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電験漬けの日々
1.きっかけ
機械設備を専門としている私が電験三種のことを知ったのは約10年前
職場で受験していた電気専門の同期に話を聞いたことに始まる
その時は電気を専門にしてる人でも取得に数年かかる難関資格の一つくらいにしか思っていなかった
むしろ電気は大学の頃に感電したのがトラウマで『電気は見えへんからできるだけ関わりたくない』スタンスをつい最近まで貫いていた
その私が電験三種を受験しようと思ったのは、建築基準適合判定資格者検定(建適)の合格と設備設計一級建築士の受験がきっかけだった
昨年受けた建適も少し前までは建築の専門の、さらにニッチな守備範囲の人が受ける資格やと認識していた
しかし、ある会議で出会った人達の影響でその常識があっさり覆る
設備関係でも建適やルート2主事を取得して仕事に活かしてる人達がいたのである
私はその時に初めて建適のことを真剣に考え、この人達と同じように仕事で活かしてみたいと思った
そして、半年の努力の末に建適を取得することができた
これは私の中で職種の壁を越える最初のきっかけになったと思う
その時に電気も勉強して仕事の幅を広げたいとはっきり思うようになった
また、この話とは前後するが、去年の3月に一級建築士の免許を取得した時に設備設計一級建築士の受験資格を調べて、令和6年に最短で受験ができそうなことがわかった
その時にふと、設備設計一級建築士を名乗るのに『電気のことを知らなくていいのか?』と疑問に思ってしまった
一度考えはじめると頭から余計に離れない
その考えが片隅にあるまま建適を受けて、少し落ち着いた後に電気のことを調べた
そこでたまたま電験三種の制度がここ数年で大きく変わり、合格の可能性が上がっていることを知ったのである
電気のことを勉強するちょうど良いタイミングやと思った
さらに情報収集を重ねて、設備設計一級建築士の受験時期との兼ね合いを整理して、なんとか勉強時間を10ヶ月程度確保できそうだったので、ダメ元で受けようと考えた
それがちょうど令和5年の9月末
そこから試験対策のホームページを手当たり次第調べたり、初心者向けの勉強方法を検討したり
電験漬けの日々が始まった
2.勉強の日々
キリの良い10月から始めようと思ったけど、建適の結果がまだ出てなかったので年内はテキストの読み込みはしたくなかった
そこで、攻略サイトやXでオススメされてた電験合格の動画を流し読みすることにした
電験合格の先生の講義は無料でみれる動画としては、すごくクオリティが高くて、先生の話の面白さもあって興味を持ってみることができた
しかし、計60時間くらいの動画を見た結果、知らん内容があまりにも多くて、危機感だけが募る羽目に…
12月の建適の結果が出てすぐにみんほしのテキストを購入して、ネットでオススメしてたアプリをダウンロードして、勉強の体制を整えてから年末を迎えた
ここから電験への本格的な挑戦が始まる
年明け早々、みんほしの理論から始めて3月末を目標にそれぞれのテキストを1日20ページくらいのペースで読み進めた
1月には誰でもシリーズの理論と過去問も購入
みんほしは前倒しぎみで進めた結果、予定より少し早めにテキストと問題集を終わることができた
この時点で理論が1番不安やったので、仕事の昼休みに誰でもシリーズの理論を読み込んで電気の基礎の習得を心掛けた
そして4月からは誰でもシリーズの過去問11年分をスタート
一周目の5年分くらいはできない問題も多く、時間をかけて答えを理解するように努めた
また、理論以外の3科目はアプリで論説の補強を朝の隙間時間に進めた
そこから加速度的に正答率が上がっていく
11年分を終わる頃にはだいたい基準点はクリアできるようになっていた
ちょうどこの頃に電験の受験申し込みがあり、色々悩んだ末にCBT方式で7月の2週目に理論と電力、4週目に機械と法規の受験を決めた
試験日を決めたのは良いが、試験時間無視で解いていることや初見の問題が毎回出てくること等、不安要素はまだまだある
このままでは中途半端になるのでは?
