"The LEPLI" ARCHIVE 108/「瀬尾英樹くんのアート作品がオークションで落札される。」 +Adolph Alfred Taubmanのこと。
文責/ 平川武治:
初稿/ 2013年10月20日:
写真/A.Alaina & Hideki at Paris 2006:
1)はじめに;
今回の倫敦での古い友人とのひさしぶりの再会とお世話になった友人の死。
時間の経過は残酷な場合の方がこころ在ります。
それは自分が怠っていた何かが積もった時でしょう。
僕自身が悔しくて惨めにさえなりましたが、
これが自分だったんだと後悔と
今後の可能性へ残された時間をありがたく頂ければと。
そして、倫敦での最後の日。
瀬尾君からたいへん嬉しいお知らせを頂いた。
早速のお喜びをお裾分けして頂き、ありがとうございました。
2)18日に終了したオークションの結果、;
瀬尾くんのアート作品、一体がエージェントをしていたパリのギャラリーを通じて
セントルイスに在る”WORLD CHESS HALL”で行われた
「Queens Gala」のオークションにおいて、
この”WORLD CHESS HALL OF FAME”の館長が15000ドルで落札された。
この落札価格は同じオークションに出ていたA.マックイーンより断然高い値段!
そして、その主催者である館長が今回のシンポジュームのゲストとして招いた
ニューヨークのF.I.T.のVALERIE STEELEさんに寄付なさり、
瀬尾君の作品は今後、N.Y.のF.I.T.が保管管理されることになった。
”WORLD CHESS HALL OF FAME”/
http://www.worldchesshof.org/news-events/event-calendar/event/2013/10/18/queens-gala/
HIDEKI SEO/
http://www.hidekiseo.net/
この結果の読み方は、
初めてのオークションで彼の”価値”が認められ、今後への可能性が与えられた結果であり、
これから世界のアート市場で瀬尾君の作品がアーティスト作品として流通されるという事実。
即ち、彼が創り出す”価値”とその作品としての”世界”がアーティスト作品として
ウエルカムされたということである。
芸術作品に誰が価値を付けるか?の、この世界の根幹が解らないで
”アート”“アート”とのたうち回って“おアートごっこ”に勤しんでいる輩たちと
その周辺のファッション長屋のおばさんたちは
もっと、”アートとは”の世界を世界レベルで学ぶことである。
特に現代美術においてはその作品が持ち得た、「来歴」によって、
その作品の「価値」が誕生してゆく世界でしかない。
3)アートビジネスの世界を学びたい人の必読書、;
学ばなければならない多くの日本の”アートコンプレックス症候群”のお芸術家と
各種キューレターたちはこの本1冊を読むべし。
実際にあったロンドンを舞台にした贋作詐欺事件を取り扱った、『偽りの来歴』という本です。
『偽りの来歴』/ 20世紀最大の絵画詐欺事件:L.Salisbury & A.Sujo著 2011年白水社刊:
この本はアートを語る人たちにとっては、“眼から鱗”である。
所詮、”農協アーチスト”のレベルでセコンダリーマーケットでイキがって居る
アート関係者たちよ、”世界のアート”はここでもユダヤ人たちの独占立ち居場所。
いつまでも”笑顔と握手だけで儲けられる日本人さま”でいて良いのか?
彼らたちが構築した”世界”とは、”アートビジネスの世界構造”とは?の根幹を学んで欲しい。
この本で、数行で紹介されている"Mr.Adolph Alfred Taubman"の存在を知っていますか?
彼は『ニンジンを売るのもお芸術を売るのも同じ。』という豪快な独断と自由さで、
あの伝統あるイギリスのオークションハウス、”サザビーズ”を買収して
以後、新たな美術市場が構築されたそれも、アメリカの土地成金によってである。
彼は合衆国におけるショッピングモール構造を不動産業のソフトとして構築し
”A&W”を起業し億万長者になった成金実業家。
彼があの” Sotheby's”を1983年に買収価格1億3900万ドルで買収し、(当時のレート)
その後、彼が為したことが以後の『世界のアート市場』を現在の様なアートビジネスモデルに構築した張本人である。
しかし、晩年の彼はロンドンのオークションハウスのもう一つの”名門、クリスティーズ”と組んで一種の詐欺事件(?)を2000年におこし、敗訴した人物でもあった。
参考/
フォーブス.com A・アルフレッド・タウマンと価格操作関連の記事(英語)
クリスティーズ/Christie's;
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BA
残念ながら、日本の美術市場の人たちはこの世界を学んでいない。
多くの美術館関係者も、キュレタ−志望のヒヨコたちも何も知らないで、
”展覧会企画”が出来れば、美術館で働ければという所詮、日本的なる浅はかな世界で
イキがって居る人達が多い世界である。
この本には美術館の仕事とはも当然、書かれている。
ただし、このほんの読み方と読み込み次第である。
この本の根幹を読み得れば、今後、『世界のアートビジネス』がどのような方向性で
成立するのかが理解出来る。
これからの”ファッションの世界”も
『モードビジネス』と『ファッションビジネス』の世界に”2極化”されてゆく。
もう、その兆しと現実は動き始めている。
この本にはその一方の根幹が明確に書かれています。
4)再び、瀬尾くんへのお礼と激励、;
瀬尾君がこれ迄のA.アライアさんの元での
苦労と経験と学んだ自由さからの視点によって作品を創作して来た
全てとその甲斐がこのオークションで一つ報われた結果になったようですね。
そして、今後の新たなる可能性へも広がるでしょう。
良き、アシスタントである奥様にも感謝ですね。
これをスタート時点と励みとしてそして、バネに
今後も、思い切り、”更なる狂気の沙汰”をあなた自心の新たな価値へ
昇華するまでの世界を創造する為に
どうか、変わらず一層、お気張りください。
寒さへ流れる巴里、
ご自愛とともに更なる“GOING YOUR WAY!"
瀬尾君、すばらしさと興奮を共有させて下さって、ありがとう。
相安相忘。
ひらかわ。
5)蛇足ながら、
私事ですが、来月11月16日、金沢の「21世紀美術館」で
僕のトークの会を催して頂きます。
その折には、この『モードビジネス』と『ファッションビジネス』の相違と
これからなどを話す予定でいます。
もし、ご興味の在る方は是非、金沢へ。
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=24&d=1731
そして、次回は僕がまとめたこの大変興味を引いた
"Mr.Adolph Alfred Taubman"のことを書こう。
文責/ 平川武治。
初稿/ 2013年10月20日。
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