風雲ぬかづけ録1 「もみーな」はいいぞ編
たぬきの家にはぬか床がなかったらしい。
くまの家では祖母が専業主婦で、ぬか漬けは日常食であった。まぁそれはいい。
問題は、目下ずぶの素人ながらぬか漬けという底しれぬ沼に挑んでいるたぬきが、ぬか漬けというカルチャーの、まったくの門外漢であったことだ。
我が家では、ぬかどこの担当はたぬきである。くまはああいうねとねとしたものは好かない(なので、くまはパンもハンバーグもこねられないし、幼少期には泥団子遊びをしたこともなかった)。それゆえ当家では、もっぱらたぬきが、ぬか