サイコロサイコ第一の出目をプレイしたあらすじと言うか感想基レビュー
メンヘラフレシアの続編に当たる作品と言うことでこちらも直ぐ様プレイしました。当初はサイコロの目と同じく6人のヒロインルートだけでしたが、どうやら追加シナリオ、グランドルートも公開されたという事でそれも含めて全てプレイしました。
例によって今回もネタバレとか普通にしていくので未プレイの方はご注意を。
まず最初にどういった順番でやろうかと迷ったお話。公開された順番でやるか、1の目から順番にやるか、ここは迷いましたね。でもサイコロサイコ自体がメンヘラフレシアの続編と言いつつ単体でも十分楽しめる位にそれぞれが完結しているので1の目から私は順番にやりました。まあ過去作品をやっていたりするとニヤリとするのは毎度の事でしたねw
まずゲームのシステム面について。基本的にメンヘラフレシアとあんまり変わらない形式のノベルゲーム、うさでいつでもセーブ出来る安心感。途中の選択肢は会話の内容が少し変化する位、重要なエンディング分岐の箇所は赤くなると。今回はHAPPY END1に対してBAD ENDが複数個用意されている。なので選択肢でセーブして全部回収するのが必須となろう。それでは今回のイカレた可愛いヒロイン達の紹介に移る。と思ったが全員分を一つの記事に書くと凄く長くなるので、出目毎に記事を作成することにしました。因みに今回のヒロイン達も一応モチーフとなるお花がある模様。
全ルート共通の内容としては主人公「めたろー」とその友人だったり恋人だったりする「七七」、CHARONゲーレギュラー出演であり友人の「雪丸」ここにそれぞれの出目でヒロインが加わり物語は進んでいく。
他の共通事項としてはヒロインの名前の読み方が「さいこ」と言う所だろうか。後はゲーム開始直後のテキストが「風の音が聞こえる...」とメンヘラフレシアと同じ始まりで花畑から始まる所なんか過去作との繋がりと感じてしまう。
第一の出目、斉子(ムスカリ)
まず最初にプレイした事もあってか個人的にシナリオ含めてかなり好きなルート。サイコロサイコの洗礼を受けつつやっぱりこれはCHARONゲーだと思わされた。
展開としては主人公たちの学校へ斉子ちゃんが転校してくる所から始まる。制服の上からカーディガンを羽織り、足は黒タイツで完全防備と肌を露出しない防御っぷり。これはガードが固そうな子ですねえ。更に一人称がボクというボクっ子属性持ちとな。そして漫画とかアニメでよくありがちな主人公の横の席が空いていてそこに転校生が来るなんて、開幕からラブコメしちゃってますね!でもこの世界線の主人公には七七という彼女が居る。この時点で先の展開を察する人は察すると思います。
主人公がお家で夕飯と言う時に突然の訪問者、どうやら隣に越してきた人のご挨拶の様だ。どちら様?と出るとなんと転校生、斉子ちゃんでした。これは運命なのか偶然なのか。彼女持ちであちつつも容姿端麗なかわいい子がお隣のお部屋に越してきたなんて、年頃の男の子なら揺れ動く心。
そうして日常を過ごしていくが斉子ちゃん、お料理含め家事万能な子でやたらと主人公のお世話をしてくれる。彼女の七七も料理作ってくれたりするけど、それ以上の腕前と言う。なにより七七は電車通学で主人公と物理的に距離が遠い。そんな主人公と七七の間にだんだんと割り込んでくる斉子ちゃん...そして満更でもない主人公。この三角関係はどうなっていくのだろうか楽しみになってくる。
BAD END1
越してきたばかりの斉子ちゃんが挨拶に来た時に七七から電話が掛かってくる。これに出るを選ぶと主人公は斉子ちゃんにスマホ内に閉じ込められてしまうというもの。電脳世界で永遠に生きる主人公とそれを眺める斉子ちゃん。そんな終わり方。個人的に途中「入レタ、入レタ、入レタ」と言う文章がどうしてもヤマノケの話を思い出す。
BAD END2
遊びに来ていた斉子ちゃんにまた明日も来ていいかと聞かれて、明日は(七七との約束があるから)ダメだと答える。すると突然態度が変わった様子の斉子ちゃん、その後ヅカンと一撃、気を失う。目を覚ますと七七が来る約束の時間が近い、しかしそこで斉子ちゃんに見せつけられる衝撃の事実。七七がNTRれてる様子を、そうして失意のどん底に落ちた主人公は斉子を受け入れる...
