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タヌキの親子見聞録 ~高野山編⑤~奈良(飛鳥)
第1章 飛鳥駅で腹ごしらえ
近鉄吉野線の吉野駅から約40分電車に揺られて飛鳥駅に到着した。天気は灰色の雲が浮かんでいて青い空が見えないが、傘はいらない空模様だった。
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飛鳥に到着したのは1時半前で、そこからはレンタサイクルで古墳等を回るため、駅で手早くお昼ご飯を食べることにした。飛鳥駅は、開放的な駅で、冬だったら寒かっただろうが、4月上旬のその日は、曇り空でも温かく、駅舎のベンチに腰掛けて、さっき吉野で購入した「やっこ」の柿の葉寿司と、残っているスティックパン二本を食べた。柿の葉寿司は、鮭と鯖の2種類で、みんながそれぞれ一つずつ食べて、残りの二つを、兄ダヌキと弟ダヌキが食べることになった。
「オレ、鮭のやつがいい」
と、兄ダヌキが言うと、弟ダヌキも、
「オレだって鮭がいい」
と言い、じゃんけんで決めることにした。
「最初はグー、じゃんけんぽん!」
食べ物に関しての勝負は、兄ダヌキは強い。みごとに勝って、鮭の柿の葉寿司を手にした。一方、弟は、負けたけれどさほど悔しがらずに、鯖の柿の葉寿司を食べている。
「鯖の方が美味しいかも」
弟ダヌキは、あまり好き嫌いが無いので、何でも美味しく頂けるのだ。「だったらなんでじゃんけんしたんだ」と思いながら、母ダヌキは弟ダヌキが最後まで美味しそうに食べるのを見ていた。母ダヌキも父ダヌキも、昼ご飯が柿の葉寿司2つと、大の大人には少なすぎる量だったので、
「もうひと箱買っても良かったね」
と、物足りないお腹をさすりながら言った。
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レンタサイクルは、駅前にある「明日香レンタサイクル」というところで借りた。平日午前9時から午後5時まで900円で貸してくれる。電気自転車だと1500円になる。
「普通の自転車でいいです」
すぐに父ダヌキは答えた。実質午後2時前からレンタルスタートで、約3時間しか乗れない。それだけの時間しかないのに1500円も払いたくなかった。
「では、安全運転で行って来て下さい」
レンタサイクル屋の主人は、レンタサイクルのモデルコースや飛鳥周辺の観光地図が載ったチラシを渡しながら言った。
「よし、最初に一番近いところにある高松塚古墳に行こう!」
方向感覚が家族の中で一番いい父ダヌキを先頭に、弟ダヌキ、兄ダヌキ、母ダヌキが後ろに連なって、飛鳥駅前から自転車で出発した。
第2章 迷いダヌキ
レンタサイクル店から高松塚古墳までは10分もかからなかった。久しぶり(約2年ぶり)に乗る自転車を、母ダヌキは最初、恐る恐る漕いでいたが、勘を取り戻したのか、国営飛鳥歴史公園高松塚周辺地区に入る頃には、立ち漕ぎをして、
「ほら見て!まだまだやれるよ!」
と、自慢げに子ダヌキたちに向かって叫んでいた。
高松塚古墳は、公園のちょっとした小山のような感じでそこにあった。小山の周りには柵がしてあり、歩いて周囲を見学できるようになっており、木が植えられたりして、本当に公園にしか見えなかった。
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その小山の側に、高松塚壁画館があった。壁画は国宝に指定されており、保存上いっさい公開されないので、この壁画館で忠実な模写・模造をが展示されている。
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「あっ!教科書で見たやつだ」
母ダヌキが言うと、父ダヌキもうなずいた。兄ダヌキも見たことがあるらしく、色鮮やかに再現された壁画を興味深く見ていた。
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「天井には星座が書かれてたんだね」
教科書では知ることのできない、高松塚古墳を知ることができ、満足して次の目的地の石舞台古墳へ自転車を走らせた。
