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大人だって友達を作るのはタイヘン!~「僕にはまだ友だちがいない」 中川学~
ごきげんよう。ざまたかです。「友だちがいない」「友だちが少ない」って、中学生にとっては結構な悩みだったりするようです。無理に付き合って疲れ切ってしまったりとかも。そんな話が出たときに勧める、大好きな漫画です。(もう電子版しかないのかな?)
作者の中川さんは、いろんな仕事を転々としながらくも膜下出血で倒れ、一念発起して上京・子どものころからの夢だった漫画を描き始めます。倒れた時の経緯は映画にもなった「くも漫」に描かれています。(これも面白いです)で、気が付いたら一日中ほぼ誰ともしゃべらない生活を送っていたことに気が付いて「友だちがほしい」と切実に思います。35歳、大人の友達づくりのノンフィクションです。
何が面白いって、この中川さん、まじめな人なんですよ。第1章が「自分を見つめなおそう」自己啓発本を読んだり、占いに行ったり。え?そこ?って思うのだけど、ほんとうにまじめにやってて、「友達作りに王道なし」という結論に達する。第2章では「知らない世界へ踏み出そう」SNSや近所のバー、サブカルイベント、教会などなどに足を運びます。酔っぱらうとフレンドリーになる自分に気づいたり、教会のみなさんの優しさにふれて自信を持ったり。上京して1年、ほぼ人と話さない生活をしていた著者が少しずついろんな人と言葉を交わす様子が面白くも応援したくなります。そして第3章で「身近なところを見直そう」アパートの隣人であるB氏との友情をどうはぐくむのか?トライアンドアラーが続きます。これがね、いいんです。最初は対立する感じなんだけど、だんだん距離が近くなってくる。で、第4章が「本音で語り合おう」ついにB氏とサシ呑みに!友情成立か?となるのですが、結末はぜひお読みいただくとして、私は読み終わったあと、「中川さんとだったら友だちになれるかも」と思いました・笑。
この本を私が子どもたちに勧めるのは、大人でもこんなにじたばたするもんなんだよ、と伝えたいから。大人だって初めましての人と話すのは緊張するし、言いたいことが伝わらなくてハラを立てたり凹んだりもするし、相手の反応に一喜一憂したりもする。それでいいじゃん、って伝えたいんです。学校はどうかすると「みんな仲良く」「友だちが多い方がよい」と伝えがちなのですが、友だちの数なんて、実は大して重要ではないし、なんならいなくてもいい。今友達がいなくたって、一生友だちができないとも限らないし。でもね、私の言葉だけだと足りない気がして。なので、「漫画読む?」って。大人のみなさんにもぜひ読んでみてほしい作品です。