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南会津・舟鼻山(スノーシュー)
舟鼻山(ふなはなやま)は、福島県の南会津郡と大沼郡の境に位置する寂峰である。数年前から御前ヶ岳と組み合わせてスキーでのアプローチを企てていたが、地味~なエリアの山スキーでは同行者を得られずに計画書のお蔵入りが続いていた。今年は、スキーではなくスノーシューでのアプローチに変更し、ぼく同様、昨年スノーシューを新調したhm氏の同行を得てようやく計画実施の運びとなった。
天皇誕生日の三連休初日、会津田島から国道400号線を辿り舟鼻トンネルを抜けた旧道との分岐付近の空地に車を停めて身支度を整える。
旧道から分岐する林道が山頂直下まで拓かれており、雪に埋もれてはいるがアプローチに使うとさほどの労なく山頂へは行けそうだ。
旧道の方は除雪が入っていないので、ゲートの手前からスノーシューを着けて歩き始められる。車道なので傾斜は緩く、新雪が5cmほど積もっているがその下は固く凍っているため、大きく沈むことなく快適に歩を進めることができた。
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が、積雪量は例年よりだいぶ少ない印象だ。
30分ほど旧道を歩くと、分岐点に到着。左手に「舟鼻山元」と書かれた看板が立っていた。直進するのは旧道の続きで舟鼻トンネルの反対側で再び国道400号線へと合流する。右折して舟鼻峠をめざすルートが本日のコースである。
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15分ほどで舟鼻峠の分岐に到着。そこからは右に分岐する大窪林道方面へ進むが、林道は山腹に沿って大きなヘアピンカーブで高度を上げているので、すぐに直進する尾根を使ってショートカット。二つ目のヘアピンカーブも無理やりショートカットしたが、結構な急斜面でところどころ手も使いながら登る。登っている最中、下の林道を歩く単独のスキーヤーの姿を見かけた。ショートカットを登り切ったところで、一休みしているとスキーヤーが登ってきた。2度目のショートカットは急斜面でそれなりに時間もかかるので、道なりに来てもさほど時間が変わらないようにも思った。
挨拶をして言葉を交わすと、時間があれば御前ヶ岳までとのこと。「ああ、じゃあ同じようですね」と言葉を返して先行してもらう。
数分後にスキーヤーの後を追うように出発。曇り空で、時折小雪が舞う天候なのでモノトーンの水墨画のような情景が広がっている。そして静か…。
いいなあ…。人のいない静かな雰囲気が好ましい。周囲の樹林は樹氷に覆われて幻想的な風景を作っている。
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ところどころ、もこもこ天ぷら風の樹氷も見られた。(写真うまく撮れず…)
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しばらく先行したスキーヤーのシュプールを辿って行くと、前方で尾根に取りつこうとしているスキーヤー氏の姿を認めた。こちらもそろそろ尾根にと思っていたので、左手の尾根が低くなってきたところで林道から尾根にあがりブナの台地を歩く。少し前方が登っているようにも思うが、殆ど同程度の標高の台地が続いている。
一応、現在地(1204m標高点の南方)から地図上の舟鼻山ピークに向けてコンパスを合わせて歩き始めたが、どこまで歩いても平らで同じような風景が続くので、いつの間にか少し右(西方)に進路が逸れてしまったようだ。
平らなようでいて、実際には小尾根状・小沢状の起伏があり、正しいルートへ戻るには浅い谷を越えなくてはならない。
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何度か方向修正をしながら何とか山頂付近に到達したが、平らな雪原が広がるばかりで山頂感はゼロである。スキーヤー氏が先に到着していて「この辺みたいですよ」と声をかけてくれた。何にもないけど、でもいい景色。
晴れていればもう少し華やかな風景なのだろうが、今日のような小雪舞う天気も悪くない。
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先着していたスキーヤー氏は、御前ヶ岳は諦めてここから戻るという。さてぼくらはどうしようか…。出発から2時間半経過しており、御前ヶ岳は時間的にちょっと厳しいかもしれない。でも、ここで戻るのはちょっと物足りない。なので、あと1時間くらい歩いて戻ろうかとhm氏に提案し、来た道ではなく、林道へダイレクトに出る方向へと歩を進めた。
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方向は定めて歩き出したが、やはり似たような風景が続く。大きく方向がそれないように気を付けて進むと前方に浅い谷が現れた。谷を渡ろうかと思ったが、雪が割れていて剣呑である。地図をよく見ると、谷に沿って降れば林道に出られそうだ。ということで、谷に沿って歩いて行くと、トレースが出てきて、ほどなく林道に合流した。
