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C-KDI-8/桑沢合同講義デジュメ715年版-3; 「巴里モードを25年見続けて来て。”モードの変歴” と "フランス式奢侈産業/コルベールシンジケート”の事など。」

文責/ 平川武治;
初稿/ 2015年春;

 ”はじめに、追記として、”/ 2024年03月21日追記。
 
昨今の”ラグジュアリーファッション ブランド・ブーム”の原型がここに書かれています。
ヨオロッパがまだ白人至上主義者たちで構造化されていた時代に「重商主義」が唱え始められ競う合うそれぞれの欧州諸国が自国の経済戦略として、今の言葉で言えば「貴金属商品の
地産地消」政策でした。
 即ち、上質な貴金属をそれぞれの伝統技術に委ね、「文化を武器」に”宝飾品ジュエリー”
などにして自国の富裕層へ自国内で売り、自国の金や銀の保有量を確保する政策の一つであったのです。
 そして、現在の”ラグジュアリーブランド・ビジネス”の根幹は
この嘗ての「重商主義」にあります。以後、この「重商主義」を下敷きにして現在の
”ラグジュアリービジネス”があります。
彼らの根幹は当時の純金宝飾品の模造品である「金鍍金」ジュエリー類を”ブランド力”に
よって諸外国の富裕層をターゲット顧客にした経済戦略が現在の「ラグジュアリーブランド・ビジネス」の本質なのです。
 21世紀になっての「植民地政策主義」の復活が「グローバリズム」であれば、2010年以降の「重商主義」の復活が「シン・重商主義」という時代性でしょう。
これが現在のファッションを活気付けている潮流、”ラグジュアリーブランドビジネス”の
コンテンツのそのものです。
  フランスは「コルベール財団」」、英国は「ウオルポール財団」、イタリアは「アルタガンマ
財団」等が存在し「シン・重商主義」を根幹にして大いに、グローバルに機能している。
 これらはそれぞれの国の”伝統工芸技術”+”ブランド・エクイティ”+”文化は武器”+
”利権”=”ラグジュアリー・ビジネス”という公式で貿易経済を担っている。

 参考/ 「重商主義」とは。/
「商工業を重視し、国家の産業を保護・発展させ、国 内の富を充実させようという思想の
ことで重商主義に依拠する政策の基本を2つ抑えておきましょう。 第1に、 貨幣、特に
金や銀などの貴金属の価値を重視するということです。 国 内においてこれらの貴金属の蓄積を図ることが重商主義的な政策の大 きな柱です。」
 ここで注意してください。この重商主義の主目的は国内の富裕層たちに貴金属を売ること、即ち、「自国内に貴金属をストックする」ということです。
 
 1)巴里モードとは?
1>「文化を武器』とした完全なる利権ビジネスである。
 これはフランスモードを守る唯一の手段であり、この世界を『オートクチュール』の世界と
して存続させ、モードの世界のプライオリティを取り続ける極めて明快な手法でもあリ、
解り易い利権ビジネスである。
 彼らたちはオートクチュールがある以上即ち、此の国が栄えた18世紀からの宮廷ロマン
主義を特化し産業化する。そして、各時代に現われる新-市民階級者たちを顧客としたこの
クチュールのスタンダードが存続する以上、モードのプライオリティがイメージとビジネスに継続するというまでの利権意識の上に立ったビジネス構造である。
 この構造が継続する限り此の国は当時の文化環境をそのバックグラウンドとして、
モードの世界の『キャピタル』であり続けられ、それらを売りに出来る唯一の利権ビジネス
システムである。この現実が彼らたちが築き上げたモードのスタンダードを守り、
このフレームの中で,彼らたちのボキャブラリィーで競う合う事が今後も、ビジネスと
イメージ-プライオリティが世界レベルで継続出来るという構造を熟知している。

