「はっ、はっ、ハクション」
「はっ、はっ、」となって一度安心する。けれども、何だか気持ち悪い。鼻がスッキリしない。「このつまった感覚は一体」と考える。
そうしているうちに、その瞬間は訪れる。「クッーーシュン!!!」一体何年生きてきたのだろうか。花粉症になるのは初めてではない。というか、物心ついた頃から鼻が痒かった。花粉症と比べると、もう筋肉痛なんて足の小指で蹴飛ばしてしまえそうなくらいである。そうは言っても、筋肉痛もなったらなったで、ちょっとだるいが。
こんな状態であるので、僕は小学生の頃から、ボックスティッシュを持ち歩いていた。もちろん学校にも持って行っていた。予想はつくと思うが、変わり者である。一体誰がボックスティッシュを持って行っていたであろうか。いや、誰もいないであろう。実際ティッシュを持っていくとみんな最初はびっくりしていた。「えっ、なんでボックスのティッシュ??」けれども、僕はそんなことを言ってる場合ではないくらい、鼻がマッハのスピードで出てくるのである。「あーーー、鼻痒いし、鼻水でるし、いいーー」春は外は綺麗のに、あんなに美しい桜や蜂や木々であるのに、ぼくの鼻は一体どうしてこんなに赤いのであろうか。冬はもう終わったというのに。
これを何度となく繰り返していた、そう、あの時までは。やっとこの時が来たとぼくは喜んだ。それはカナダに行った時のことであった。カナダでは極寒の地であるが、なんと僕の鼻が白いではないか。これは花粉症とお別れの時期が来たのである。愛着とかも全くない。早く、早くとずっと願っていた瞬間が、、、。だがその考えは甘かった。僕は新たな敵を見つけてしまった。100%マッチングしたらしい。それは、何と猫である。僕は猫アレルギーであった。重度ではないが、軽症の猫アレルギー。「猫よ!!どうしてそんなに平常心でいられるのか!!」と僕は何度も空気で伝えた。さらに敵は増えた。それは氷が溶けた後の、砂埃、小さい埃。見えない、ナノレベルの敵がが舞っている。それはもう全国大会レベルなのだ。いや、芸術的であると言った方がいいだろう。僕は身体が硬くて踊れないというのに。君はどうしてそんなにうまいんだい、と言いたいくらいに。
そして、”春”は終わりを告げるのであった。