【TRPG】ダブルクロス平安京物怪録
仲間内で『ダブルクロス The 3rd Edition』を平安京物怪録セッティングで遊びました。GMは僕が最も信頼するGMのひとり、サンダー(@thunderchantrpg)氏。
本来『ダブルクロス』の舞台は現代がベースですが、第二次世界大戦前夜の『ウィアードエイジ』や、魑魅魍魎が跋扈する平安京を舞台とした『平安京物怪録』など、魅力的なセッティングが多く用意されています。平安京が収録されているサプリメント『オーバークロック』は現在、書籍の入手が困難になっていますが、Kindleなどの電子書籍で購入することができます。本当にいい時代になりましたね。
今回、僕はPC④枠。他のPCが若者寄りだったので、パーティ全体のメンター的な老修験者を作って参加しました。ピュアノイマンの情報収集&バフ専門キャラ。かつて坂上田村麻呂の蝦夷討伐に同行したというホントかウソか分からぬ過去を持つ、御年108歳(笑)
平安京というのはTRPG的には非常に美味しい時代でして、陰陽術や呪術、密教などの多種多様な『魔法』、都を跋扈する百鬼夜行などの『モンスター』、侍や剣豪などの『戦士』といったファンタジーRPGの必須要素が全て網羅されています。さらには宮中でのどろどろ陰謀劇や、身分違いの切ない恋の話、果ては羅生門的なおどろおどろしい闇の部分など、TRPGで遊びやすい豊富なシナリオフックが揃っています。
少し時代がくだって応仁の乱を過ぎたあたりから武士中心のマッチョな世の中で魔法フレーバーが弱まる印象があるので、個人的には飛鳥~平安中期くらいがシナリオ的に料理しやすい良い時代だなと思っています。
古くは『クトゥルフ・ワールド・ツアー』で岡本博信さんと門倉直人さんがCoCを平安時代で遊べるルールを紹介されていましたし、『シノビガミ』にも平安時代を舞台に遊ぶルールがあります。また『平安幻想夜話 鵺鏡』は、そのものずばり平安時代を舞台にしたTRPGです。中国で映画『陰陽師』が爆発的な人気という話もありますし、もっと平安時代をフィーチャーしたゲームが出てもいいんじゃないかと思うわけです。コンシューマゲームだと『仁王2』の平安時代DLCは個人的にかなり熱かった。
世界観の話はこれくらいにして、ゲームとしての『ダブルクロス』ですが、やはり第3版まで続くゲームだけあって、非常に高い完成度でバランスのとれた良いゲームだなと感じました。
この「バランス」についてもう少し詳しく言うと、同じルールでありながら、カジュアルプレイとコアなプレイのどちらのニーズにも対応できる、軽すぎず重すぎない丁度いい塩梅であるということです。やり込むと楽しいけれど最初のハードルが妙に高いゲームや、シンプルで遊びやすいけど飽きが早いゲームはたくさんありますが、このレベルでライトとヘビーの間くらい=ミドルのポジショニングに成功しているゲームは案外少ないんじゃないかと思います。
サンプルキャラがわかりやすく強いので、コンストラクションやフルスクラッチのPCと一緒でもストレス無く遊べますし、エフェクトが豊富で成長し甲斐があるので、コアなTRPGファンのヘビーな遊び方にも十分に対応できます。判定などのゲームシステムもシンプルながら、侵食率とジャーム化という制御機構のお陰で、リソース管理の遊びにプラスした物語的な(エモい)盛り上がりを作ることができます。レベルアップしていっても最終的には侵食率というルールがある以上、エフェクトをバカスカ撃つことはできないというのも、ゲームバランスを安定させる素晴らしい発明だと思います。
…などと手放しで絶賛しているくせに、実はダブルクロスをそんなにたくさん遊んだことがないので(最初の版から単発セッションで5~6回くらいかな…)、今更ながらちょっと腰を据えて遊んでみたいなと思った次第。モノドラコさんとかで卓を立てるかもしれないので、その時は一緒に遊んでやってくださいね!