【彼の記録、彼方から。】2018/05/01
いつものバーに行くと、一足先にエヌが一番奥のカウンター席に座っていた。
その日、エヌは山手線大塚駅近くのバッティングセンターに行ったらしい。
人もまばらな閑散とした真昼間のバッティングセンターで、黙々とバットを振り続けたと言っていた。
その日、エヌは有給休暇を取ってのんびりとしていたらしい。
有給を取ってまでして、なぜバッティングセンターに足を運んだかは謎だ。
きっとエヌのことだから、理由なんてないのだろう。
ただ、なんとなくそういう気分だったからそうした。
そういう男だ。