 参考/”サンディカ”とは?/
サンディカはパリの高級衣装店組合(ラ・シャンブル・サンディカル・ド・ラ・クチュール・パリジェンヌ / La Chambre Syndicate de la Couture Parisienne)の略称である。
 1868年、シャルル・フレドリック・ウォルト(Charles Frederick Worth)により創立されパリ オートクチュール・コレクションとパリ プレタポルテ・コレクションを取り仕切るほか、服飾関係の専門学校も開設している。
(追記/ 現在では、この学校”ラ・シャンブル・サンディカ”と”Institut France de la Mode."がフランス文化庁とサンディカが手を結び、2020年に一体化されて海外からの留学生も含めて1200名ほどの新たな”モードとイメージング”の学校になっている。
https://www.ifmparis.fr/en/opinion/decouvrez-l-ecole-de-la-chambre-syndicale-et-ses-programmes

 2>モードとはいつも変わらず、“WRAPPING PAPER"である。
 *ファッションとは、何時の時代もその時代に生き生きと生きる先端の女たちを”男目線”で
「いい女!」にラッピングして来たのがこれまでのモードの根幹でした。
ここで少し、”時代とモード”の変換を話します。
1)18世紀後半〜/
君主専制政治から引き継がれた階級社会の人々の「奢侈生活」の一部としてのモード。
―『美ある生活』/男尊女卑の視線。
2)19世紀以後〜/
その価値観と構造を残し、「オートクチュール」が当時の階級者たちの新たな産業構造になる。―『オートクチュール組合』の結成。
3)19世紀末~20世紀初頭、民主共和制以後〜/
新興ブルジョワジィの為のオートクチュールへより、その門を世界へ広げる。
―『グラン-ツーリズム/バカンス/自動車/テニス/自転車等、アウトドアー』など、
”ベルエポック”と呼ばれた時代/ 新しい生活の広がりと共にモードも新たな役割が生まれ
モードの愉しみの広がる。 
―“奢侈生活の拡大化と女性たちのアクティブな生活の始まり。
―『Femme objects]』/見られたい女性たちの登場。
4)’30年代~/
ユダヤ民族の人たちが主人公となり始めた”オートクチュ―ル産業”の登場。
―’29年世界恐慌、’33年強制収容所以後、産業経済の主軸は”ヨオロッパ”へ移行。
新世界としてのアメリカ合衆国が新たなモードのターゲットになる。
―『ハリウッド/NYブルジョア/Moga』
―“フランス発の”文化を武器”にしたユダヤ民族の人たちがファッションビジネスの世界を
発展させ支配し始める。
―『モード+化粧品+ナイロン ストッキング』と言うアメリカ発の「新・贅沢産業」の登場。
5)第二次世界大戦以後の変化。/
戦前のクチュールメゾンを救ったのが香水化粧品産業。―C.シャネル
―アメリカの化粧品会社とのライセンス契約によってパリのオートクチュールメゾンの復活。
’46年~’60年代/
大戦後のあらたな世界観による価値観の変革と時代性の元、“自由と平等”を謳歌する
”新-市民階級者”の愉しみとしてより、大衆的なファッションビジネスの誕生。
―オートクチュールのディフィージョン化、
―Y.サン ローランの”リブ・ゴーシュ”そして、『プレタポルテ-ビジネス』の誕生。
―東京では高田賢三の渡仏と新雑誌「an an」に影響されて”マンションメーカー”と称される若い世代のインデペンデント デザイナーたちの誕生が60年代終わりから日本のファッションデザインに新しい動きを生み出した。
1970年以降〜/
女性の高学歴化と共に、女性がより自由なインデペンデントな生き方を求める。
―“ウーマンリブ運動”が始まり、”女性たちの社会進出”そして、”男女平等の視線”の社会化。
―YSLが活躍し始め、S.リキエルと女性デザイナーたちの登場と活躍。
―70年には高田賢三がパリでデザイナーデビューし、ブティック”Jangle Jap"をオープン。
これ以後、日本人デザイナーのパリコレ参加が始り、三宅一生も’71年にコレクション参加を果たし、この10年後の、’82年には山本耀司と川久保玲が”二人三脚”で参加する。 
―“オートクチュールのディフィージョン化”であるプレタポルテの『ライセンスビジネス』が世界レベルで発展する。
―“日本では百貨店が”デパート”にイメージチェンジする時期でもありそれぞれのデパートが
このライセンスビジネスにこぞって参入した。これによって以後パリのファッション人たちは
”ジャパン マネー”の凄さと美味しさに味をしめた。
―この新しい動きは当時の日本人デザイナーたちにも大きな影響を与える。
日本では”デパート”というディストリビューターによって、日本人デザイナーブランドと
