学生ビザ、レギュラークラスの様子、日々の暮らし
(写真は次女の友人のクリスティーナと)
私が当時正式に受けたTOEFLの結果が530でした。500なくてレギュラーに入っている負い目があったので取れてホッとしました。
私のビザ6ヶ月の期限が切れるのでアドバイザーに延長の仕方を尋ねに行きました。学校の在学証明書I-20があれば授業を取り続ける限り滞在できると言われて一安心。ついでに日本の学校での単位もどれだけ認めてくれるか計算(Evaluate)してもらう事にしました。
レジスター(履修登録)をする前にそのクラスがどんなクラスかを良く調べる事はとても大事です。その先生の授業は分かりやすいか、テストの形式や回数はどうか等によって大きく違ってきます。授業の初日に先生は授業計画(Syllabus)をくれるのでそれを見てから1週間は履修科目変更もできますが希望の科目は取れないことが多いし、最初の週のクラスを取れない事になります。事前の情報集めはその学期を成功させるかどうかが鍵です。
ここまで成績の神経質になるのは理由があります。以前も書きましたが悪い成績が一旦ついてしまうと消せないこと、また評定値が下がると4年制の大学に行く時の成績に影響すること、さらに留学生は成績が平均Cないとキックアウトになるからです。
今までどうにか隠しおおせていた私の言語能力のなさが一気に暴露される時が来ていました。速読がついて行けません。これは英語力だけではなく理解力の不足によるものだと思います。色々な課題をこなすためには資料を読まなければなりません。図書館に行って当時はマイクロフィルムに保存してある新聞雑誌、本の記事を検索してテーマを決めたり内容をまとめなければなりません。そのために速く読まなければならないのです。いい加減な理解力はますますあいまい度を増して、頭の中はもやがかかったようになってしまいます。このすっきりしない感じは気分が悪い。速読とは大事な所と大事ではない所を見分ける力だと思い至りました。
Writingのクラスでは毎回ペーパーが宿題になります。何を書くかを決めるのも大変ですが、思いついてもそれを広げて要求される字数にするのも大変。ある時イギリスミュージカルの「オリバー」について書きました。オリバーという孤児が孤児院を追い出されてロンドンに出てきて、スリ集団に誘われて仲間に入るという話です。オリバーが田舎からロンドンに出てきた時、ドジャーというちょっと年上のスリの名人と会います。その時ドジャーが歓迎の歌を歌います。
Consider yourself at home! と歌っていたのですが、私はずっとCome sit yourself at home と思っていました。ラティングラボのアドバイザーに指摘されてびっくり。歓迎されていることは間違いないのですが。当時のロンドンはどんな人も受け入れる大都会だったのです。
ライティングラボで私の稚拙でまとまりのない文に根気強く付き合ってくれたチューターのシャノンが今度は私のことを自分のエッセイに書くと言っていました。どんな内容になったかわかりませんが、同じ学生としてペーパーの題材には苦労しているので何か役に立っているのでしょうか。
Writing classでもう1つ印象に残っているのは先生の言葉です。色々な年代の学び直している人が多いクラスだったので子供がいる人へのアドバイスとして話してくれました。
「子供が宿題でこの言葉がわからないから教えてと言ってきた時、『辞書を引きなさい』というのではなく教えてあげなさい。子供がせっかくそのテーマに没頭している時、辞書を引くという別のことをさせるのではなくその思考をじゃましないことが大です。そして終わった時辞書で確かめるようにと言うのがいいのです。」なるほどと思いました。
娘たちの学校では色々なイベントがありました。長女の中学校から社会科見学(Field Trip)の承諾書のための手紙が来たのですが、遠足も親の承諾書がなければ参加できませんでした。そんな経験のない私は難しい言葉があるわけでもないのに一読しただけでは何を言っているか分かりませんでした。バックグラウンドのない事も理解力に大いに関係します。
次女の小学校ではパジャマデイがありました。学校にパジャマ姿で行くとごほうびがもらえます。他にもテディイベアデイ(テディイベアを持って行く)やピンクデイ(ピンクの物を着て来る)などがありました。その頃、次女が私の問いかけにも日本語でなくYes, Noで答える事がありました。寝言も英語で言ったり。次女の担任やESLの先生との面談があり、学校ではまじめにやるらしく良くほめてくださいます。しかし先生にはもっと楽しんでと言われました。
次女はクラスメイトのクリスティーナと仲良くしてもらい、おにぎりのお弁当を持っていくといつも交換してくれと頼まれました。ある日クリスティーナの家の庭でテントを張ってお泊まりキャンプをするからこないかと招待されました。次女は大喜び、毎日その話をしては楽しみにしていました。ところが天候が悪く延ばし延ばしになりました。次女のテンションは徐々に下がって行き、やっとできた当日はあまり楽しめなかったようです。このことから学ぶことは子供を喜ばせようと計画してもあまり長く待たせては効果が減少すること。日々を精一杯生きている子供にはあまり先のことの約束はしないほうがいいという事でした。
その後、私はネルソンテストというアメリカ人のための語学力テストを受けました。語彙(Vocabulary)が7.1から8.5、理解力(Comprehension)が5.2から7.3に上がっていました。7.1とは7年生と1ヶ月のレベルという意味。語学力を学年に換算するところが面白い。私の理解力は当初は5年生レベルだったのか。今やっと中一のレベルになったというわけです。でも3ヶ月で一年半分上がったのは嬉しいです。
数学のクラス分けテストでどのレベルのクラスでも取れる点が取れてびっくり。日本で自他共に認める数学苦手な私にも拾う神があったと嬉しく思いました。テストもそれなりにクリアしてきたのですがある時、簡単な問題で頭が真っ白になる経験をしました。後にも先にもこんなことは初めて。でもどうにか悪い成績を取らないですみました。( ´―`)フゥー...!
当時もらった日本の友人の手紙にサトウハチローの詩が書いてあった時は、言葉の隅々まで分かるうれしさをかみしめました。
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