幼稚園の頃から 憧れの女の子がいた 憂いがあって 色気があって ちょっと日本人離れした顔立ちで それを本人も分かってて でもそんなことおくびにも出さないような子 突然悲劇のヒロインぶって泣いてみせても みんな寄ってたかって心配してくれるような そんな子 わたしは その子のことがずっと羨ましかった 少しの間だが その子と遊びに行ったこともあった いわゆる「おさななじみ」だった その子はいつも男の子を手玉にとって 初恋の先輩もその子に奪われた 胸が打ち砕かれる
いっつも いっつも わたしはハズレ ハズレくじばっか 変な親も親戚も 学校も 恋人も 職場も いっつも変で 恵まれてなくて 私はいっつもはみ出してる子 どこに行っても はみ出してる 居場所なんてない ずっとひとり
随分と高いところから 飛び降りたっていうのに お父さんの死体は綺麗だった 「綺麗」と言っても 首の骨は折れてしまっていたみたいだけど そこは葬儀屋さんが 首周りに大ぶりの花を置くことで なんとか誤魔化して下さった 巷で囁かれているような 「ミンチ」とか「黒コゲ」とか 「バラバラ」とか そんな目も当てられないような 状態にはなっていなかった 警察いわく 飛び降りた時に 近くにあった大きめの木に 一度引っかかってから着地したから 遺体の衝撃度合いは だいぶ和らいだの
だいぶ正常に戻ってきました 細胞が再生しようと 一生懸命頑張ってくれたんだ とてつもない力になぎ倒されても 身体は常に 必死に立ち向かおうとしてくれていること 当たり前だと思ってたけど 当たり前なんかじゃなかった 自分の精神 ボロボロにいじめている場合じゃないよ、自分 心を強く持て 今日から出直しだ そして ありがとう私の身体 細胞たち そっと支えてくれた周りの人たちや 見守り続けてくれた環境の諸々 月並みな言葉になってしまいますが 本当にありがとう
あぁ・・・ このかんじ 田口さんの本は 本当にこう 暗くて深い沼に眠っているものを ボゴボゴに掻き出して来るんだ 文章を読んでいるだけでもう 吐きたくて 吐きたくて しょうがなくなってくる 奥底の 湿った 汚くて不衛生な 手の届かないところに光を照らす でもその照らし方は 乱暴で雑で 時に眩しすぎて だから苦しくなるんだ でも私はどうしても その苦しさを欲してしまう 私の無意識は 何かを彼女の文章から暴かれたがっている それを探して 今日もページを
「すばらしい」 なんて思えたこと 今まではあまり無かった 身体も心もピンピンに元気だと どんな刺激にも敏感になってしまう 喜びも大きいけれど その分 喜びも苦しみも目一杯感じてしまう わたしはこれまで 大きな病気を患ったことはなかった ボコボコにされても 大病ひとつしたことがなかったのに この前ついに 「橋本病」と「無痛性甲状腺炎」を発症していると 診断された 確かに最近は 頭が朦朧として 少し人と関わっただけで 息切れが起きるようになり 酷い時は 人と30
あなたから受けた仕打ちに彩られてしまうほど か細くて薄っぺらいものじゃないの。 ごめんなさいね。 あなたが私に何をしようと構わないけれど それだけは覚えておいてほしいの。
が、できた 昨年の夏頃に 公園で拾った子猫だ もう推定で一歳を過ぎたから 「子猫」ではないのだけれども 愛おしい とにかく彼はべらぼうに甘えん坊さんだ 帰ってきたら一目散に玄関まで迎えに来て 顔を近づけて おかえりの鼻キスをしてくれる この時のやや獣臭の混じった 甘ったるい匂いが好きだ 家中どこにいてもひょいっとやってきては 猫語で色々話しかけてくれる 「おはよう」と「ごはん」は こちらの抑揚を真似して 発音することができるようになった 時々伝えたいことがあ
私をもう一度 めちゃくちゃに傷つけて 私の自尊心を破壊して 痛めつけて そしたら 自分に傷をつけることに抵抗がなくなるから そしたらわたし もっと綺麗になれるから
