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ナチノマチ・ヒト② むろ丸

那智勝浦とホテル浦島は、まさに二人三脚で発展してきた町と宿。

その歴史をより深く知るため、実際にマチのヒトに話を聴くシリーズ

「ナチノマチ・ヒト」②

今回は、ホテル浦島への渡し船・浦島丸が発着する桟橋のすぐそばにある

「むろ丸」さんを訪ね、お二人のナチノヒトにお話を伺いました。

■むろ丸 代表 松下敬次さん

2024年4月20日にオープンした生マグロ丼専門店「むろ丸」

驚くことに、代表の松下さんは本業の建設業を営みながら、この店をスタートさせたそうです。

古民家をリノベーションした店内には、長年の建築経験から生まれたオリジナリティーあふれるセンスが光ります。

リノベーション中、隠れていた天井をめくると火事の痕跡が残る炭化した木材が出てきたとか。その木を磨いてみると美しい色合いが現れ、それをきっかけに内装のアイディアが次々と浮かんできたそうです。

「最近は、ホテルの外に食事を求めるお客様が増えています。そんな方々に夕食を楽しんでいただける場所を作りたかった」と松下さん。

全国的にみると珍しい生マグロ専門店として、食事後は2階のカフェエリアで厳選されたコーヒーを無料で提供するというサービスも。アンティークのコーヒーカップを自由に選べるのも魅力です。


店内には昔の那智勝浦の写真が大きく飾られ、マチへの愛情が感じられます。

「一度来て終わり、ではなく、このマチのファンになって何度も訪れてほしい」という松下さんの想いが込められています。

今後は建築のノウハウを活かした民泊施設も計画中で、那智勝浦の自然をより深く体感できる企画を進めていきたいとのこと。その表情からは、すでに来訪者の笑顔が見えているかのようでした。

■合同会社elcamino 代表 佐藤由明さん

「那智勝浦だからこそ、本来の自分を取り戻せる」

企業のメンタルケアと旅行会社経営という二つの顔をもつ佐藤さん。

神奈川県鎌倉市と愛知県豊橋市での2拠点生活を経て、2016年に奥様の地元である那智勝浦で旅行会社を立ち上げました。

情報過多の現代社会では、限られた空間の中で本来の自分を抑え込んでしまいがち。しかし那智勝浦の雄大な自然は、心を解放し、本来の自分を取り戻すのに最適な環境だと佐藤さんは語ります。

「地元の人には当たり前すぎて気づかない魅力がある」と話す佐藤さん。

外から来た視点だからこそ見える魅力を伝えたいという想いから、2泊3日の旅行プランを企画。しかもただのプランニングで終わらせず、自らガイドとして同行し、お客様とつながり、共にマチの魅力を存分に味わいます。

人とのつながりが心の安心と健康をもたらす——。そんな思いを込めた

「熊野 いのちに つながる旅」の詳細は以下でご覧いただけます。

お二人の想いから見えた那智勝浦

地元で建設業を営む松下さんと、外から移住してきた佐藤さん。異なる視点を持つお二人の話には、「このマチの魅力を伝えたい」という共通の想いが溢れていました。

マグロを食べてゆっくりとコーヒーを楽しむ時間も、雄大な自然の中で心を解放する旅も、那智勝浦だからこそできる特別な体験。

古きよき魅力を大切にしながら、新たな価値を育てていこうとするお二人の姿に、那智勝浦の未来を見た気がしました。

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