最近読んだ本ども
基本小説以外でつまみ食い。新たな世界を開きたい方々はオススメです。
戊辰戦争: 敗者の明治維新
明治維新の敗者側視点から観る戊辰戦争。会津の人は薩長絶対許さないマンだろなと現代でも思う。外資が資金武器供給してクーデーターするというのが植民地政策以降トレンドなんだなあと思っちゃいます。五稜郭の戦いは歴史のifを思うとアツ過ぎる。
ヒクソン・グレイシー自伝
ヒクソンの内面というか精神性みたいなのは凄まじく深くて美しささえ感じるし、高貴なデキる奴メンタリティを堪能できる。グレイシー柔術という集団がショーアップのために喧伝された存在ではなく、マジでイズム溢れる人々なのが印象的。
令和元年のテロリズム
川崎殺傷事件・元農水省事務次官長男殺害事件・京アニ放火事件についてのルポ。この事件に辿り着くまでの登場人物たちの人生がそれぞれ凄まじい。ネットスラングの脚注や当時の世間の反応など記述されており、数年後見返すとまた趣深く感じる一冊です。
宿命の子~笹川一族の神話~
掴みが凄い。天寿を全うし遺言通り死亡解剖に回された父・良一氏がバラバラになっていく姿を見届ける息子・陽平氏の淡々とした好奇心からの描写。「最後に頭を、脳みそを見せて頂けませんか」
あとイチモツデカくて芸術品と評するのも面白い。
悪党の詩
みんな大好きD.Oの自伝。練馬の漫画のような少年時代からラッパーへ成り上がる普通じゃない日常の描写が満載。商売上手でエンターテイナーな目線が常にあるのが魅力的。やはりニューラジオでピックしていた「小1でチン毛生えてる友達がいた」という話は改めて笑う。
公営競技史 競馬・競輪・オートレース・ボートレース
公営ギャンブルの歴史を成立から分かりやすく教示。政治的な背景など中々興味深く、やはり出自が異質な競艇=笹川良一のトリックスターぷりが魅力的。そして著者は無茶苦茶競馬好きなんやろなあというのが溢れ出ている。
ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる
企業経営モノとして「こんだけミスりました」が赤裸々に描かれていて光の書籍では無いのが面白かった。棚が組み立てられてないとこと、飲み会で若手社員にモノマネされてブチギレるとこは人間過ぎてグッとくる。
暗殺
フィクションと銘打っているが本当にフィクションだとしたら大分安い展開でB級感が全体的にある。ドキュメンタリーとして解釈するぐらいの事前準備がないと読み進める推進力を保つのが難しい。「本当だからあんまおもんない」というのが嬉しい不思議な読書体験。
マルティン・ルター-ことばに生きた改革者
キリスト教史にハマりつつある昨今、激アツ分裂イベントであった宗教改革の歴史を知りたく読む。ルターって結構真面目野郎というかまさか分裂するとは思ってなかった純粋な方だったのね。こういう思想を運動化するときのギャップ。
宗教改革の真実
真実というよりカトリックとプロテスタントに分かれた神聖ローマ帝国の文化ギャップ実録史。分かれたあとも教会併用してる都市でのゴタゴタなどローカル的な揉め事集が面白い。ラテン語か否かという点でキリスト教は真に民主的な宗教になったのね。
一度きりの大泉の話
こんなグロい話が実話だなんて面白すぎる。状況が状況故に出版された世間へのアンサー本として創作に昇華してるのも凄いなあと関心。ルックバックよりもこっちが生々しくて実録でエグい。感覚の解像度が高くて我々はボンクラなのだなあと思わされる。
少年の名はジルベール
当然流れで大泉サロンサイドAであるこちらも読む。アマデウスのモーツァルトとサリエリのような関係性で読みやすい。増山氏のキャラ立ちがハッキリしてて面白かった。これを出した後にカウンターであんなの食らったらもう「覆水盆に返らず」50年て!
ナポレオン台頭編
こいつの事名前だけ知ってて何やったかよく知らなかったけど人生追体験すると成り上がりっぷりが心地良い。僻地の島の弱小貴族から皇帝までブチ上げて、挙げ句の果てには笑っちゃうぐらいの島流しに遭うのは激動過ぎる。あと手紙晒されまくり。
ヨーロッパ思想入門
古代ギリシア系の思想の変遷とユダヤキリストのヘブライ系の思想を辿った後は、哲学者たちのそっからのひっくり返しをつらつらと巡る。ジュニア新書だと思うと中高生たちは楽しく読んでいるのか?そしてデルフォイの神託ってお助けアイテムなんやねん。
ヒストリエ12巻
物語が頗る稼働しまくりで続きが既に待てない恐ろしさ。生物研究所のアイツが遂に再登場。アレクのあそこがハイライトかと思いきやエウリュディケ覚醒でマジで最高。「ドクンドクンドクン」と「下ァッッがれ下郎‼︎」はパンチライン。
キリスト教一千年史:地域とテーマで読む
初期のキリスト教がどうやって勢力を拡大していき、迫害を乗り越えて国教化まで果たせて行ったのかズラッと解説。社会的インフラを担うようになったというのが政に介入するまでのコツで、「貧者」を可視化した団体というのは目から鱗
生き残った帝国ビザンティン
東ローマ帝国やビザンツ帝国など表記揺れがあって謎過ぎたけど千年王国を築いた生き残り国家のお話。「ローマ」とは最早概念であり「押忍」的な精神性なのだなと。そして首都コンスタンティノープルの鉄壁さこそが全て。陥落前の領土図は悲しい。
1985年のクラッシュ・ギャルズ
極悪女王配信前に予習。抑え込みルールやそれを賭けの対象にしていた松永兄弟のぶっ飛びぷり。全盛期から解散・全女の崩壊後まで儚いお祭りのような物語。メイン視聴層が女子中高生だったってのが映像みてビビる。親衛隊パートが面白かった。
プリズン・サークル
受刑者の服役中の生の声が聴けるという触れ込みで炎上喫煙所で映画版がレコメンドされていたので本の方を読む。TCという対話により自己の加害性や被害性を咀嚼していき、犯罪を犯すという行為の当事者の感覚を知れるというのが面白かった。
丘の上のパンク -時代をエディットする男、藤原ヒロシ半生記
ずっと藤原ヒロシのこと「HF」って書いててなんか面白かった。エリッククラプトンとマブダチなのもいい。
スタンダップコメディ入門
オープンマイクから成り上がる下積みは日本より過酷な趣きがある。そして「上がり」の舞台が地上波・ケーブル・ネトフリへと変遷していく様など文化史としても面白い。そして近年のコメディアンは炎上しまくりで凄まじい時代に向こうは突入してる。
小山田圭吾 炎上の「嘘」 東京五輪騒動の知られざる真相
炎上していく最中の本人の生活の臨場感がなんとも生々しくてよかった。炎上してるときに殺害予告やら郵送物送りつけたりする行動力のある激ヤバ人間の正体が毎回知りたくなってしまう。