C-KDI-7/桑沢講義デジュメ2015年版/ 「巴里モードを25年見続けて来て、」 巴里モードとは? その歴史と現状まで、−3;
文責/平川武治:
初稿/2015年。
インデックス;
9>もう一つ、時代が変わっても、;
10>「時代の進化とは退化?」;
11>巴里のモードの閉塞感 ;
12>本当の顧客は? ;
13>今こそ攻めるチャンス到来 ;
15>終わりに、ある提案 ;
16>結論としてのアジテーション;
9>もう一つ、時代が変わっても、;
いくら、時代が進化発展すれど、変わらぬものは人間の身体構造である。 “身体つき”や”体型”は無数に変化をするが私たちの身体構造としての
身体ディテールは不変である。
これに人間の手作業による美と文化を主価値として着せること。
ここにモード産業の出発と基軸があった。
’70年代に入って彼らたちが生んだプレタポルテ以降では、「着る人間が
いる。変わらぬ身体。 そこに変わる”流行”価値としてのトレンド。」
この”三位一体”が、ビジネスコンテンツであった。
10>「時代の進化とは退化?」;
ファッションに関する世界での、”時代が進化”するという事は、
「着る人間の生きる事の価値から生活価値の変化と多様化であり、
体型は変化するが、変わらぬ身体構造」という現実があります。
そして、「基本的な社会構造の普遍化と生活の豊かさによる”時間の
スロー化”。」という新たに迎えた環境-社会変化に依って、
以前よりも革新的なる創造性豊かな商品としての服が生まれ難くなる。
その為に、モードの儲かる仕組みとしての”流行-トレンド”と言うビジネスコンテンツの価値が低下し始め、順調に以前よりもスピードある回転がたいへん難しくなり始めたのがこの20世紀のエピローグであっただろう。
11>巴里のモードの閉塞感;
”死守したい世界統一性”を死守して行く、
行かなければならない「モードのキャピタルとしての巴里」のジレンマ。
これが今の巴里のモードの閉塞感の大きな要因である。
現実には、自分たちの築いた階級社会の伝統と文化を武器にして古い顧客
から新たな顧客,イミグレーターたちへ、異国人たちへ一巡する為に構想した「グローバリズム」とは実は、
「ネオ-コロニアリズム/新-植民地主義」である。
このグローバリズムの下にモードの世界もグローバル化し、
“Made in Paris"、 "Made in France"でもなくていい、
「より安くて、巴里の香りがちょっと香っているようであればいい、
スロー になったトレンドでいい。」という”時代の気分”が生まれた。
現在ではこの現実から生まれた「ファスト-ファッション」の世界に負けられぬ、このジレンマから生まれた「プレタポルテのセコンドライン」ビジネスの登場があります。ゆえに、巴里のモードメゾンはここにきて
『3階建ての館になったのだ。』
これが今後の”ラグジュアリービジネス”の基本構造体である。
12>本当の顧客は?;
これ迄の「モードのキャピタル-巴里」の顧客は今何処に居るのだろうか? これからの顧客とは誰なのだろうか?
何処の國の人たちであるのか?
もう、今迄のように総ての顧客に対応出来るだけの、するだけの
魅力と個性あるキャパシティと
経済的なエネルギィーが無くなり始めた巴里。
そして、何よりも彼らたち当事者が迷い始めた
「自分たちの顧客が誰なのか? 」
オートクチュールとプレタポルテ
そして、プレタポルテのセカンドレーベル。
彼らたちのメゾン/館が ”1階建てから2階建てそして、3階建て”に
見栄えよく改築出来るか? その時のイメージングは?
その為の資金と革新的な技術は何処にあるのか?自分たちが持っているのか?