と、ふと思い、しばらくその考えを引きずりながら2周目を本試験の問題を使って、時間を計って解き始めた
…やっぱりこのままやと全ての科目が中途半端になる
2度目の直感を信じて急遽7月の前半の2週間は理論と電力の2科目に専念することに
この2週間はすごく疲れたけど、過去問10年分とみんほしの問題集をやり遂げて少し自信をつけられたと思う
そして迎えた1度目の試験当日
CBT方式の会場が家の近所だったので、試験時間に間に合うように歩いて向かう
会場はこぢんまりとしたビルの4階
試験の説明を受付で聞いて、ロッカーに荷物を預けて、指定のパソコンの前へ
自分のタイミングで試験を開始する
内容は制約があって書けないが、理論は時間いっぱい使って終了時間を迎える
結果が表示される
『95点』
今までとったことのない数字が表示された
一瞬遅れて喜びがこみ上げてくる…
そのまま喜んでいたかったが、続けて電力も受けないといけないので、少し気持ちを落ち着かせてから試験に臨んだ
電力は見直しをしても少し時間が余ったので終了ボタンを自ら押す
『80点』
理論には届かなかったが、基準点には余裕があったので、少しほっとした
1日目を終えてみると、2科目とも基準を大きく超えた点数を取ることができたので、あの時直感に従って勉強科目を絞って良かったと思う
そして、残るは機械と法規
残り2週間の勉強の計画をすぐに立てて、翌日から勉強を再開した
まずは機械と法規への頭の切り替えが必要だったので、朝のすき間時間にみんほしテキストの読み込みとアプリから始めることにした
それと並行して昼休みはみんほしの問題集2周目を
さらに夜は理論と電力よりも多めの過去問12年分をなんとか終わらせる計画とした
今思い返してみると、この2週間はかなり詰め込んだので、平日は電験→仕事→電験→仕事→電験の完璧なルーティンが出来てた気がする
また、機械と法規はどちらかとゆーと好きな科目だったので、ノルマをこなしてたらあっとゆーまに時間が過ぎていった
そして、迎えた2度目の試験当日
前回と同じ時間に同じビルで受験
違うのは前回と同じ手拭いが今回は持って入るの禁止と言われたこと
仕方ないので言われた通りにする
気持ちを切り替えて今回も自分のペースで機械から始める
内容は今回も制約があって書けないが、機械は見直し含めて20分くらい時間を余らせて終了ボタンを押した
『95点』
理論と同じ1問間違いで、信じられないくらい点数が高かったので嬉しかった
さらに良い感覚のままで法規も受験するために、短めの休憩をとってからすぐに席に戻って法規をスタート
法規はだいたい10分くらいを残して終了ボタンを押した
『94点』
こちらも高得点の表示が出て、しばらく思考停止…
遅れて全ての科目で基準点を超えた嬉しさがやってきた
すぐに妻に結果を伝えて、再度点数を見直して、喜びを噛み締めた
こうして、長かった電験の勉強の日々に終わりを告げた
〜4科目の結果(令和6年上期)〜
理論 95点
電力 80点
機械 95点
法規 94点
3.これから電験三種を受ける人へ
令和5年10月から始めた電験三種の勉強の日々は約10ヶ月
思い返すと長いようで短かったこの10ヶ月は苦手なことを克服する日々やったと思う
私が今回全ての科目で高得点を取れたのは、近年の電験三種の傾向の変化とCBT方式の採用によるものなのは間違いない
さらに、私自身が電気の初心者からスタートした経験を踏まえると、今の試験制度なら電気の初心者でも勉強を続ければいつかは合格に辿り着ける試験やと思う
いま電験三種の受験を考えている人や試験勉強の日々を続けている人へ、私はこれからエールを送り続けたい
一級建築士の試験や他の資格試験と同じように
そして、私自身もこれで終わりではなく、ここから電気のことをさらに勉強して実務に活かしていきたいと思う