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自分でやる浮気調査の取扱説明書 やってはいけないこと

私はパートナーの浮気の証拠を自分で集めることは賛成派です。かくいう私も探偵になる前、妻が浮気した際は自分で証拠を集めました。

商売上、我々に依頼してもらう方が良いのは当たり前ですが、お金にも時間にも人それぞれ限界があります。もし調停や裁判になったとしたら、たくさん証拠があるに越したことはないですし、もし探偵に調査を依頼するようになったとしても、その証拠が実はスムーズな調査を可能にしたり、もしくは調査が少なく済む場合もありますので、調査費用を抑えることも可能になると思います。探偵である我々の仕事は、素人の方では難しい部分をお手伝いすることが本懐だと思いますので、下記の点に注意して、どうぞ安心して自分で出来ることをやってください。

集められる証拠に限界があること

無理をしない・やり過ぎ無いこと

最低限、これを守れば比較的安全に自分で浮気調査は可能だと思います。

例えば、私はゲームが好きなのでスーパーマリオに例えてみましょう。ゲームをあまりしない初心者が、取説も見ないでゲームスタートするとどうなりますか?最初のクリボーであっさり死ぬか亀を蹴ったはいいものの、壁から跳ね返ってきて死ぬかですね。初見で1-1をクリア出来たら大したもんです。ゲームは死んでもやり直しが出来ますが、浮気調査はそうはいきません。調べていることがパートナーに気づかれた時点でゲームオーバーです。これは「説明書を見ずに、最初の1回目でクッパを倒せ」と言っているようなものですので、失敗するに決まってます。

ですが、取説をしっかり読んで、攻略法を学んだのちにプレイするとどうでしょう。1回目でクッパを倒すのは無理かもしれませんが、少なくともあっさり死ぬことは無いはずです。学べば慎重になりますし、生存率がぐっと上がるはずです。浮気調査は特に情報量が少ない分野ですので、分かりやすい説明書が必要なのだと思います。なにも情報も得ずに自分で調査すると大きな火傷をしてしまうことがありますので、ここで守るべきルールをなるべく分かりやすく説明します。

それと、よく「やってはいけないこと」という言葉が出てきますが、意味としては「難しいので失敗しやすく、バレるリスクがあまりに高い」という意味と考えて良いと思います。結果的に調査ができなくなってしまい、証拠が集められないですので、証拠がどうしても欲しい場合は避けるべきリスクと考えましょう。

まず「どこまでが自分で調査可能なのか」ですが、まずやってはいけないこと、自分ではやらない方がいいことが1つあります。それは、

尾行です。

我々はパートナーに顔がバレていませんので、尾行の際こちらの顔を見られたとしても、パートナーはまさか自分が追われているとは思わないことが多いですね。すれ違う人の一部として見られるということです。ご自分や共通の知人など顔が分かる人は尾行してはいけません。最悪はバレた時点で自分が追われていることに気がつくと思います。簡単な例を挙げれば、我々探偵はすれ違う人の一部を演じるために、こまめに帽子をかぶったり脱いだり、眼鏡を掛けたり外したり、Tシャツを何度か着替えたり、最近ではマスクの色を途中で変えたりなど、様々な方法ですれ違う人の一部になりきるように頭を使っています。そこまでしないと我々でさえ尾行に気づかれてしまうほど、人を追うというのは難しいということです。

次に尾行というのはただ人を追いかけて現場を目撃するだけでは意味がありません。しっかり決定的な瞬間を撮影して証拠に残すということが大切です。せっかくリスクを冒して尾行をする訳です。浮気しているかどうかの確認だけでは勿体ない。不測の事態を想定し、調停や裁判でも必要となる証拠をおさえた方がより効果的です。では、その証拠というのはどういったものでしょうか?ホテルに入った写真だけでOKですか?そうではありません。証拠として提出する場合には一連の流れがしっかり記録されていることが重要です。具体的な例を挙げると、会社を帰社した所から尾行を開始し、電車に乗り待ち合わせ場所へ向かう様子、浮気相手と合流する様子、その浮気相手の容姿、そこから一緒に移動してレストランで食事をする様子、レストランを出てバーへ向かう様子、バーを出てホテルに入る瞬間をおさえたら、出てくる瞬間をおさえ、その後に2人が別れて帰宅するまでの流れを時系列に正確に記録しなければなりません。その際に大事なのは、ポイントポイントでしっかり顔が撮れていることです。背中だけしか映っていなければ、「これは違う人だ」と言い逃れできるチャンスを作ってしまうからです。そしてこの「顔を撮りながら決定的瞬間を撮影する」というのが探偵の腕の見せ所ともいうべき技術が必要になり、非常に難しいことなんです。夜の薄暗いホテルに出入りする2人の顔を撮影するのに、スマホのカメラじゃ勝負になりませんし、適切な位置取りが出来ないと顔はおそか、姿さえ撮影できないと思います。このような一連の流れが記録されているものが浮気の証拠として有効になり、これを複数回行わなければならないのです。かなり大変なことが分かるかと思います。

そしてこれが一番厄介な問題なのですが、もし尾行がバレたとして、パートナーが警戒してしまった時です。ご自身が逆の立場で考えた時、この状況でも堂々と浮気相手と会いますか?警戒している人間を追うのは、プロの我々でもお手上げに近いです。それでも我々探偵はあらゆる手段で証拠を集めることができますが、ご自身で行ってバレた場合は、「もう調べられてないかも」と相手が油断するまで空白を開ける以外に方法は無いので、最低でも3ヶ月~半年、しばらく全く尾行できなくなります。その間、もちろんパートナーもあなたが浮気を調べていないかを気にしていますので、疑いの眼差しは避けられません。お互いがお互いを疑って過ごす日々は、ある意味で地獄のような息苦しさです。そんな息苦しさに耐えられず、事態が急変したという話は私も目にしています。離婚でも切り出されたりしたら目も当てられません。安易な尾行は出来るだけ行わないこと。これは守って欲しいと思います。

探偵オフィスレインボー https://detectiveoffice-rainbow.com

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