石舞台古墳へは、レンタサイクル店でもらった地図ではよくわからなかった。多分こっちが古墳への近道だろうと思われる方角へ行くと、どんどんと家が無くなって山ばかりになり、案内の看板はどこにも出ておらずタヌキたちは不安になってきた。
「こっちで本当に合ってるの?」
午後5時というレンタサイクル返却時間を考えると、迷っている余裕はないのだが、どう考えても思っていた道とは違う方向へ進んでしまったようだった。
「どうする?引き返す?」
迷いダヌキたちが不安でざわざわし始めた時に、前方にビニールハウスがたくさん建っているのが見えた。そのハウスの前には、いちご狩りの看板があった。
「石舞台はどこ?」
先頭の父ダヌキが、自転車を止めて地図を確認していると、ビニールハウスの人と思しき女性がハウスから出てきたので、石舞台古墳への道を聞いてみることにした。
「えっ!?石舞台に行かれるの?」
その女性の表情から、明らかにタヌキたちの行こうとしている道が間違っていることがわかった。
「このままこっちへ真っ直ぐ行くと左手に坂道があるから、それを上って行けば石舞台の方に行けますよ」
と、教えてくれたので、ビニールハウスの横を通って、地獄のような坂道を、自転車を押して上がった。
「電気自転車にしとけばよかったかも・・・」
タヌキたちは、ゼイゼイと肩で息をしながらようやく坂道を上りきると、本道から左手に分かれる急な坂道を見つけた。
「この道を下って行けば石舞台の方へ行ける」
父ダヌキが地図をチェックしてそういうので、他のタヌキたちは信じてそれに従った。
「ひゃほー!」
「うわっ!こわっ!」
父ダヌキを先頭に、兄ダヌキ、弟ダヌキ、母ダヌキはうねる坂道を下って行った。
第3章 巨石と桜とソフトクリーム
坂道を下りながら新しげな明日香村役場を横目に進むと道路に突き当たり、その道を右に行くと国営飛鳥歴史公園石舞台地区へ向かうことができた。道中、大きなお寺があるので、何かと見てみると、聖徳太子誕生の地(橘寺)とある。とても気になったが、とりあえず石舞台に行くことにし、帰りに時間があれば寄ってみることにした。石舞台古墳の周りには、お土産屋さんや広い駐車場、駐輪場があり、平日の木曜日というのに、交通整理のおじさんがついていないとならないほど車や自転車での観光客が多かった。タヌキたちも交通整理のおじさんに導かれて駐輪場に自転車を置くと、石舞台古墳へと向かった。
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受付で大人300円、学生100円の入場料を払うと、入ってすぐに芝生の台地の上の真ん中に大きな石が6~7個かたまって置いてあるのが見えた。その周りを満開の桜が囲むように咲いている。
「これも教科書で見たことあるやつだね」
タヌキたちは階段を上って台地の上に上がると、大きな石が重なって置いてあるところまで歩いた。
「こんな大きな石どこから持って来て、どうやって重ねたんかねぇ」
タヌキたちはペタペタと石を触りながら、昔の人がどうやって作ったのか考えたが、説明板に書いてあるのを見たりしても、実際に本当にそうやって作ることができたのか疑わしいくらい大きな石だった。
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「中に入ってみたい」
母ダヌキが言うと、タヌキたちは石舞台の中がどんなふうになっているか見るために下に向かった。中の壁になっている石の大きさは、高さが2m以上あった。
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母ダヌキが石舞台古墳の中を見学していると、
「おっかあ」
と、呼ぶ声がする。上部の石の隙間から覗いている影が、光の中からまた呼んだ。
「おっかあ、ここよ」
石舞台古墳の中が暗いのと、隙間から入る光が眩しいのとで、隙間から覗いている者の姿がよく見えないが、声の主は間違いなく弟ダヌキだった。
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呼ばれて外に出て見ると、曇って薄暗かった空が少し明るく感じられた。周りを取り囲む桜は、昔からあったものではないのかもしれないが、なんだか昔の人もこの石舞台古墳と桜を肴に、花見で一杯やっていたんじゃないかと思えるような、風流な景色だった。