アダルトチルドレン という言葉を知ったのは 5年ほど前。 「機能不全家庭内で早期から大人にならざるを得なかった子ども」のことを指す。 メンタルの調子を本格的に崩して カウンセリングを受けるようになってから 頻繁にこの言葉を耳にするようになった。 「アダルトチルドレン」を 細かく分類していくと 「ヤングナース」 「クラウン」「スケープゴート」など 「子どもたちが 崩壊した家庭内でどのような役割を担っていたか」 を知ることができる。 ある日のカウンセリングで
社会人になって4年近くが経とうとしている 最近になって気がついたのだが 社会に出て 私はとても怒りっぽくなった 「社会に出ると色んな人がいる」というのは正しくそうで(学校でも多種多様な人がいるが) セクハラ パワハラ 過重労働 嫌がらせ など、日本の労働環境に根強く残る風習は ひと通り体験した かつて 2人きりになった時に 「○○ちゃん(私の名前)をペロペロしたい」と 半笑いで言ってきた目上の奴がいた そいつは何かにつけて 仕事内容や日常会話から出てきたフレーズを
昨日は久しぶりに フライデーズへ行ってきた ここのミルクシェイクは すこぶる美味しい 濃厚で甘ったるくて 後味に微かな爽快感がある 絶妙なバランスだ 以前 カウンター席に座った際に 店員さんが シェイクを作っているところを 観察することが出来たのだが 業務用の特大サイズパッケージから バニラアイスを ドサッとミキサーに落とし入れていた 「あれが入っているなら 美味しくないわけがない」 ひとり静かに カウンター席で納得したことを思い出した いつかの海外の
この言葉が こんなに重い響きを持つ1週間になるとは 誰が思っただろう 上島竜兵さんが亡くなった どうやって亡くなったかは 敢えて書かない ニュースやワイドショーで散々 色々な情報や過去を垂れ流しにされ ご本人も気が気ではないだろう これでは成仏したくても し切れない 霊感なんて持っていないけれど そんな気がする 「もうそっとしておいてあげてほしい」 切にそう思うが 情報番組は嬉々として 彼の亡くなった経緯や 過去を電波で流し続けている そしてその情報と共に 彼
思い返せば 小さい頃から 私の日常に 落ち着きや安らぎはなかった 父親の「爆発」は突然やってくる ご飯に自分の好みのものが 入っていなかったとか 家族が自分に隠れて何かをしていたとか (その解釈はほとんど被害妄想によるものだったが) 帰ってくる時間が10分遅かったとか 自分の見知らぬレシートが出てきたとか 咳払いがうるさかったとか 父親の心の奥には いつも解消されずじまいの何らかの怒りが くすぶっていて それが私や母や妹など 「肉体的に弱く かつ 第三者に
昨日は久しぶりに森を探索してきた 冷えた土の匂い その匂いは何かを孕んでいるようで エロチックささえ感じる 微かに震える木々が奏でる 心地良い鈴の音 奥ゆかしく恥ずかしがり屋な 春の陽射しに守られながら そこかしこで静かに命が芽吹こうとしていた いくつもの生命が 新緑の中で それぞれに独自の合図を送り合っている そんな雰囲気に包まれていたら なんだかよく分からないけれど 「あぁ、生きていて良かった」と少し思えた 自然には そんな底知れぬパワーがあるのかもしれ
不思議なネーミングだ きょうだい児というのは 「障害を持つ兄弟・姉妹のいる人」のことを指すらしい 実はこの名前を 最近になるまで 見たことも聞いたこともなかった 私の妹は生まれつき知能に障害がある 診断名だと 「自閉症スペクトラム」 重度ではないが 軽度でもないというグレーゾーン そのため 国から万全の支援を 受けられる資格は持っていない 妹は ひと通りの読み書きも出来るし 記憶力も良いし (この病名の人たちは記憶力がすこぶる良かったりする) ひとりで最低限の生