Podcast「チノアソビ」では語れなかったことをつらつらと。リベラル・アーツを中心に置くことを意識しつつも、政治・経済・その他時事ニュースも交えながら林田(専門:総務省地域力創造アドバイザー、TVコメンテーター、飲食店経営、大学教員)と後藤(マーケッター、メディア&プレスコンサルタント、ライター)の二人が、他では得られない(?!)情報を提供していきます。
え〜、息子には書け書けと言いつつ、自分は筆が縷々として進まないのですけれども、ここで一つ小噺を。久々に政治的な話題をおひとつ、とまぁ、こういうわけでございます。 「政治的」と申し上げたのでございますけれども、まぁ、なんと言いますか、えぇ、ちょっとこの間に起きた事象を「経済学的」に斬っていこうという野心的試みでございますので、一つお耳を、いやお目を拝借と、まぁこういうことでさぁ。 そんなこんなで、大方の予想を覆してというべきか、予想通りなのかはわかりませんけれども、石
ぼくは今、東京では西東京方面にある調布市、という街に居付き、月の半分をそこで過ごしています。一方で、毎週木曜日に、ビジネス的なホームベースと言ってもよい福岡のローカル番組「めんたいワイド」のレギュラーコメンテーターを、もう10年近くも務めていて、今日も朝イチで福岡へと移動するため羽田空港のラウンジでこの記事を書いています。 つまり、月のもう半分は福岡で過ごしている、という、やや忙しない人生を10年続けていることになるのですが、必然的に移動が多い、ということは言うまでもあ
大脱線を続けて、毎回4Pずつくらいしか進まないので、終わる気配もないこの講座なんですけれども、もはや安定的に朋友も集うようになっていただいておりまして、このところ募集をサボっておりました。 ということで、せっせと告知はしていきたいと反省しております(実際に、このnoteからご参加いただいたニューフェイスも多いのでございます)。 先日、自民党の総裁選に立候補した林 芳正 官房長官が、抱負として 「仁のある政治を」 と述べておられました。論語を学ぶ者としては、非常
緊急企画!ということで、今週の金曜日、8月30日に森ガキ 侑大 氏が監督した映画『愛に乱暴』が封切りされますのを機に、チノアソビ公開トークイベントを開催したいと思います。 林田と森ガキ監督の付き合いというのは、どのくらいになるのでしょう。あれは思い起こせば20年前、福岡である人が主催のイベントに参加していた林田は、若かりし日の森ガキ君と邂逅したのでした。 どんな出会いだったか、というのは詳しくは話せないのですが、とにかく二人ともこのイベントから追い出されたのをキッカ
このところ本業(何が本業かはわからないのですが)が忙しくなりつつあり、原稿が2週に一回になりつつあるのですが、なんとかペースを上げていこうという気概だけは持っています。 そんな中、宙ぶらりんにしているシリーズが多々あるものの、今回は東京都知事選の結果を踏まえて2024年に激変する世界の動きを追っていきたいと思います。 1.石丸氏2位の衝撃 当初、現職都知事の小池 百合子 氏と蓮舫氏の一騎打ちと思われた東京都知事選ですが、蓋を開けてみると前 安芸高田市長の石丸 伸二 氏が
1.職人、高陽親王 今は昔、高陽親王(かやのみこ)という人がいた。桓武天皇の第七皇子で、歴史的には賀陽親王(かやしんのう)と称される。この人は天皇の皇子でありながら、実に優秀な職人であったという。 高陽親王の邸宅は「高陽院(かやのいん)、賀陽院(かやのいん)」とも呼ばれ、藤原 頼通がたいへんに気に入って、後に邸宅を接収すると、その敷地を倍に広げて四方を池に囲まれた寝殿造の建物に増築した。 頼通は、この高陽院をほぼ官邸として長期政権を築き上げたが、宇治の平等院に引退した
1.本当に国立大学は「もう限界」なのか? 「お願いだから国立大学に進学してください」と高校3年生だった息子に懇願し続けたこの1年。志望大学の前期日程で大きい討伐を受け、それでも志望校を変えずに後期日程が終了した段階で、 「嗚呼ッ、もはや私学に進学し年間140万円をドブに捨てるわけではないのだけれども、なんだかなぁ、、、」 な心持ちで支払うことを覚悟した3月。にわかに朗報が舞い込み、無事に志望していた国立大学に合格したとの報を受けたとき、 「これで父の飲み代は確保できたで
