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TAP the POPよりあなたへ〜“音楽愛”を一緒に育ててくれませんか


「音楽が秘めた力を、もっと多くの人々に広めたい」
「音楽が持つ繋がりや物語を、次の世代に伝えたい」

──2013年11月。『TAP the POP』は、大手出版社がサポートする「Webメディアとコンテンツの実験プロジェクト」として始まりました。集まったのは、文筆家・編集者・音楽評論家・翻訳家・音楽プロデューサー・ミュージシャン・デザイナーなど、音楽が好きでたまらない人たち

 TAP the POPが支持するのは、楽曲に、時代や世代の風景、試行錯誤が息づいているもの。アーティストやソングライターに、出会いや影響、美学が宿っているもの。そのような音楽には単なる流行やヒットを超えた、人の心を前進させる力や救済する力があります。

https://www.tapthepop.net

 週に1回、出版社内に用意された部屋に20代〜60代のメンバーが集まって、「来週はどんなアーティストを取り上げようか」「この曲はどんな視点で書こうか」と意見を交わしながら、スマホサイズのライナーノーツを目指すべく毎日コラム化して配信。次第にインタビューに応じてくれるアーティストや音楽サービスとの無償の関係も増えていきました。

 2010年代といえば、世の中の会議室では「スマホやSNSの戦略」「メディアや情報の変革」など、激しく意見をぶつけ合っていた時。TAP the POPは、マネタイズやマーケティングを気にかけない“夢”のようなプロジェクトだったのです。

 しかし、夢にはいつか終わりがやって来ます。

 時の流れ。10年という歳月は、いろんなことを変えてしまいます。TAP the POPも例外ではなく、プロジェクト発案者の定年退職をきっかけに、大手出版社のサポート体制が外れました。

 残された書き手だけで「TAP the POPの未来」について話し合う日々。PVが伸びると思い、一本の記事を複数ページ分割しようとしたり、幅広い音楽情報を配信するニュースメディアへの転身も考えたことがあります。でもスタート当初の流儀を変えてしまうと、今までのTAP the POPの信念は失われてしまう。

 手元に残されたのは約4,000本のコラムだけ。以前のように新作コラムを毎日のように届けられないのなら、「埋もれたままのコラムをリライトして、とにかく毎日SNSで配信しよう」と決めました。

 新しい読者にとっては新作ですし、古くからのファンは好きな音楽なら必ず広めてくれるはず。そう信じて、この行為だけは一日も怠ることなく、今も続けています。

 何年も継続しているとSNSは徐々に活性化して、FacebookやXは広告投下なしで計6万人以上のフォロワー数になりました。いいね・シェアに驚くほどの数が付くことも定期的に起こります。

 でも一方で、こう感じることもあります。

「ずっとこのままでいいのか」

 そんな矢先のことでした。

 TAP the POPのスターティングメンバーだった、音楽プロデューサーで作家の佐藤剛さんが闘病の末、2023年6月に永眠されました。生前「たった一曲にも生みの苦しみがあるように、僕は書くことに対して丁寧な仕事をしたいんです」と、剛さんは笑顔で話してくれたことがあります。今でもこの言葉が忘れられません。

 そして、伝説の編集長・長澤潔さん逝く。サイトの名前をつける際、「TAP the POPって何かいいんじゃない」と微笑みながら口にしたのは、スマホを手に入れたばかりの最年長の長澤さんでした。おかげで音楽だけに縛られず、映画や小説といったカルチャー全体への道筋を作ることができました。

 経験や知識が豊富な二人は、「知的良心」「精神的支柱」のような存在でした。「こっちには長澤潔と佐藤剛がいる」と思うと、いつも心強くなれました。TAP the POPには、そんなアナログ世代の二人が遺してくれた血と汗と涙が通った原稿がある。AIライティングに屈するわけにはいかない。

 何が一番大切なのか、やっと分かりました。今までは「Webメディア」という種を土の中に植えて、何が何でも盛り上げなきゃと必死になっていた。でもこういうやり方は、それなりの資金力や組織力がなければ育ちません。TAP the POPにはそもそも合っていなかった。

 では、植えるものは何なのか。その答えは原点にありました。

「音楽が秘めた力を、もっと多くの人々に広めたい」
「音楽が持つ繋がりや物語を、次の世代に伝えたい」

 木の根っこにすべきなのは、この揺るぎない「音楽愛」です。メディアやコンテンツは本来、実らせるものであり、植えるものではない。自然の恵みを降らせ、然るべき肥料を撒いてくれるのは資本でも組織でもなく、応援してくれる読者やファンではないのか。

 もう一度立ち上がれ。そんな声が聞こえた気がしました。

 TAP the POPには、音楽を愛する書き手たちが独自の視点で積み重ねてきた約4,000本のコラムと、SNSやクチコミなどを通じてジワジワと広がる読者やファンとの繋がり=コミュニティがあります。

 2025年のヴィジョンは、「音楽愛」という根を張って、強くて美しい木を丁寧に育てていくこと。そして一人でも多くの人に楽しんでもらうために、従来のWeb中心に囚われないコンテンツに果敢に取り組むこと。

 将来的には、3年後に向けた屋外フェスの開催、日本の優れた音楽を海外へ紹介する外国語版など、「音楽愛」のテーマのもとで具現化させたいことはたくさんあります。

 これはずっと感じていたことなのですが、Webメディアでは読者やファンの顔や表情が見えません。こんなデジタルファーストな世の中だからこそ、リアルな対面を通じて繋がりたい。

 そこで12年目にして、初めてのライブイベントを開催することになりました。TAP the POPは幅広い年齢層に支えられています。世代を超えた音楽好きが交流できて、気さくなパーティのような時間を一緒に過ごせたら楽しいと思いませんか。

 さらに、ライブイベントに参加できない人にも、この機会に何か記念になることができないかと思い、リクエストが多かったTAP the POPの書籍やロゴ入りグッズも初めて作ることにしました。

 今回はこちらも初となるクラウドファンディングという形を取らせていただき、スペシャルチケット先行受付、書籍、限定グッズを軸にしたリターンメニューでお届けします。また、音楽愛メンバーの証として、ご支援してくれた人全員のお名前をクレジットさせていただきます。

 既にTAP the POPを支持してくれている人。初めて知って興味を持ってくれた人。音楽が生きる上で欠かせなくて、音楽の素晴らしさを信じている人。一緒に音楽愛を育ててくれませんか。

「TAP the POP」とは、音楽を愛する人たちの合言葉。ワクワクする未来へ向けて、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

音楽愛を込めて
TAP the POP 中野充浩 

追伸

 私は中学生3年生(14歳)の時に本格的に音楽に目覚めました。自分の部屋で好きなレコードを聴きながら、どうしようもない気持ちを代弁してくれているアーティストや曲に出会うと、心が通じ合った友達のように思えました。

 やがて生きていれば、誰もが「青春」と決別して「人生」が訪れます。世の中の変化を受け入れながら、スルーしながら、時に疑問に思いながら、抵抗しながら、そうやって年を重ねてきました。様々な失敗や屈辱と直面しながら、試練を背負いながら、愛する人を失いながら、そうやって少しずつ大人になりました。

 どんな時でも音楽は、昔の親友のままでいてくれました。

ONGAKU LOVE

【大切なお知らせ】

●TAP the POPのクラウドファンディングページがCAMPFIREで公開中。「ライブイベント」「限定ロゴ入りグッズ」「アンソロジー書籍」の詳細情報、25種類のリターンメニューなどが事前に閲覧できます。
●ご支援の受付がスタートしました!!

▼詳細はこちらから

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