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ナチノマチ・ヒト⑤ 前田商店

那智勝浦とホテル浦島は、まさに二人三脚で発展してきた町と宿。

その歴史をより深く知るため、マチのヒトの声に耳を傾ける

シリーズ「ナチノマチ・ヒト」⑤

今回は、ホテル浦島にも数多くのお土産を提供する

前田商店さんを訪ねました。


創業51年を誇る前田商店は、店内にカフェを併設した温かみのある空間。

店頭販売だけでなく、近隣のホテルや道の駅など、数十軒もの施設とお土産を通じたつながりを持っています。

様々なお土産を扱っていますが、熊野地方といえば八咫烏(やたがらす)が有名で、八咫烏の卵まんじゅうは根強い人気を誇ります。それに並ぶ人気商品が柚子最中だそうです。

最近では、近隣に建設された民間小型ロケット「カイロス」の発射場の影響で、ロケットをモチーフにしたお土産の需要が急速に高まっているとのこと。

時代とともに、旅行土産を近所に配る習慣が薄れ、自分や家族で楽しむ傾向が強まっていることを寂しく感じると前田さん。

しかし、そんな変化の中でも、地域の活性化と旅の思い出づくりへの想いを込めて、オリジナル商品の開発に意欲的に取り組んでいます。

その一つが、地元の特産品をもっと広く知ってもらいたいという願いから生まれた「マイヤーレモンマドレーヌ」。すでに人気商品の仲間入りを果たし、那智勝浦の新たな味の顔として注目を集めています。

「那智勝浦の魅力は?」との問いかけに、

前田さんは「神社・仏閣とおいしい魚」と即答。

さらに「観光の際には、ぜひ熊野古道を歩いてほしい」と続けました。

自然と共に生きる喜びに満ちたこのマチで長年暮らしてきた方だからこそ語れる言葉に、深い郷土愛が感じられました。

この土地で半世紀以上にわたり、旅人の思い出づくりに寄り添ってきた前田商店。お土産は単なる品物ではなく、那智勝浦という土地の記憶を包み込む存在なのかもしれません。

訪れる人々の手に渡る一つ一つの品に、マチの歴史と人々の想いが確かに息づいているのです。

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