く良いと言ってくれた。
血が滲むような悔しい思いをしたやつが集まって
でも好きなものを純粋に好きにやって
それが1+1+1=3じゃなくて
3ではないもっと大きなものになって。
やっとここまできた。
この3人でもうこんなところまできた。
いやこの3人をたくさんの人がここまで
連れてきてくれた。
クサいけど僕はいつも自分のことだけじゃなくて
大切な人たちを思ってステージに上がる。
やっと胸を張れる気がする。
大切な人たちを思ってステージに上がる自分は
好きになれている気がする。
さっきも言ったけど1人じゃない気がする。
いつか自分みたいな経験をしてる人、大切なやつを
救えたらなって思っている。
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余談だけど、
最近僕はライブを楽しむというより必死になっていた。
もちろん楽しいんだけど、なんか必死になりすぎてた。
それを前日海斗に話した。
それを覚えてなのか、たまたまなのかわかんないけど
アイツはノックアウトのライブ中俺に向かって口で
「楽しいな!」と言っていた。勘違いかもしれないけど。
でも楽しかった。楽しめた。
アイツはMCでもそうだけど何気ないところで
人を救うような力があると思う。
でももし僕が女の子なら
絶対アイツと付き合いたくないけど。
まあそれは置いといて。
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最近、僕らのもとに嬉しいLINEのメッセージが届いた。
もっと大きなところでみんなで行こう。
雨は止み、夜は明けた。