立川のキング・クリムゾン

今宵の担当noriです。

観てきましたよ。

これが最後と言われているキング・クリムゾンの来日公演、クリムソンを観るのは26年ぶり2回目です。

26年前は90年代での再結成、メンバーはロバート・フリップ(g)、エイドリアン・ブリュー(g.vo)、トニー・レヴィン(b,stick)、トレイ・ガン(stick)、ビル・ブラッフォード(ds)、パット・マステロット(ds)というギター、ベース（あるいはその役割）、ドラムが2名づついるダブル・トリオでした。

この時は3度目の来日で再結成後10年ぶりの来日だったんですね。

この間に始動して解散したシルヴィアン・フリップの92年と93年の来日公演を観ていたのでそんな気がしませんでした。さらに前述のダブル・トリオにはシルヴィアン・フリップに参加したフリップ、トレイ・ガン、パット・マステロットの3名が含まれていたのである意味再結成クリムゾンのプロトタイプでもあったので、ますますそんな気がしていたのですね。（一説によるとデヴィッド・シルヴィアンをヴォーカルに迎えてキング・クリムゾンを再結成しようとフリップは企てていたようですが、シルヴィアンに固辞されたそうです）

大分話がそれました（すいません）。今回のメンバーで26年前にもいたのはリーダーのフリップ、80年以降クリムゾンの重鎮、トニー・レヴィン、その時は新顔だったパット・マステロットの3名。エイドリアン・ブリューはいません、26年前のツアー後脱退し、ミュージシャンも引退したビル・ブラッフォードももちろんいません。

2015年と2018年に現在の体制、フリップに加え、ジャッコ・ジャクジク(g,vo)、パット以外に2名のドラマー、つまりドラム3名(!)、そして往年のメンバーだったメル・コリンズがサキソフォンとフルートで参加した７名で来日公演を行ってます。

フリップがキャリアの総括というかまとめに入ったようで、80年の再結成以降封印していた70年代のクリムゾン（いわゆる旧制クリムゾン）の代表曲もジャンジャン演奏しました。「21世紀の・・・」なんかはこの時に日本で初めて演奏されました。ドラムの一名が急逝により交代しましたが、今回は2015年、2018年のツアーとほとんど同じコンセプト、内容です。

21世紀になってからは「これが最後かも」と思いながらも観に行きませんでしたが・・・

今回は立川に来たんですよ！

ロバート・フリップが！トニー・レヴィンが！メル・コリンズが！

立川に来るんです！

三多摩の生まれとして、これはお迎えしたくてはと思いました。

あと、メル・コリンズも観たことなかったし、トニーのインタヴューでもこれが最後の来日公演のようだったので、本日観に行かせていただきました、立川じゃなかったら行かなかっただろうな。

詳しいセットリストや内容は色々なサイトで見られると思いますので、ワタシが気がついたこと、感動したことを。

トリプル・ドラムは意味がある

ずっと気を衒ってドラムを3名にしていると思っていましたが、生で観て3名ドラムがいる意味を感じました。ドラム3名といっても1名は半分くらキーボードを担当するので、実際にトリプル・ドラムになるのは半分くらいです。しかも3名がずっと一緒に叩くわけではなく、場面ごとに一人だけ、二人だけ、三人とも、とヴァリエーションを持たせています。またトリプル・ドラムの際は3人が好き勝手に叩いているのではなく、相当緻密にアレンジを決め込んでいます。

例えば今日のアンコールの最後の「Starless」では最初の歌メロではドラム一人、サックス・ソロ前の盛り上げでドラム三人になるなど（ここは凄く良かった）非常に効果的にアレンジされていました。

セットリストがベタで良かった

トニーのインタビューによるとクリムゾンは何種類かのセットリストのパターンを持っていて、ライヴ当日の朝食時にフリップより発表があるそうです。立川は初公演ということで（もう来ることもないでしょうが）かなりベタというかサービス精神満載のセットリストだったように思いました。

ファースト・セット中盤での「The Court of Crimson King」を皮切りに「Red」、「One More Red Nightmare」、「 Epitaph」と旧制時代の代表曲を立て続けに演奏し、最後は「21世紀」で締め、セカンドでは「Part II」、「Island」を演奏し、アンコールのラストが「Starless」と、ワタシ的には聞きたい曲全て聞けた感じです。

写真タイムがあった

当然、録音・録画・写真撮影禁止なのですが、「全ての演奏が終了したあと、ベースのトニー・レヴィンがカメラを出しますので、その時間のみスマホでの撮影を許可します。」ということでした。

客席のみんなが撮影してますね（笑）

メンバー全員が掃けた後、ロバート・フリップだけがステージに残り、深くお辞儀をしてステージを後にしました。やはり最後の来日公演なのでしょうかね。

今回の会場STAGE GARDENは最近できたホールのようです。IKEAの向かいにあります。会場までの道がこんなにオシャレになってました。

立川って今はこんな感じなんですね。

今日の一曲：King Crimson / Starless (2015)

前述の通り、ドラマーが一名交代していますが今夜のライヴと同じ編成による2015年の高松でのライヴが公式チャンネルにあります。

今宵はアンコールの最後に演奏したワタシの好きな「Starless」を。

今宵の担当：nori