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タヌキの親子見聞録 ~萩往還編~

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萩往還とは、江戸への参勤交代での御成道として開かれた、日本海に面した萩城下町(萩市)から瀬戸内海の海港・三田尻(防府市)までを結ぶ、全長約53㎞の街道。たぬきの親子による歩破記録。
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2023年4月の記事一覧

タヌキの親子見聞録 ~萩往還編③~ 佐々並市~明木市

第1章 憧れの一升谷の石畳  2022年8月7日日曜日は朝からいい天気であった。タヌキ一家は、父も母も仕事が休みのため、萩往還第3弾となる佐々並市から明木市のルートを本日決行することとした。このルートは、母ダヌキが一番歩きたいと思っていた「一升谷の石畳」がある。香山公園前観光案内所でもらったパンフレット「歴史の道 萩往還 ルートマップ」の3・4ページにも一番大きな写真で載っており、今から歩いた感じがどんなふうかワクワクしている。 朝9時に佐々並市の西岸寺駐車場に降り立つと

タヌキの親子見聞録 ~萩往還編~ 外伝

タヌキの親子見聞録 ~萩往還編②~ 国境の碑~佐々並市

第1章 父ダヌキも応援する  2022年7月29日に萩往還(天花坂口~国境の碑)を歩いたタヌキ親子は、萩往還を攻略すべく、次の機会を虎視眈々と狙っていた。というと、タヌキ一家が全員乗り気だったように思われるだろうが、実際は母ダヌキ一人が、せっかくの夏休みにどこにも行けず、何もしないまま過ごしてはならないと計画を練っていた。しかし前回の旅で痛感したのが、帰り道の辛さである。せっかく目標まで歩き切ったのに、出発点に戻らなければならないというのは、時間的にも体力的にも無駄に思われ

タヌキの親子見聞録 ~萩往還編①~ 天花坂口~国境の碑

第1章 タヌキの親子 萩往還を知る  コロナ禍も3年目に突入した2022年7月。山口市の片隅に住むタヌキの一家は、「今年の夏も何の思い出作りもしないまま過ごしてしまうのか」と、せっかくの夏休みを持て余していた。山口には海も山もあるが、近場の海や山は、昨年の春休み・夏休み・冬休みに行き尽くした感があった。「コロナ禍であって、県外へは出られないが、近場で少し趣向を変えたものを体験させてやりたい」と母ダヌキは考えていた。そんなときに、目にしたのが「歴史の道 萩往還 ルートマップ」