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会社員として働いた日々①
風俗をやめて数年。
大手メーカー派遣に応募して、強烈な指揮命令者との出会いを経て技術屋仕事をはじめました。
ダメ元で技術職に応募したのは、派遣先が音関連という事で多少知識があったのと、時給が良いから。
併せて技術的な知識があれば食っていけるかなと思ったから。
今思えば浅慮のかたまりですね。ハハッ。
派遣会社から派遣先の名前と部署を聞いた時には(ハイ無理、お互い面接時間無駄にしましたごめんなさい)と思いました。
しかし実際の面談で会った指揮命令者は目の前で基板の図面を広げ
(今思えばコンプライアンス上ダメだろう。どうせわからんと舐めてたんだな)
「これの実物を17時までに動かしてって頼まれて23時頃にやっぱり無理でしたって泣きつくような仕事だけど出来る?」
と言いました。
そして「ええと、分数の計算すらもう怪しいんですが」
という私に
「要らない。半端に工学部を出た所で何の役にも立たない。根性があればそれでいい」
と、淡々と答えました。
今でも、この日に感謝しています。
多分、本を読んで祖母に会いに行くという筋以外何も守らなかった私の人生が変わった瞬間だったのでしょう。
こうして、私は高校普通科大学中退(私文)の身で設計室と実験室の住人になりました。
朝起きて、なんとか文庫一冊カバンに突っ込んで、会社に着いたらコーヒー掴んで実験室へ。
配線でホコリまみれになりながら仕様書を読んで、
指揮者にキレられて、終電を理由に帰る。
周りは派遣も含めて工学部院卒の人ばかり。
私は正直いつ更新を切られてもおかしくないスキルでしたが、意地でもこの時給を手放すものかと必死に喰らいついていました。
つづく