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物語としてはだいぶおもろい・オウム真理教事件とは何だったのか? 麻原彰晃の正体と封印された闇社会

特に後半のオウム外の闇社会勢力が暗躍し始める部分はなかなか面白いが、流石に素直に真実だとは受け止められないぐらいでっかくなっている。でも話としてはひたすらに面白いので、オウム関連をひと通り履修した後に読むとまた別角度で考察できる。結局キーマン達が全く口を割らずに終わってしまっている事件でもあるので、与太話程度に理解した方がいいし、真実は宗教団体を利用した闇社会のビジネスチャンスとも捉えられる。

オウム設立に纏わる神爺・長老・坊さんなるプロデューサー的存在は興味深く、なんというか時代性を反映した当てに行ったカルトな組織として観測もできるし、村井・井上の実動的な部分での動き方は組織としては機動的である。ぶっ飛んだ宗教面や事件性がフォーカスされやすい集団であるが、実利的な犯罪組織として見た時には国際的にアンダーグラウンドな立ち位置での役割が充分あるよなあと思ってしまう。

警察や自衛隊内部にスパイのように信者が居たという記述はなかなかリアリティがあるし、長官暗殺事件に関する内部事情などホントだったらだいぶ凄い。あくまでも説の一つとして歴史異説を観測するように鑑賞する態度が求められる。結局国家が崩壊するとしたらやっぱそこら辺が突かれていくなあと思うとちょっと恐ろしい。

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