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百人一首08/私は私の領域展開

こんにちわ。
狸と猫です🐈‍⬛🐈

私が作る百人一首は、一千年前の和歌を作った100人の彼らの歌を読み解き、噛み砕き、「今」の感情に置き換えてことばと絵に描きおろしています。

百人一首との出会いや、それらがラブレターのようである!という熱い熱い想いは是非こちらを読んでください


今日は8番の喜撰法師(きせんほうし)の和歌を、どのように捉えて噛み砕き、絵とことばに描きおろしたことについてのお話しを少し。(読んでくれたら嬉しい!)
この歌は現代の今でも共感する人は多いんじゃないかな、と思う。

ことばと絵で一千年前の「今」を謳う百人一首/08番

08番.歌の意味と解釈

No.08
わが庵は 都のたつみ しかぞすむ
世をうぢ山と 人はいふなり
喜撰法師

▼歌意
私の庵は都の東南にあり、辺りには鹿もいるほど寂しいが、これこの通り静かに暮らしている。それなのに人は私を世の中をつらいと思って宇治に遁れていると言っているそうだ。

嵯峨嵐山文華館より

もっと分かりやすく噛み砕いて訳すると、彼は都から遠く離れたど田舎へ引っ越した。周りにはなにもなく、居るのは鹿くらい🦌
周りの景色は寂しいものがあるが、静かに平穏に暮らしている。

そんな彼を世間の人は「あいつ、世の中が嫌になって隠居したらしいっすよ。」「えー、寂しい人だねぇ」などと、勝手に世間から逃げた可哀想な人という偶像を作り上げる。

ただ静かにのんびり暮らしているだけなのに、どうして他人は勝手にストーリーを作り上げ押し付けるのか。

この歌の意味を知った時に、無性に静かな怒りが湧いた。
私が私であると同時に、誰かにとっての「私」が必ず存在する。
その、「誰かにとっての私」からイメージが外れる行動や生活をしたら、「ほんとは寂しいんだよね?」「あなたらしくないね」 と言われたとき、とてつもない違和感を感じた。誰がなんと言おうと私は私なのに。という違和感だった。


08番.狸オリジナルの解釈とことば

▼狸/オリジナル解釈

ここから一歩も通さない
誰の声も届かない
友達も恋人も入れない
私が静かに熱を蓄えるこの場所は
誰の哀しみも踏み込めない

静かな怒りを放ち、領域展開する黒猫


08番 狸版イラスト/歌意

威嚇する黒猫

この歌をイラストで表現したのは、静かな空間の中で虚無の表情をした女の子。(完全にモデルは私。)
その膝の上に愛猫が乗っているけれど、その猫は決してくつろいでるわけではなく、ぼーっとしている私を守っている。

呪術廻戦を見ている人は、領域展開、さらに生得領域(心の中の世界のこと)をイメージして欲しい。
俺はエヴァ派だ!という方はATフィールドでイメージすると分かりやすいかと思います。

周りからとやかく言われ、私は領域展開内の中に閉じこもっており、私の相棒である黒猫が膝の上で微かに威嚇している。
ただひたすらに自分の再生を試みている私をじっと守ってくれている。

現代和訳の方のイラストは黒猫のみにして、さらなる威嚇を描きました。
黒猫は怒っている。これ以上入ってくるなと、シャー!!と威嚇している。
これは私の感情そのものを表現しました。

私はこの歌を読み解くとき、きっと少し怒っていたんだと思います。実際にこの和歌を歌った喜撰法師(きせんほうし)は何を思ってどのように感じたのかは分からない。私には「怒りの歌、自分の再生の歌」と届きました。

この歌を聴いて、私の絵を見てこれを見てくれた方がどのように感じるか、その余白の自由さが「百人一首」の面白いところ。



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