46.7℃の壁 植物が語る終末のシナリオ
台風10号は上陸後、あっという間に熱帯低気圧へと変わっていくという予報が出ています。少しだけホッとする瞬間ですが、南方に広がる大きな雲の塊が、またもや不安を掻き立てるのです。どうにも落ち着かない気持ちです。
最近の気候変動の数字を見ると、胸が締め付けられます。世界気象機関(WMO)の報告によると、2023年の世界平均気温は観測史上最高を記録し、産業革命前と比べて約1.45℃も上昇したそうです。この数字、小さく感じるかもしれませんが、地球全体で見れば驚くべき変化なのです。
昨今の異常な気温上昇は、もう目を背けることのできない現実であり、地球は、まさに「沸騰」しているのです。
国連のグテーレス事務総長が「人類は地獄の門を開けてしまった」と警告したように、洪水によって農作物が流されていく様や、気温上昇によって新たに発生する病気、そして歴史的な大規模火災から逃げ惑う人々の姿など、私たちが直面している現実はますます悲惨なものになってきています。
この流れはもう止められないし、後戻りもできない。今や私たちにできるのは、せいぜいこの危機的な状況をいかに延命させるかを考えることだけです。
地球温暖化の現実は、まずは高温による砂漠化や水不足、さらには大災害を引き起こし、食料不足が避けられない未来を確実にするというものです。自動車がゼロになったところで人は生きていけますが、極端な高温や低温、災害、そして食べ物がない状況では、私たちは確実に生き延びることができないのです。
又、植物がもっとも元気に光合成を行うのは気温25℃前後。
ところが、これを超えると光合成速度は徐々に減少し、40℃を超えると急激に遅くなり、46.7℃付近では光合成が完全に停止してしまうのです。
太陽光を受ける葉の温度は、気温よりも3~5℃高くなるため、この危機はさらに深刻です。気温が低すぎる場合も、5℃以下で光合成はほとんど進まず、高温の場合は植物の呼吸速度が急激に上がり、CO2の排出が増加するという逆効果さえ生じます。
地球上のすべての生命体は、植物がなければ生きていけません。植物が急激に減少するというのは、まさに「地球沸騰化」がもたらす最大の危機なのです。地獄の門が開かれた今、人類はそのうち飢餓に直面することにならないでしょうか。
そして、ICE車(内燃機関車両)は、その中でも特に厄介な存在です。
PM2.5といった有害物質を大量に放出し、大気を汚染し、温暖化ガスを垂れ流すこれらの車両は、確実に人類の生存を脅かしています。もはや、ICE車は人類の敵となってしまい、その役割を終えたのです。
これは誇張でも妄想でもなく、既に多くの実害が報告されています。最短で5年、遅くとも10年以内には、私たち自身がその過酷な現実を目の当たりにすることになるやもしれず、心配でなりません。
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