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薄曇りの空のくせに温かく、石舞台古墳を探して急な坂道を、自転車を押して登ったりしたので、タヌキたちは喉が渇いていた。それなので、ソフトクリームと書いてある旗が、石舞台の側にある「明日香の夢市」というお土産物屋さんの前にたなびいているのを見て、母ダヌキはすぐ飛びついた。
「あれ食べていこう」
子ダヌキたちに栄養補給をさせる名目で、父母ダヌキも少し味見をさせてもらって英気を養った。弟ダヌキの注文したバニラアイスクリームは、想像通りの味だったが、兄ダヌキの注文した桜ソフトクリームは、桜でもさくらんぼでもない、何と言っていいかわからない味であったが、バニラよりも少し水分が多いのかさっぱりとした後味だった。
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午後3時半を少し過ぎてようやくソフトクリームを食べ切ると、タヌキたちは次の目的地の飛鳥寺へ向かって自転車を漕いだ。
第4章 シルクロードの終着点、日本の起点 飛鳥寺
石舞台古墳から自転車で飛鳥寺に向かう頃には、レンタサイクルの乗り方も様になっているタヌキたちだった。車があまり通らない道をもっとのんびりサイクリングしたかったのだが、自転車の返却時間が迫っていた。
「あっ!あれだよ!」
広い駐車場の向こうに、満開の桜の木と立派な門があり、「飛鳥大佛」と味わい深い字で彫られた標石が建ててあった。空は曇ったままだったが、ぬるく温かい風が、急がないとならないタヌキたちの気分を麻痺させた。
「きれいに咲いてるね」
これまでで一番よく咲いている桜だったのではないだろうか。タヌキたちは飛鳥寺へすぐには入らず、門の前で桜を見上げて、春の飛鳥を堪能した。
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土塀沿いに建ててある説明板には、この飛鳥寺が佛法のシルクロードの終着点であり、日本のおける佛法の起点となった重要な場所であることが書かれていた。
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この飛鳥寺は、本格的な伽藍を備えた日本最初の仏教寺院であり、本堂には日本最古と言われる釈迦如来像(飛鳥大仏)が少し右を向いて座ってらっしゃる。タヌキたちがご本尊にお参りするために本堂へ入ると、その中には先に入っていた観光客が、カセットテープで流れる飛鳥寺の説明を聞きながら、日本最古の飛鳥大仏と対面していた。タヌキたちも、せっかくなので、飛鳥大仏と対面して、最初からカセットテープから流れる説明を聞いた。
飛鳥大仏はTVなどでよく見て、一度は見てみたいと思ってはいた。でも、タヌキたちの住むところから飛鳥寺まではアクセスが少し困難なため、なかなか行くことは出来なかった念願の大仏である。まじまじと見ていると、お寺の方から写真撮影可と聞き、父ダヌキはびっくりした。このような貴重な仏像は写真撮影不可が多いのに、何でだろうと思いつつ、とにかく写真を撮ったのであった。
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説明を聞き終えるとお賽銭をお供えし、両脇の阿弥陀如来像と聖徳太子孝養像とを拝んで、外にある飛鳥寺西門跡を見に行った。この門のところに大化の改新で中大兄皇子らによって打ち取られた蘇我入鹿の首塚があった。当時、この西門の側にあった「欅の木の広場」で開かれた蹴鞠大会で、中臣鎌足が中大兄皇子と出会い、天皇をもしのぐ絶大な権力を持っていた蘇我入鹿を討たなくてはならない意気投合し、その後、大化の改新をなしとげたとあった。蘇我入鹿の首は飛鳥宮からこの西門まで飛んできたという伝説があり、相当な魔力を持った人物と思われていたらしい。
「ここが歴史で有名な大化の改新に深く関係のある場所なのだ」
その土地を踏みしめていると、歴史の教科書でしか読んだことがないことでも、現実世界で実際に起こった出来事なのだと実感せずにはいられない母ダヌキであった。
