高校生に伝えたい世界史学習の本質
僕は低偏差値高校から早稲田大学、青山学院大学、法政大学、学習院大学に合格した。最も苦手だった科目は世界史だった。偏差値は最も低い時で38。時間を割いて勉強したつもりでいたが、結局現役で世界史の成績を伸ばす事は出来ず、浪人する事にした。大手予備校の有名な先生から直接教わったり自分で情報収集をする中で、僕は受験世界史の本質に気付いた。それは、
偏差値を伸ばして志望校に合格するには、問題を解くしか無いという事だ。
教科書を流し読みして理解した気になっている人、分厚い一問一答をやって知識だけ増えていく人、ハッキリ言う。
めちゃくちゃ危ない。
その勉強は本当に成績向上に結びついているか?その方法で2ヶ月やって効果を感じられないなら危機意識を持って次の策を考えた方がいい。この記事はそんな君のためのものだ。僕みたいに時間を無駄にして欲しくない。世界史の勉強で苦しんで欲しくない。そんな思いで、僕はこの記事をドトールの中で書いている。
この記事では、まず受験における世界史と日本史の特徴、そしてそれらを勉強する上でよくある誤解、最後に僕が偏差値を38から71まで伸ばした具体的な学習の進め方について話す。
世界史と日本史の簡単な違い
まず受験世界史と日本史の違いを見ていこう。世界史は共通テストレベルまでの知識量が多く、それ以降は少ない。ピラミッドの形をイメージすると分かり易い。日本史は基礎から難関大レベルまで、知識量が満遍なく広がっている。縦長の長方形をイメージすると分かり易い。
よくある誤解
僕が学習院大学の経済学部を受験した時と、その合格発表を見た時の話をしよう。受験当日、指定された教室へ向かい、席に着くと、2個前の男の子が世界史の一問一答で勉強していた。私はスマホでAmazonか何かを見ていたと思う。受験が始まり、僕は難なく問題を解き終え、帰宅した。後日、合格発表があった。学習院大学の面白いところは、合格発表が個別ではなく教室ごとに公開される点にある。つまり同じ教室に居合わせた者の合否を見ることが可能なのだ。私は合格発表を見て戦慄した。私の前後十数人がごっそり落ちているではないか。あの分厚い東進の一問一答をやっていた男の子もだ。知識量では早慶でも東大でも戦える一問一答を使っているにも関わらず、なぜ多くの受験生は志望校に受からないのか。それは、知識量「だけ」が増え、問題演習の経験が浅いまま試験会場へと向かうからだ。受験世界史は問題のパターンを知っていないと戦えない。
①正解の選択肢は簡単だが、誤答の選択肢は難しいパターン。
②誤答の選択肢は簡単だが、正解の選択肢が難しく、消去法でないと解けないパターン。
受験世界史の正誤問題はこの二つに大別される。早慶であってもだ。
裏を返せば、②のような問題は、ハイレベルな知識がなくても基礎レベルの知識で消去法で正解を導き出せるという事になる。①は基礎レベルの知識で狙い撃ちできる。
そう、どれだけ知識があるかという事は、受験世界史においては合否に結び付かないのだ。
具体的な学習の進め方
ではどうしたらいいのか?結論、問題数をこなし、それを復習して血肉化せよ。具体的にいうと、収録問題数の多い「共通テストへの道」のようなマーク式の問題集を解き、用語集を使いながら徹底的に復習するという事だ。単に解き直しただけでは復習とは言えない。その問題を見ただけで、誤答がなぜ誤答で、正解がなぜ正解なのか瞬時に判断できるまで、読み返したり解き直す事が大事だ。演習した範囲(単元)そのものに不安を感じるなら、自分が日頃使っているインプット用の参考書で該当範囲を読み直すのも有効だ。今「インプット」と言ったが、ここに時間を割きすぎると合格は遠のく。私がその実例だった。半年以上、「時代と流れで覚える〜」という参考書を毎日やっていたのに、偏差値は良くて43、悪くて38であった。上記のやり方で学習を進めた結果、マーク・記述双方で偏差値70を突破し、早稲田大学をはじめとする難関大学に合格できた。一問一答は一切使わず、インプット用の参考書1冊、用語集、「共通テストへの道」、資料集、過去問だけしか私は使わなかった。私のやり方をまず真似してみて、自分なりにアップグレードしてみても良いと思う。
最後に
ここまで読んだ君は、もう一問一答とかいう用語集の下位互換を使おうとは思わないだろう。受験直前の1月に知識の整理のために使ったり、スマホのアプリでフラッシュカード的に使うのは大いに結構だ(後者は私もやっていた)。世界史一問一答はセールス的な成功を収めているにもかかわらず、その使用者の大半が志望校に合格しない。良い参考書だからと言って、自分を志望校合格に導いてくれるとは限らないのだ。大事なのは「なぜ」「どうやって」「何のために」それを使うかだ。このような意識は、高学歴なら持っていて当然だと私は思う。一種のロジカルシンキングのようなものだ。もし難関大学に合格し、高学歴になりたいと思うなら、身の回りの全てをロジカルに批判的に検討する事から初めてみても良いかもしれない。ここまで読んでくれてありがとう。ドトールの中から、君の受験の、そして人生の成功を祈る。
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