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永遠

帰省したついでに姫路城の周りを散歩した。

6月の肌に纏わりつくような暑さと湿気の中、城の西側の堀と好古園とに挟まれた道には沢山の野良猫が集合していた。
高校時代、毎日この道を通って通学していた僕にとっては、非常に馴染みの深い光景であった。

ふと堀沿いのベンチを見ると、下に2匹の猫がいた。
どちらも人馴れしているのか、近づいても全く動じないし、眠たいのかうとうとしてさえいる。

ランボーは「太陽と一緒に行った海」に永遠を見たそうだが、僕はその時、眠たげな猫に永遠を見た。
それは未来も過去も、そして何の目的もない、無限の「今」が連なる世界だった。

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