サンクトペテルブルクの夜を知らない5
要塞からの帰りの船着場で夫が突然、この先の街に行ってみよう、と言った。
私たちは初めに来た船着場には戻らず、街へと向かった。
船が着いたシュリッセリブルクは本当にのんびりとした小さな町で、私たちは小さなショッピングセンターに入っているファストフード店(大盛況だった)でピザを頼み、お昼にした。
なにやら思案顔で携帯を見ていた夫が「近くに戦車の博物館があるって地図に出てるから行ってもいい?」と言い、私たちは戦車だか戦艦だかの砲塔がごろごろしている公園を抜け、バス停へと歩いて行っ