正直斉子ちゃんなら裏工作で七七を他の男に奪わせる位平気でやりそう。
BAD END3
七七が主人公の家に遊びに来る日、しかし主人公は斉子の誘惑を断れずダブルブッキング。当然鉢あってしまう七七と斉子。起こった七七が主人公にどういう事なのか説明を求めて詰め寄ったその瞬間!七七の胸を貫く鋭利な一突き、それだけに留まらず倒れた七七へ慈悲の心と言わんばかりに止めを刺す斉子。苦しんで生きながらえるよりさっさと死んだ方が楽、死は救済です。分からんでもないがそれを実行に移す辺りサイコサイコ。
BAD END4
最後の方の修羅場で七七と斉子のどっちを選ぶの!?って場面であっさり斉子ちゃんを選んだ場合。(ここでは赤い選択肢でなくキャラクターを直接クリックして選ぶ形になっています)ちなみにこのエンディング、BAD ENDだけども私は結構好きなエンディングですね。
斉子ちゃんを選び、二人は愛を確かめ合う、とその次の瞬間!突然大きな音がしたと思ったら斉子ちゃんの片腕が無くなっている、正確には吹き飛んでいた。何が起こったのか周りを見渡すとそこには猟銃を構えた七七の姿が。主人公との愛の邪魔をするなと叫びながら、片腕が吹き飛んでいるにも関わらず七七に飛びかかろうとする斉子。しかし無慈悲にも二発目、三発目の弾丸が飛ばされる。その度に吹き飛ぶ斉子の四肢。それでも這ってでも主人公の元へやって来ようとする斉子、そして最後に「めたろー君は渡さない」と宣言して力尽き倒れる。すぐさま駆け寄って斉子を抱える主人公、最後に「愛してる、幸せだった」と言って息絶える斉子。
主人公は静かにキッチンへ向かい得物を手に取り、七七を押し倒してグサリグサリと仇を取る。その時の主人公の顔は憎しみとか怒りとかを通り越した無表情。
一応BAD ENDですけど出目1でHAPPY END以外なら一番好きな終わり方なんですよ。手足が吹き飛んでも敵に立ち向かう斉子ちゃんの揺るがぬ信念と這ってでも愛する人の所へ向かおうとする深い愛、健気です。狂った七七が悪役に見えるエンディングだがどこで歯車が狂ってしまったのか。
このENDを気に入っているのは個人的に手足吹き飛ぶとか切り飛ばされる系のネタが好きってのもあるかもしれないです。
HAPPY END
最後の方の修羅場で七七の方を選んだ場合。七七をえらんだ主人公は斉子を置いて二人その場を立ち去る。そして二人は愛を確かめ合って幸せな結末へ、エンディングが流れます。
最初プレイしていた時「なんかエンディングのBGMがぷつぷつして動作重いかな?」とか思ってメモリの整理するか~なんて思っていたんですよ。そしたら突然スタッフロールの途中で画面が揺れて斉子ちゃん登場。「裏切るなんてひどいじゃないですか」と喋り出す、この辺りでなんとなく察しましたね。これは主人公へ向けてじゃあない、我々プレイヤーへ向けて次元の壁を越えて話しかけてきているんだと!実際画面の前のあなたに言ってるんですよと斉子ちゃんも言ってました。
その後再びどっちを選ぶのか修羅場の場面へ戻される、しかし今回は決定的に違う所がある。先程と違って七七の顔が赤く塗りつぶされていて選択することが出来ないのである。実質一択である。こういう状態なので斉子ちゃんを選ぶしか道が無い、その後の展開はBAD END4と似たような流れ。しかし今回は邪魔が入らず今度こそちゃんとしたエンディング、スタッフロールが流れる。BGMも相まって物語も一段落して「あ~面白かったな~」と思いながら眺めているとスタッフロール後にも続きが。
どうやら斉子ちゃんの生い立ちや家庭事情について過去の話の様だ、両親とも仕事熱心であんまり親の愛を受ける事が出来ずに育ったようだ。最初はこれが普通なのかと思っていたが、途中でこれは異常な家庭環境である事に気付いてしまう。そうして愛を求めて行動を起こし始める、学校で優れた成績を取っても、自傷してみても、それでも両親は見てくれない。こんな悲しい生い立ちだったなんて...