各クチュールメゾンのプレタポルテ ライセンスビジネスの展開と共存が始る。
’80年代〜/
戦後の「大衆消費社会」が構築され、”物質的な生活の豊かさ”が広がり始める。
―“働く女性たち”が思想を持ち始める。“フェミニズム”の台頭。
―プレタポルファッションにおいて新たな才能豊かなフランス人デザイナーたちが登場する。
J.P.ゴルチェ、A.アライア、M.シットボン、J.C.バジャック、J.コロナなど、などの登場。
―日本からは、“黒の旋風”/”YOUJI+CdG”の巴里上陸。
’80年代半ば、/
”プレタポルテファッションビジネス”を軸にして、スポーツ/カジュアルウエアーの世界も
ファッションビジネス化し始める。
―テニスウエアー、ゴルフウエアー などの”ワンポイント マーク”ブランドとその商標化。
―”イタリアン-カジュアル”の登場=ストリート+ミュージック+グラフィックデザイン。
―デニム産業のファッション化。”ファッションジーンズ”の登場。
’80年半ば~’90年代 /
「ジェンダー論」が新たな時代感を生み始め、ゲイデザイナーたちによる
”ゲイ ファッション”がモードのもう一方へ登場。 
モードの世界が完全に地上へ降り始め、”ストリート-カルチャー”の影響を受け始める。
―「“Homme Object"/見られたい男たちの登場。」By J.P.ゴルチェ。
―モードの逆流化。”古着”と言うリアリティは総てのオリジナル。 
―MTVがファッションメディアとなる。
―J.P.ゴルチェ、J.コロナ等による”ストリート-ファッション”=音楽+古着のモード化。 
―M.M.マルジェラ/“ジェンダー論”が広がり、性差そのものを無くそうと言うまでの発想。     
―”身体論”がブームに。身体の解体と再構築化がモードのコンセプトに。
’90年代後半~’00年代/
”バブル経済”により、女性の斬新的な生き方が見えなくなり“ジェンダー論”が迷宮化。
ファッションは造る側のコンセプトが前に出始め”形骸的なデザイン”の登場。
着る女性のことを考えるより、”造る人間”が前に出始めるモードの世界。
MTVが”ストリート カルチャー”のイニシアティブを取り、ファッションメディアとなる。
―”贅沢を嗜好する女たち”の再登場/ラグジュアリィ-ファッション。
―M.M.M.やCdGの影響を受けた”Antwerp-6”とその後の”Antwerp派”の登場。 
―新世代がモードの世界へ参入。作り手も受け手もあらたな世代の登場。 
―”モードのリ・ミックス・リ・メイク”という手法の”ファッションDJ”が新たに登場。 
―日本では「ウラ原」デザイナーとして登場した”UNDER COVER"高橋盾。   
21世紀~/ 
「グローバリズムの台頭」による”新たな参入者たち”がファッションビジネスに参入。
グローバリズム以後、ファッションの生産基地と構造が汎地球的に拡大されその結果、
“ファストファッション”が登場,ファッションの「クローン」化により、
“流行”の価格破壊化とプレタポルテビジネスの衰退化を促す。
この“ファストファッション”の新たな消費者として、大都市に於ける”イミグレータ新世代”が新たなファッション顧客に呼び込まれる。
「消費社会」優先によって”地球・自然・環境破壊”が深刻化する。
「地球温暖化」を始め、環境問題、気象問題、人口問題など「SDGs」を意識し始める。
ー新たに誕生した「ファッション・クローン」を“ファストファッション”と呼ぶ。
=ZALA, H&M, MANGO, UNIQLO, FOREVER21,などなど。
―新しい消費者層が誕生、「白人社会におけるイミグレーターの新世代」たち。
―エンターテイメント、ミュージシャン、アスリート、映画スターたちの「新世代・富裕層」
―メデァの高度な発達によりイメージの大量化とリアリティの豊かさと”仮想世界”の誕生。
―文化が変質し始め、“文化は武器”のコンテンツが修正され始める。
 =”リアルカルチュア”“ストリートカルチュア”“お宅カルチュア”等へ。
―MTV,ハリウッドの虚像をハイパ―イメージする。L.ガガなど、など。
―“子育て支援”/子供をプッシュカーに乗せて働く女たち。”フアストファッション”でいい!
―「ファッション・クローン」の登場でモードのオリジナルは「アーカイブの世界」となる。
―「SDGs」を考える、「サスティナブル・ファッション」の登場。=素材、工場、労働者環境    
 ="S.マカートニー"や”Vivianne Weastwood"がこの”新しさの先駆者デザイナー。
―「ファッション・クローン」が”ラグジュアリーの領域まで侵食し始める。
そのために、ファッション・デザイナーに変わって、「ファッション・ディレクター」の登場。
ファッションショーが”エンターテイメントビジネス化”の一端を担う。=L.V., C.Diorなど。
     
