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「近所 Vol.3」一首選<ゲスト編>
2024年3月14日。
この日の活動は、文学フリマ東京37で発行した「近所 Vol.3」(近所3)の中で、自分以外の作者ごとに1首ずつ選んで語ろうという回でした。
まず最初に、ゲストとしてお招きした御糸さちさんの短歌から、メンバーが選んだものを紹介します。
五年生の漢字ポスターの左下ひっそり笑っている武豊
初めて御糸さんの歌に触れた。歌を詠んで、私も武豊さんと目が合ってしまったような、そんな強烈なインパクトがあった。(新原)
イルカにもカメにもさんをつける子が兄と姉とを呼び捨てにする
この歌だけでまださん付けの意味を理解していない子どもだとわかる面白さ。おそらく普段は先生などが動物にはさん付けしていて、親などが兄や姉を呼び捨てにしてるのかな、と想像してしまいます。(散田)
イルカやカメよりもヒエラルキーの下にいる兄姉たちと、そんな言動を許されてしまう末っ子の可愛さと。(本条)
イルカやカメが「さん」付けされる一方で、呼び捨てにされる兄姉という着眼点が絶妙。一読して、ある一定の年齢までの幼い子どもの無邪気な様子が目に浮かぶ。(花江)
水槽の魚のエサになる魚 解凍されてブツ切りされて
水族館の裏側を知ってしまった衝撃が面白い。(阿部)
一枚のアクリル板にヒメタニシと園児がにゅっと張り付いている
ふれあいコーナーを想像しました。子どもが夢中になっている様子とヒメタニシがいい同居をしています。(黒澤)
同じ板に張り付いているのがタニシと人間、という面白さ。「にゅっ」という擬音と園児が調和して可愛いらしい一首。(大住)
にゅっ、というオノマトペが光り輝く一首。こんなにかわいい「にゅっ」は見たことがない。また、ヒメタニシと園児を隔てるものがガラスではなくアクリル板という点に何か深遠なことも感じさせる一首。(小林)
水族館の記憶を問えば「タカサゴがいた」との答え 何それ知らん
「何それ知らん」がいい。本条さんの「もうダメ」(※)に続いて、私もそういうのやってみたいと憧れるやつです。(宮原)
(※近所3に載っている本条恵さんの短歌にこのフレーズが出てくるものがあり、それを指しています。一首選<4>にて紹介予定です。)
しながわ水族館のエピソードを連作で書き下ろしてくださいました。
改めて、御糸さちさん、ありがとうございました!