台湾料理屋で沖縄を語った
台湾料理を食べながら沖縄について話した。主催している「集まるクィアの会」という社会問題について集まって話してみる会で、次回のテーマが沖縄になったのだ。自分は沖縄に関する知識がないので、詳しい友人を交えてどんな風に進めるのがよいかを相談をした。最初は上野陽子さんや岸政彦さんの書籍を課題図書にして進める方向で話をしていたが、エッセイという書き手が個人的な体験を主観で書いた文章は、読みやすさはあるが、前提の知識がなければ沖縄の現状を取り違える可能性があるかもしれない、という意見をもらった。こうした反応がアカデミアの人たちから出てくるとき、彼らが知識や事実の伝達について、ほかの誰よりも誠実だということを思い知らされる。この活動を通していろんな専門家や有識者と話すたびに、学問や知識への敬意ある姿勢に驚かされてきた。議論はああでもないこうでもない、と盛り上がり結論を出すことはできなかったが、みんなが話し合いを楽しんでいた。不特定多数のひとが集まる会を続けていくことは大変なことだけど、一冊の本を読んだだけで何かわかった気になる、そんな傲慢な自分には現実に触れる機会があることが救いだ。正解だと信じていたものがそうではない、知識だけでは生身の人間と対峙できない、知るほど触れるほどにわからなくなる、そんな経験をもっともっと積んでいきたい。馬鹿にされても、笑われても、意味がないと言われても、この気持ちは枯らすことなく、たいせつに育てていきたいな。
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