保護協調と需要率

先に結論を述べると必ずしも主幹AT>各盤主幹ATで無くとも良いと考えます。

全体の容量33000VA/200V=165A→175AT
で、各分電盤主幹をぎりぎりにせず将来用余裕で大きめにすると
各分電盤の主幹容量の合計AT>主幹ATとなり、
各分電盤がギリギリまで使用すると、主幹が先に落ちることになります。
保護協調が取れていないということですね。

将来用余裕みる+保護協調をみるのであればやはり主幹AT>各盤主幹ATにすべきですね。ただケーブルサイズは大きくなる可能性がありますので経済的には良くはない…。
また新築ならともかく改修工事で分電盤主幹ATを大きくしなければならなくなったら主幹まで改修する必要があるものなのか。

そこで「需要率」を考慮します。
設計時に積み上げる設備容量は、100%同時に使用することはまずない。
せいぜい多くても70%程度(この数値は人や状況によってまちまちですが)と思われます。ので
175AT主幹であれば各盤合計が250ATくらいであれば大丈夫といった感じです。

仕事をし始めのころ、電気室100ATに100AT×2台の分電盤をぶら下げてしまった事があります…。施工後に主任技術者様より苦言を頂いてしまった苦い思い出なのですが、1度も停電になったとは聞かないので、そこまで需要率が高くない需要家さんだったということで、運が良かったです(汗)

設計者によっては明確に自分の数値や考えを持っている方であれば殆ど悩むことはない箇所だと思いますが。このあたりは電気設備の設計で正解がありそうでない世界かなと感じます。


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