3>現代と言う時代には“誰をラッピングすれば良いのか?”
 ここでファッションビジネスも、一巡したと言えるだろう。
オートクチュールから端を発し,そのディフュージョンラインとしてのプレタポルテを誕生、
それぞれの時代の先頭を生きて来た女性たちをブランド、ネーム入りで”ラッピング”して来たのがこの世界である。従って、各時代の先端的な生き方をして来た女性たちへ、
「僕たちはあなたたちの味方ですよ」と自分たちのマーク入りの世界観で彼女たちが着る洋服をデザインしファッションの世界も”時代の大衆化”へ一役を買って来た。
 しかし、ここに来て新たな「時代の先端を生きている女性たちとは誰なのか?」と言う
ファッション本来のターゲット探しが再び始った事。
他方では戦後、60年間が過ぎ、“イミグレーター/移民たち”が新たな経済力と生活力を持ち始めた事によってグローバリズム以降の”新たなファッション顧客”へ進化向上した事。
これらの新たな時代状況が現在のファッションの世界を大いに変貌させている。
 もう一つは、従来のファッション顧客は対面販売によって”顔”が見えていたのに、
現在では、その多くの顧客の顔は”e-コマース”によって見えないか、見えにくくなった。

4>新たな可能性は“利権ビジネス”の統合ディレクション化である。
 このシーンの展開によって、このファッションの世界は完全に変貌してしまった。
一つは、“白人”から”イミグレーター及び、有色人種”へと言うベクトル転換を。
これによって、『クチュール神話』がもう一巡、語り部たちが生み出す時代のイメージングが
服の”デザイニング”よりも、ブランドの”イメージング”画より、重要なビジネスの存続と継続が可能である世界観へ変貌しそして、継続可能なる永遠の“利権ビジネス”が構築された。
もう一つは、現代では”誰を、どのような女性たち”を自分たちはラッピングすればいいのか?それによって、新たな”ブランド・イメージ”と言う付加価値が生まれ、”ブランドビジネス”が継続出来るか?の側面である。
 結果、この両面において何よりも、「ブランドのイメージング」は「服のデザイニング」よりこの「利権ビジネス」をそれなりに継続してゆく大きなファクターになった。
 これが現在の”ラグジュアリーブランド”がこぞって、「デザイナー起用よりも、ファッションディレクター起用」を行い始めた根幹である。

