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路肩で焼き肉
沖縄の食は総じてお安い印象がある。特にお肉は質が良く安い。
ちょっと横道なのだが、この間、東京のスーパーでスパム、しかも減塩が千円で売っていて腰を抜かした。いくら物価高と言えどもこれはないのではないか ?
何回も例に出して恐縮なのだが、某全国展開の焼肉チェーンは同じお値段で明らかに肉の質が違う。
沖縄には飲んだ後にステーキという文化があるが、これも納得できる。ステーキという言葉の響きだけで高級品という印象がある"ないち"からするとどうも脳がバグる。
最近は「いきなり」とか「やっぱり」とかもお店を増やしていてハードルはかなり下がったと言えども居酒屋の帰りには、やっぱり、いきなり、ステーキを食べないのである。
かく言うわたしはステーキは食さないのだが ( 胃腸が丈夫ではないので、食べると全精力を消化に発動することになってしまう)、焼き肉、すき焼き、しゃぶしゃぶは大好き。特に焼き肉はビールを飲みながらちびちびと自分のペースで焼き、食す。これが至福の時間だ。
もちろんひとりでも行く。
先日、北谷のアメリカンビレッジにある路面の焼肉屋さんに行ってみた。
ここのお店なのだが店内の概念が無く、厨房=店舗で外、即、客席である。店内でなく店外。もちろん雨よけのひさしはあるので突然の風雨がよくある中でこれは重要。そしていつも賑わっていて、いつも遠巻きに見ていた。
前を通るたびに肉の焼けるいい匂いに誘われるが、煙が上がっていると言う事はすなわち満席、入店できないということだ。
最近は煙が上がっていなくとも前を通るとおなかがぐうと鳴るようになってしまった。でもそれは開店前かお休みと言う事。
難儀である。
二の足を踏んでいたのはもうひとつ理由があって、通りから見えるメニューが和牛のオンパレードで、お値段的に敷居が高かったせいもある。
あとお値段は書いてあるけど、一皿どれくらいの量なのかもわからない。
野外で食べたり飲んだりするのが大好きで、それは公園にお弁当を持って行って食べたり、ビーチサイドで飲んだり。その点、アメリカンビレッジはオープンデッキのあるお店がたくさんあるので、とてもうれしい。しかも海を眺めたり、ときには陽が沈むところも見ることが出来る。
サイコーだ。
お店でなくともオリオンとポーたま買って海を眺めながら食べるとかも良い。
で、話は戻って様々な思いを抱えた中、ようやくかの焼き肉さんに食べに行ってみることにした。
その日は土曜だったので花火もあるし、サンセットの時間もあるゴールデンタイムにぶつかると争奪戦に巻き込まれてしまうと思い、開店時間に合わせて予約を入れた。
「予約した・・」
「お待ちしてました、こちらでお願いします」
あれ ?
なんかとてもフレンドリーで安心できる接客だ。
「このQRを読み込んでスマホでご注文をお願いします」
なにっ ? これも想定外だった。
なにしろ店構えもPOPも縁日のお店みたいな雰囲気だったので、こんな接客もQRもまったく予想していなかった。けっこう好きになっちゃうかも。
クーポンをもらっていたので提示した。
これが「二杯目以降ワンドリンクサービス」というもので、ちゃんと読めば理解できるけど、意表を突いたサービスでまたびっくり。
一杯飲んだら次のドリンクは一杯タダということだろう。
オリオンが運ばれてくると乾杯と同時に、指先はスマホの画面を連打し、続々と注文。
お高いお肉を避けてどんどん注文。アルコールが入るとさらに画面よ砕けよ ! とばかりに連打。
いや、なかなか良いじゃないか。もっと早く来てれば良かったなぁ。
少し余裕が出てくると周囲が気になる。
「こちら和牛上ロースです」
なにっ ? 富豪が隣席に居る ?
周りを見渡すと日本人が一組も居ないではないか。
どのテーブルも裕福なアジアの方々ばかり。
えーっ ?
キミたち、ステーキじゃないの ?
これも”ないち”の「ステーキは高級」イメージからくるもの?何だろう、欧米の方々はステーキで、焼肉はアジアの観光客と好みの住み分けが出来ているのだろうか。
次々に運ばれてくる高価なお肉。
もちろん隣席に。
うらやましいなぁ・・。
こちらはサイフが気になって萎縮、お野菜とかキャベツとかがテーブルにあふれているのに。
まあ、どんどん食べてくれたまえ。そして日本の経済活性化に一役かってて下さい。
おっ、陽が沈み始めたのでゴールデンタイムの始まりだ。
食べ終わったら海岸まで行って花火を見ようかな。