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「早くしないと、万葉文化館を見る時間が無くなっちゃうよ」
父ダヌキに言われて、飛鳥寺に戻ると、もう一度よく咲いている門前の桜を眺めて、すぐ近くにある奈良県立万葉文化館へ向かった。
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第5章 もっといたかった万葉文化館
奈良県立万葉文化館は思っていたよりもすごく立派な建物だった。入ってすぐ、4~5人のボランティアガイドの方たちが座っていた。
「ガイドはいかがですか?」
と、聞かれたが時間が無いので、館内の案内図をもらってすぐに地下一階の万葉世界を体験できる部屋に向かった。そこには、古代の市がどんなところか体験出来たり、劇場があって、映像やアニメで万葉世界につて勉強出来たり、とても30分ではまわりきれない内容だった。特にタヌキたちが気に入ったのは「さやけしルーム」という、万葉人が見聞きしたであろう星空の光や水の流れや鳥の鳴く声など、個室のようなブースに一つずつ置いてあるゆったりとしたソファに座って体験できる空間だ。
「もっとここに座っていたい!」
一日目は雨に降られ子ダヌキたちの靴や服を乾かさなくてはならず、二日目は朝から吉野の桜と飛鳥の古墳でギュウギュウ詰めのスケジュールに疲れていた母ダヌキは、「さやけしルーム」のソファから離れるのが嫌だった。しかし、時刻は4時半をまわり、午後5時までにレンタサイクルを返却するとなると、もう万葉文化館を出なくては間に合いそうにない。
「行くよ!」
「ニンテンドー大阪!」
「ポケモンセンター!」
他のタヌキたちに急かされて「さやけしルーム」から出ると、父ダヌキは、どの道を行けば一番早く飛鳥駅へ着けるのか、万葉文化館の職員に確認して地上へ向かった。
玄関を出ると、右手にお土産屋さんが見えた。「飛鳥の郷 万葉人」というその店の前に、「飛鳥の蘇」という看板が置いてあるのを見ると、
「ちょっと見ていきたい‼」
母ダヌキは、時間が無いのは承知でお土産屋さんに入った。父ダヌキも仕方がないので、
「仕方ない。もう来ることがないかもしれないから5分だけだよ」
と、渋々ついてお店に入った。
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母ダヌキは、古代チーズの「蘇」というものがどんなものか以前から食べて見たかった。あれば購入したかったが、品物は売り切れで、冷蔵庫の中を見ると、味見用のタッパーが置いてあった。
「せっかくここまで来たんだから」
母ダヌキは、「蘇」の味を確かめるためにひとかけ口に入れた。父ダヌキも、母ダヌキに倣って口に入れた。
「なんかキャラメルみたいな味だね」
「チーズじゃないね。でも美味しい」
値段は80gで1000円と、なかなかいいお値段だった。観光客は、母ダヌキと同様に、この「飛鳥の蘇」を目当てにやってくるのだろう。
「販売者が今日、夕方までに持って来れれば、持ってくると言っていたけど、もう今日は持って来られないでしょう。入荷は明日の朝になります」
お店の人がそう教えてくれたので、
「味見だけでも出来て良かった」
と、お礼を言ってお店を出ると駐輪場まで走って向かい、飛鳥駅へ急いだ。
飛鳥駅までは10分もかからなかった。ただ、道の状態が悪いところがあり、途中何度か、レンタサイクルの籠から、貰ったパンフレットや地図などの荷物が飛び出しそうなほどガタガタと揺れながら坂道を下らなくてはならず、みんなの荷物を預かっていた母ダヌキは、2~3度肝を冷やした。
ガタガタ道にも負けずに、一生懸命自転車を漕いだタヌキたちは、午後5時の5分前にレンタサイクルを返却することができ、予定通り午後5時25分発の大阪方面へ向かう電車に乗ることができた。
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「ようやくポケモンセンターに行ける!」
「ニンテンドー大阪にも行ける!」
弟ダヌキと兄ダヌキは、ここからが本番といった様子で、電車が来るまでに持参していたお菓子を食べると、大阪のポケモンセンターとニンテンドー大阪に着いたら、何を買おうか嬉しそうに思案し始めた。