見出し画像

中国の急性呼吸器感染症の状況(2025年1週)

中国CDC中国疾病預防控制中心)のホームページから、冬に流行する急性呼吸器感染症の状況を中国語学習のついでにまとめてみました。検査の陽性率は出ているけどいくつ検査したのか(n)がわからない。中国はとても広いから北部と南部で流行している少し流行状況が違うのも興味深いです。

中国でヒトメタニューモウイルスが増えたことを「未知のウイルス」と誤った見出しが一部の報道に見られますが、ヒトメタニューモウイルス既知のウイルス


2025年第1週(12月30日〜1月5日、1月9日に発表)、香港、マカオと台湾を除く中国全国のサーベイランス病院(哨点)から収集した外来患者と救急外来のインフルエンザ様疾患患者、および入院の重症急性呼吸器感染症患者の呼吸器サンプルを検査( 新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルス、ヒトコロナウイルス、ボカウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルス、マイコプラズマが含まれる)。

https://www.chinacdc.cn/jksj/jksj04_14275/202501/t20250109_303780.html


検査結果
インフルエンザ様症状を訴える患者の呼吸器サンプルから検出された主な病原体は、インフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ライノウイルス。 重症急性呼吸器感染症を患う患者(入院例)の呼吸器サンプルから検出された主な病原体は、インフルエンザウイルス、マイコプラズマ感染症、ヒトメタニューモウイルス。

分析結果
急性呼吸器感染症は全体として上昇傾向にあり、病原体によって感染の傾向に違いがあることが示されている。インフルエンザ(流感病毒)は一般的に流行期にあり、インフルエンザウイルスの陽性率は急速に上昇。そのうち、全国の外来診療におけるインフルエンザ様疾患患者のインフルエンザウイルスの陽性率は、先週と比較して3.8%上昇。インフルエンザの流行の程度は地域によって異なり、北部の地域ではやや増加していますが、前年同期よりも低い水準。0~4歳小児のRSウイルス(呼吸道合胞病毒)陽性率は上昇傾向。

外来患者の呼吸器感染症の推移。インフルエンザが流行していて、次にヒトメタニューモウイルス、RSウイルスと続く(日本は春夏くらいにヒトメタニューモウイルスが増えてたような気がする)。
話題になっているヒトメタニューモウイルス(人偏肺病毒)は横ばい。入院例の陽性率は先週に比べて低下傾向。ライノウイルス、アデノウイルス、およびマイコプラズマ肺炎の陽性率は低下。新型コロナウイルス(新型冠状病毒)も低水準の流行状況。


外来と救急外来
入院例

日本もヒトメタニューモウイルスの迅速検査はできるけど、保険適応になるのは6歳未満の小児。そのため、6歳以降の小児や成人でどのくらいヒトメタニューモウイルス感染例があるのかはまとまったデータはないと思う。