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辿ったトレースは林道を越えて谷の斜面をトラバースして続いている。御前ヶ岳へのトレースかとも思ったが、もしかするとそのまま谷沿いに国道に続いていたのかもしれない。この時期は藪も隠れていて雪の上に自在にルートを取れるので、林道を歩いている間もどこから来てどこへ行くのか?と思うトレースが出てくる。さてこの後はどうしようかと地図とにらめっこをして、結局林道をそのまま西南方向へ辿ってみることにした。林道脇の湿原マークが途切れる辺りの屈曲部から御前ヶ岳への尾根に取り付けそうでもあるので、次の機会の偵察も兼ねられる。
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周囲の植生や動物の足跡を観察しながら林道を進み、1時間ほどで屈曲点付近に達する。やはり御前ケ岳は難しそう。潔く気持ちを切り替えて、ランチタイムとする。雪が少し強くなってきたがそれほど寒くもなく、ゆっくりと休憩してから来た道を戻る。
林道を辿れば、自動的に出発点に戻れるので気は楽だ。戻る道すがらの左手の湿地記号の付いた沢筋は、水流が覗けるほど雪が少なく、御前ヶ岳へ続く尾根に登るには、沢を渡る地点に気を遣いそうである。御前ヶ岳へ行くなら、舟鼻山から林道へ出た辺りから1203m標高点のある尾根を辿るのが確実そうだ。
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引き返し地点からは、30分ほどで舟鼻山から林道へ出たところへ戻った。そこから1km弱は今日は歩いていない区間である。古いトレースが薄っすらと認められるが、積もった新雪でほぼまっさらな雪面に見える。そこをスノーシューで進むのは、子どもみたいだが実に楽しい・笑。
往きに林道をショートカットして休憩したところから、自分たちのトレースを見下ろすと結構急斜面でスノーシューで降りるのに苦労しそうなので、そのまま林道を素直に辿った。ヘアピンカーブを曲がって、舟鼻峠へダイレクトに降る尾根のところは、最初の数歩をかわせば降りて行けそうなので、往路のトレースを逆に辿って舟鼻峠へ戻った。
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峠からは直接トンネル出口付近まで降りられそうで、そのルートの入口には赤テープの目印もあったが、谷地形になっていて、雪が少なくて谷が割れていても嫌なのでそのまま往路を戻ることにした。
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ただ、あとから考えるとちょっと慎重になり過ぎたかもと思ったりもする。次に行くときはダイレクト・ルートにチャレンジするのも悪くないだろう。峠からも林道をのんびりと降る。スキーの方は舟鼻山から戻ると言っていたが、林道を快適に降っているらしきシュプールが残っていて、スキーがあれば楽そうだなあとちょっと羨ましく感じた。いつかスキーで歩いてみたい。
峠からは30分ほどで旧道分岐に戻ると、目の前が車を停めたスペースである。ちょっと歩き足りない気もしたけれど、静かで好ましい雰囲気の中を歩けて満足まんぞく。次は、先に御前ヶ岳を登ってから舟鼻山辺りを歩くことにすると御前ヶ岳へも行けるだろう。
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車に戻って片づけをしながら、温泉はちょっと不便なエリアだし大して汗もかいていないのでお風呂を省略して、お酒を買って帰ろう!(何ですかそれ?)と相談がまとまり、会津田島の駅にほど近い小林商店へ向かう。ぼくは日本酒と酒粕で醸した焼酎を、hm氏は地元産のウイスキーをそれぞれ購入。
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開當男山酒造3、会津酒造1のラインナップ。
「本格からくち開当男山」と「金紋會津」はお燗用。「金紋會津」の方がやや酸味を感じるが、ともに美味。常温でも飲みやすく飲み飽きない。し、お買い求め易いお値段なのがありがたい。
「夢の香」は特別純米酒で冷やが美味しい。やや辛口系。妻氏の好物なので、会津に来るたびに買ってしまう我が家の定番酒。
米焼酎「渡」は、最近米焼酎がマイブームなので買ってみたが、まだ口にしていないので、開けるのが楽しみである。
お酒を仕入れて満足した後は、会津田島から塩原を経由し西那須野塩原インターで東北自動車道に乗る。三連休初日だったので、帰りもほぼ渋滞無しで順調に都内に戻ることができた。
日程:2024年2月23日(祝金)
天候:曇ときどき雪
メンバー:tapiola(L)、hm
地形図:大芦
コースタイム:旧道分岐付近P(8:05)-舟鼻山元(8:40/45)-舟鼻峠(8:58)-尾根取付き点(9:53)-舟鼻山(10:35/40)-大窪林道復帰点(10:55)-引き返し点(11:35/12:08)-大窪林道復帰点(12:40)-舟鼻峠(13:30)-舟鼻山元(13:43)-旧道分岐付近P(14:05)