[アラフィフ読書日記] 死なれちゃったあとで 前田隆弘
雑誌クロワッサンで紹介されていて、タイトルが気になった。
死別の本はたくさんあって、色々読んできたけれど、「死なれちゃった」というのが、置いて行かれた感と、重くなりすぎない感が絶妙にブレンドされていて、タイトルでここまで魅かれたのは初めてかもしれない。
他の本は死にについて考えたい時に読みたいと思うけれど、この本は生きることを考えたい時に読みたいかも。
数々の周りの方の死が描かれていて、状況も心にずんとくる感じもそれぞれに違うのだけれど、お父さんの話が一番しみわたった。
死そのものとは関連しなくても、その人が死んだことによって起きた、どうでもいいシーンも鮮明に覚えていて、そういった死の周りの部分も書かれていて、しかも、なんか面白みさえ感じさせるのが秀逸。
自分なりにその人の死をとらえて悼む、そんな真摯な想いや行動が心地よい本。