1. 縦の歴史と横の歴史 5月17日(金)に論語講座(東京)を開催しました。 相変わらずナチズム・ファシズムの話から島田 虎之助のお話まで脱線しまくっていて、90分かけて5段くらいしか進まないという。しかし、本当の学問というのは枝葉から辿り着く幹が大事なのです。そして、幹から枝葉へと広がっていく雑談の中にこそ、本当の学びがあります。 思えば、学校の歴史の授業で学ぶのは根幹にも到達せず、枝葉にも広がらない縦の流れを暗記するものに終始しています。 ぼくたちが学生時分には
1.浪速のユーモアの源流織田 作之助というと、もう今の人には馴染みが薄いのかもしれませんね。しかし、その絶望的なまでに暗い物語を、見事なまでにポップに描き切った文体は、明治初期までの候文(です・ます調ではなく、語尾が「そうろう」で終わっていた文体)を、現在の日本語に仕立て直して創作した夏目 漱石を経て、上方文学の集大成(それも全国的に売れた!)です。 昭和15年、織田 作之助こと通称、織田作(おださく)が27歳のときに書いた『夫婦善哉』は、五年間の雌伏の時を経て戦争が終わ
1.金にルーズな天才詩人石川 啄木といえば、日本人の誰もがその名を知る天才詩人のうちの一人といってよいでしょう。 という歌を由来とした傑作『一握の砂』。この中に収められている幾つかの詩は、覚えていなくとも日本人の記憶のどこかに、まさに一握の砂のように落とし込まれていて、一度も聞いたことがないはずのビートルズのフレーズをなぜか知っているような、そんな感慨を持つにいたるのであります。 説明も全く必要がないほど、貧乏です。本当の貧困とはかくあるべきか。しかし啄木はニートという
1.裏金問題の本質 自民党が、いわゆる「裏金問題」(本義的には政治資金問題と言うべきか)で揺れているんですけれども、個人的には、あのぉ、何というんでしょう、そのぉ、大したことないんじゃないのかなぁ、と感じているわけです。 いや、全体的に見ると大したことなんですね。でも、なんか「裏金」というワードが先行して、本質を見失っているような気がしてなりません。だって、そもそも、政治資金規正法に基づく収支報告書に記載しなかっただけじゃないですか。 そもそも政治資金パーティーなどに
論語講座再開の経緯 私事で恐縮ですが、ドラ息子の大学受験が終了いたしました。 この1年、なんとなく気をつかって東京での飲み歩きは最低限に控えていたのですが、4月からお休みしていた「東洋哲学ゼミ(論語講座)」を再開したいと考えています。 なんというんでしょう、第一志望の国立大学に合格したところまでは良かったのですが、見事に調子に乗っています。 深夜に「お腹が減った」と、焼肉丼とどん兵衛を食べている息子に、 「深夜にそんな食ったら太るぞ」 というと、 「あー、偏
1. 富の源泉は信用 チノアソビ本編でも、何度か触れてきたが、富の源泉、つまりお金持ちになるための一番の近道は、信用を得ることなのであります。 悪い大人たちがよく使う「お金持ちになるために必要なのは信用である!」という論理において、もっとも使用される陳腐な例は次のようなものです。 この三段論法は、一見、非の打ち所がないように見えるんですが、では信用とは何なのかという部分に一切、踏み込んでいないんですね。価値論としてのマネーと信用との関係性を語る上では薄っぺらい、拝金主
「歴史は繰り返す」 というが、なんとなく21世紀がその前の100年、つまり20世紀をナゾっているような感覚に陥ることがある。この感覚を共有してもらうためには、20世紀がどんな時代だったかを、ぼくなりに定義しておかねば不親切と言われかねない。 大まかに捉えていくと、1900年代は、19世紀中盤に始まった産業革命が一巡。2周目に入り工業が高度化していく時代である。ヘンリー・フォードがフォードモーターを設立し、ライト兄弟が人類初のフライトに成功する。 10年代は、第一次世
1. 中小企業経営者に必要な経営力 見出しタイトルを「中小企業経営者に必要な経営力」と書いたところまでは良いが、正直、何から書けば良いものか迷っている。迷って迷って迷いあぐねた末に、また締切を過ぎて遅れてもいいや、という気持ちにさえなった。だって、今日は祝日だから(2024年2/12日は建国記念日)。 なぜ、こんなことを書こうと思ったかというと、2023年末になって、にわかに旧知の経営者の友人Aくんから、 「林田さん、、、実は、会社が危ないんです」 という相談を受けた