両親が見てくれないのならと他の人からの愛を求め夜の街へ繰り出す。そこで中年男性に声を掛けられ所謂パパ活を始める。本人からしたら誰かに構ってもらえる、認識してもらえる、その事が嬉しくて堪らなかったのだろう。相手の男性には妻子がいる、社会的には非常にまずい状況。それでも居場所や居心地の良さに甘えてしまう。
ある日街中でパパ活相手の中年男性を見かける。誰かと言い合っている様子、相手は学生で恐らく中年男性の息子であろう。暫く言い合った後男の子は去って行く。なんとなく気になってそれを追いかけてみる斉子。バス停で立ち止まる男の子、特にバスに乗る用事は無いけども男の子の横に並ぶ斉子。
男の子は最初スマホの画面を眺めていたが、ふと斉子に話しかけてくる「その腕痛く無いの?赤くなってるよ」と斉子が自傷した箇所を見て指摘してくる。返答に困っている斉子に構わず「ちゃんと手当した方が良いよ」と言って絆創膏を渡してくる男の子。そして「自分をもっと大事にしなよ」と言い放つ男の子。
と色々省ているけどもこんな感じのやりとりが繰り広げられる。細かい部分とかは自分の目で確かめて欲しい位、実際にやった方が良い。ここのやり取りが凄く良い。因みにこの男の子は中学生時代のめたろー、本編中でも少し父親の不倫について出てくる文章の伏線回収でもある。こんなに人からナチュラルに優しくされた事のない斉子ちゃんはそりゃもうめたろーにぞっこんで落ちちゃうのも無理ないよ。この時から既に斉子ちゃんのめたろーへの恋が始まってついに高校で結ばれる。
そうしてめたろー以外の男を寄り付けない、心と体を許さない為に一人称をボクにしたり体中の見えない所を傷つけまくったりと凄まじい覚悟と言うか誓い。自分がめたろーの所有物である証としていつの日か本当に彼の物になれる時を待ちながら。
エンディング前はまだまだ中盤。スタッフロール後の実はこういう裏事情があったんだよ~的な怒涛の展開がメインかもしれない。最後にドーンと色々な事が明かされていくこの流れ、そしてタイトル画面に戻るのだが画面が変わっている!?最初はおどろおどろしいタイトル画面だったのが幸せそうに花畑に眠る斉子ちゃんの姿に。ここまで見て今度こそ物語は本当に終わったんだなと感じ、なんとも言えないこの不思議な気持ち。そしてタイトルBGMを聞きながら余韻に浸る。これ出目1だよね?まだ後5個とグランドルートもあるじゃん!俄然楽しみになってくるって思いましたね。
最後に
メンヘラフレシアをプレイ済みなので、まあ作風はなんとなく掴んだ状態と高を括ってました。最初はタイトル的にサイコパスな女の子が出てきて殺し殺されでもするのかな?と思ってました。でも実際は、クリア後は正直こんな予想以上に感激するとは思ってもいませんでした。演出やBGMのタイミング、今のノベルゲームってこんなに凄いのかと思いましたね。近年フリーゲームも「これがフリーなの!?」って位凄い作品が出てきていますが、ノベルゲームに普段あんまり触れた事のない私にとってはもう驚きでしたね。
出目1だと斉子ちゃんがめたろーに恋する理由とかそこまで執着する理由とかも最後に明かされてスッキリすると。メンヘラフレシアでもそうだったけど、実は結構可哀そうだったり闇を抱えてるヒロインが多いですね。
そして最後に言いたい事は「まだプレイした事無い人は是非DLしてやってみよう!サイコロサイコ単体でも十分楽しめます」