あの頃にはもう戻れないけれど。
天気の良い日に車を運転していたら
ふと、あいつのことを思い出した。
あたたかい日差しを浴びながら
電車に乗って話したあの時間を。
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帰り道、同じ方向だったあいつとは
よくこれからの話をしていた。
実はあれをやってみたいんだ。
挑戦したいことがある、と
その時間は思いのほか楽しくて
自分の中であいつは同志的な存在だった。
そんなあいつは次第に
自分の挑戦したいことにのめりこむようになった。
気がつけば帰り道も重なることはなくなった。
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久しぶりに一緒に帰ることがあった。
夢に向かって進んでいるあいつの話は
まっすぐでなんだか眩しかった。
そっちはどう?と、あいつに聞かれた。
自信を持って話せない自分がそこにいた。
情けなくて思わず俯いた。
気がつけばもう電車を降りる時刻になっていた。
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あいつとはもう何年も会っていない。
また会う機会がいつ来るかは分からない。
もしかしたらもう会うこともないかもしれない。
だけど、次もし会うことが出来たならば
そのときは、胸を張って話したい。
いつか笑って話すために。