もし、”改築”出来ても、浮気っぽい顧客が上手く得意客になってくれるか? までの危惧を持ち得てしまった「モードの巴里」の現状です。
13>今こそ攻めるチャンス到来;
この様な状況が現実の「モードのキャピタル、巴里」へ新たな文化価値と美意識を持って攻め込むには今が一つのチャンスでしょう。
この機を逃すと彼らたち、ユダヤ民族の人たちが考え生み出し、構築したスタンダードと彼らたちのビジネス-ボキャブラリィーによって世界が制覇
され続けるしか無い。
「新たな文化価値の構築と文化価値の多様化の確認。
イミグレーターたちや中国を始めとするイエローな新-消費者層の誕生。
戦後、初めての豊かさの揺らぎが地球を大切に考え始める
もう一つの”社会環境/SDGs"が生まれ、求め始められる。
そして、嘗ての20世紀のスタンダードが共有出来ない、ハイパー文化の
バーチャルな現実化。」
これら4つの新たな問題点を持ってしまった巴里だから今、彼らたちを
”攻め込める、攻め込むなら今だ!!”と言う最大の理由である。
14>まとめ、 趣旨とコンセプト&コンテンツなど、;
提案/
◯新たなテクノロジーを考えたファッションの世界を考える。
新たなテクノロジーとは、今という時代に於けるヒューマンテクノロジーとサイエンステクノロジーの”新たなバランス化”をいう。
素材の新しいテクノロジーのみに頼らず縫製加工工程に於いても、
新たな時代のテクノロジーバランスを用いて現代を表現する地球環境も
考慮した新時代のファッションを考える。
◯今後の生活者たちの”被服ギア”と考えたファッション性の高いパーツ-ウエアーを工業デザイン化する。
そのコンセプトは「The fashion Parts for a Beautiful & healthy Body」
・着る人たちの身体とこゝろを「CARE&CURE」する機能性迄をも考えた コンセプトで新時代の日常着をデザインする。
・新たな時代のファッション-コンテンツは、”見られる事と着る「安心」と「安全」そして着る事で、日常生活において「便利性」と「清潔感」が
感じられる「心地よい」”服の提案。
・工業生産の可能性を感じさせる新たな価値によるテクノロジーを使った
コスチューム/ユニフォー ムを創造する。
・ファッションI.D.製品として、”コピーライト”が登録出来る価値を異素材とそれに見合った新-技術を使ってデザインする。
・従来の「モードのキャピタル、巴里」と対峙する全く新しい発想と
コンセプトによる、新たなファッ ション-スタンダードを形態言語とした
世界を新設する。例えば、コスチュームとしての、”ステージ衣装”が
ラインアップできるようなコレクションの新設。
そのソース オブ イメージのコンテンツは、
「オペラからハリウッドとTVからゲーム、アキバ-ワールドへ、」と
「クラッシック音楽からJAZZ,ROCKそして、HIP-HOP,RAPと民族音楽と
環境音楽へ、」。
・文化価値と美意識の多様化と差異化としての「イエローカルチュアー/
アジアン文化」をモードの世界に於いても認識させ、差別化させる。
その為に、この新しい価値と発想による新たなモードのプレゼンテーションを東京や上海に於いて定期的にコレクションを行ない、
新時代のコレクション-ビジネス構想を持って、イエローカルチュアーによる「新たなモードのキャピタル」を東京や上海に誕生させる。
そして、イエローカルチュアーを新しい時代の文化価値と美意識とした「利権ビジネス」をアジアを拠点に誕生させる。
15>終わりに、ある提案;
具体的案の一つとして、”ユニクロ”をスポンサー&デベロッパーの
中心企業と考えた試み。
今後の、この企業の資金力、ビジネス規模とその存在価値を考えると、
このイエローカルチュアーを中心軸とした新たな21世紀のファッションの
世界樹立を”ユニクロ”に託するのが最適であり最短である。
又、これは今後の”ユニクロ”がやらなければならない大切な新しい価値
育成であり、今後の関係性の拡大と安定化の戦略の一つでもある。
従来のユダヤ民族の人たちが作ったファッションスタンダードの共存と
継続だけでは今後のユニクロには限界がある。
そこで、例えば「FOUNDATION UNQLO」を設立させる。
この「FOUNDATION UNQLO」で新たなファッション産業の価値とそれを主軸にしたビジネスの世界をアジアで構築する。
例えば、世界中の誰でもが利用出来る”アクティブ-アコモデーション
施設”をアジアに開設する。
ここでは、教育システムを作り、技術革新を計り、
新素材開発と生産環境を整備し、「地産地消」を新たなコンセプトとした
新しいプロダクツ&ビジネス構造を開発する。
ここで、”コルベール委員会”も参考とする。そして、ユダヤ民族の人たちに対峙出来る「利権ビジネス」とファッション製品の”創造権登録化”の
世界構造を確立する。
これらにより、現在のファッションの閉塞感を打破し、若い世代の人たちが今後も、ファッションに 「夢」を持ってこの世界の有用な人材になる
可能性を開拓と開発そして、啓蒙が可能になる。
”ユニクロ”が今後、あらたな商品開発に於いて考えなければいけない
キーワードは先の、「安心 -清潔そして、便利性」をどのように具体的な
アイディアで快適な商品へ落とし込めるかであろう。
また、そのための「企業文化と企業倫理」がより、問われるべきである。
16>結論としてのアジテーション;
『20世紀のボキャブラリーを信用するな! 僕たちは21世紀を既に、10年間も生きて来た。そう、”21世紀のボキャブラリィー”を創造しなければならない。』
参考/現在、新しいテクノロジーをかいま見せてくれているデザイナーたち;
AGANOVICH:(E)
AMAYA ARZUAGA:(S)
ANTHONY VACCARELLO:(B)
IRIS VAN HERPEN:(D)
JAN TAMINIAU:(D)
JUN TAKAHASHI:(J)
そして、最近のNIKEのシューズ&ウエアーブランド。
文責/平川武治:
初稿/2015年。