 願望ではなく、リアルな生き方、”新-当たり前風景”の中から“ファッション-ミューズ”を
見つけ出さなければならなくなったのが現在の閉塞感溢れる巴里のモード。
 そこで、新たな活路とは、自分たちのブランド-マークを自分たちのファッションデザイナーたちにラッピングさせ、そのいつも煌めいている金メッキなブランドマークの元で、確実に、
”利権ビジネス”へ直進すること。
(最近の例では、”J.ガリアーノ事件”だ。従来のDiorブランドのイメージの維持と継続のためデザイナーを失脚させた。)
 もう一つ、従来のファッションビジネよりも顕著になり始めたことは、
今までメインアイテムであった「服」はイメージング創生のための”ラッピングペーパー”で
あり、この”包装紙”によってラッピングされた、「化粧品、香水、コスメ、時計,ジュエリィ―そして、サングラス」へと、限りなく”意匠登録”が出来る、”装いアイテム”全てのものを囲い始めるまでのブランド・ビジネス化もこの”グローバリズム以降”の戦略でしかない。
(ここには彼ら白人たちの考える、現代における「重商主義」のグローバリズムによって
可能になった、「シン・重商主義」が読み込むことが出来る。
 これが、今後の「ラグジュアリーブランドビジネス」の進化の根幹となろう。)

 参考/<コルベール委員会とは?> 
 「コルベール委員会」は1954年に組織され、現存する政府が全く関与しない組織。
「コルベール委員会」が取り仕切るフランス発の贅沢産業のそれぞれの企業は此の国の
モード産業の中心軸であり、このグループそのものが世界に君臨出来る迄の”利権ビジネス”の構造を集団で既に構造化し、設立している。 
 この「コルベール委員会」はオート・クチュール、香水、宝飾をはじめ、皮革、クリスタル、金銀細工、陶磁器、インテリア・ファブリックまたシャンパン、ワイン、 コニャック、そして
フランス料理、ホテルなどのフランスの高級ブランド75社によ って構成されている組織。
”質と創造力のフランス伝統の中から、最良のものを保存し、より多くの人々にその喜びを
伝える”という理念のもと、香水のゲラン社創始者ジャン・ジャック・ゲランによって1954年に発足した。メンバーは信任投票で決定され、毎年メンバー間で互選をし、75%以上の支持で
再選出され会員数は75に制限されています。 
 「コルベール委員会」の活動目的は、各ブランドの品質とイメージの保持、伝統技術の 保護と育成を通じて、フランスの誇る「生活美学」(アール・ド・ヴィーヴル)を世界に広めていくことです。 即ち、「ブランド価値の維持,発展を担える人材育成。知的財産権の侵害に対する取り組み。そして、文化/生活美学(アールドゥヴィーヴル)の伝承と伝道」であり、
このために次のような活動を行っています。  
* 若い才能を発掘するために、‘学生デザインコンクール’を開催。 
* フランス国内では、より若い世代に向けて、職人の仕事を理解し、興味を抱 かせるために中学校などの教育機関と協力して‘職業クラス’といった、 メンバーのアトリエで実際の仕事のカリキュラムを実施。 
* コルベールメンバー企業の経営者たちによる、高等教育機関例えば、ENA(政治学院)、
パリ高等商業学院、コロンビア大学ビジネススクール、ニューヨークのパーソンズデザイン
スクールなどでの授業。 
* 世界各国での偽造品防止対策活動。 
* 消費・市場調査。 
* 世界各地での展覧会及びフェスティバル、シンポジウム等イベントの開催。

5>エピローグとしての追記。(2024年3月記。
 このフランスの「コルベール委員会」と同様に自国の贅沢産業を守る財団組織が
英国は「ウオルポール財団」、イタリアは「アルタガンマ財団」等が存在し活動している。
 しかし、日本には残念ながら日本にしか出来ない伝統技術や工芸技術で成り立っている
「老舗”暖簾産業」を守り、”継続と繁栄”のために機能する行政機関も人材も乏しく、
上記のような”財団機構”もこの21世紀でも存在しない。
 未だ、白人が築いた「西欧近代」の”押し売り”にもろてをあげて受け入れているのみの
ある意味で、”情けない気骨なき国家”であり、行政もこれに直接手を差し伸べられないのが
この「グローバリズム以降」の日本の「贅沢産業」の実態である。
 この世界でも、戦後からの「舶来コンプレックス」を払拭し、僕たちが築いて来た伝統技術や工芸による「文化を武器」という日本発の「シン・重商主義」的なる発想が構築されるべきである。
 日本には「創業400年〜200年」という”老舗暖簾”が存続している世界でも珍しい単独民族国家である。

文責/ 平川武治;
初稿/ 2015年春;

 

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