![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171840688/rectangle_large_type_2_5a69c49a9dc506fea9c955fecfc4b851.jpeg?width=1200)
共同代表制への想い〜宝槻・加藤の対談記事〜
2025年2月1日に、探究学舎の共同代表として加藤理啓が代表取締役に就任しました。探究学舎発足以来、宝槻泰伸が代表取締役として事業開発・組織運営に取り組んできましたが、共同代表制による役割分担、求心力と遠心力のダイナミズム、組織力の強化と会社としての成長を求めての今回の人事について、その決断に込めた想いや背景とともに、2人の対談を通してお届けします。
探究学舎とは
宝槻泰伸が2012年に設立した学習塾。「受験も勉強も教えない」「驚きと感動の種をまく」というコンセプトのもと、興味開発型の学び舎として注目を浴びるようになる。英数国理社といったこれまでの強化には縛られず、またSTEAMといった新コンセプトにあわせることもなく、科学・歴史・アート・経済・自然・文化など、子どもたちの興味を広げる独自のカリキュラムを確立。現在は教室とオンラインの2種類のサービスを通して日本中の子どもたちに新たな学びの文化を届けている。
まずは、2人の経歴・プロフィールについて改めてお伝えします。
![](https://assets.st-note.com/img/1737953079-Bjc24WptwNSHkPxF7g093JMq.jpg?width=1200)
宝槻泰伸 43歳 京都大学経済学部卒
株式会社探究学舎 代表取締役CLXO(Chief Learning eXperience Officer)
幼少期から「探究心に火がつけば子どもは自ら学び始める」がモットーの型破りなオヤジの教育を受ける。高校を中退し京大に進学。次男、三男も続き、リアルオヤジギャグ「京大三兄弟」となる。開発期間5年、子ども達が「わあ!すごい!」と驚き感動する世界にたった1つの授業を求めて、北海道から沖縄まで、時にアメリカ・ヨーロッパ・アジアからも親子が集まる。5児の父。
![](https://assets.st-note.com/img/1737953105-HXSbUVOmc3M6h921jYTksfye.jpg?width=1200)
加藤理啓 48歳 慶應大学法学部卒
株式会社探究学舎 代表取締役社長
慶應義塾大学を卒業後、通信会社での国際事業企画や経営企画を経て、ソフトバンク株式会社で新規事業を担当。国内外のM&AやJoint Ventureの設立及び運営を経て、2014年にClassi株式会社を設立し、代表取締役社長として小中高の学校向けSaaSの開発運営に従事。2024年6月に退任後、2024年9月より株式会社探究学舎にて中期事業計画の策定や組織課題の改善のサポート役として参画。
ここからはお二人の対談をお楽しみください。宝槻泰伸は(泰)、加藤理啓は(理)として対談をお届けします。
![](https://assets.st-note.com/img/1737953851-XcJmNahTt7Fq3xguboeyBA28.jpg?width=1200)
■なぜ共同代表として加藤理啓を迎え入れたのか?
(泰)これまで探究学舎は、僕自身の属人的なスキルやパーソナルな魅力が全面に出る形で運営してきました。
やっちゃんという先生であり経営者がこの会社の大きな魅力となり、探究学舎を支えてきたと思っていますが、いよいよ、それだけでは次のステージにはあがれないという危機感を持つようになりました。
確かに0→1を切り開くのは得意だし、起業という仕事は向いていると思っています。でも組織が成長していこうとするプロセスは、1→10にする人や10→100にする人の力が必要。それを全て自分1人で担うのは限界だと感じるようになったのです。
ちなみに理啓さんからは探究学舎はどう見えていましたか?
(理)そうですね。僕が探究学舎を知ったのはClassiを立ち上げた頃なのですが、その頃から、宝槻泰伸という個の魅力がまず表に立っていましたよね。
でも同時に、興味開発という新しいコンセプトを掲げていることも僕にとっては魅力的でしたよ。
もともと教育を変えたいという思いがあって事業を立ち上げていましたが、既存の学校の文化やカリキュラムとは異なるもの、新しい風が必要だと感じていたので、そのひとつの答えが探究学舎なんだろうなという風に見ていました。
(泰)理啓さんは、昔から僕や探究学舎に対してポジティブな気持ちを持ってくれていたので、声をかけやすかったです。
というか、同じ教育を志している仲間の中で、探究のコンセプトを支持してくれているプロ経営者の中から声をかけようと思っていたので、まっさきに頭に思い浮かんだのが理啓さんでした。
でも確か、僕が2023年の9月に思い切って声をかけたとき、その当時僕自身が抱えている悩みも打ち明けましたよね。
(理)めちゃめちゃよく覚えてますよ笑。
僕もこれまで3つの会社の経営を担ってきた経験があるからわかるのですが、0→1のフェーズ、1→10のフェーズ、10→100のフェーズって、必要な人がどんどん変わっていくんですよね。
泰さんは今日の教育業界において『新しいコンセプト・新しいサービスを作る人』というイメージは多くの方からの評価だと思うし、その意味で0→1が得意な人というのはよく伝わってくる。
でもだからこそ、それをある程度やり遂げたいま、新たな人材を必要としていることや、自分1人では限界があるということも、あの時、とても共感したことを覚えています。
僕が探究学舎の10→100をやる適切な人材か?と聞かれたら分かないなぁ、と思いましたけど、そういうニーズがあるということは理解しました。
(泰)またまた!いつもそうやって謙虚に言うからね笑。
そう、それで理啓さんの詳細な経営手腕は知りませんでしたけど、直感的にこの人だというのはあった。
会社に足りないピース、特に経営レベルで足りないピースを埋めてくれる人だって。
そして、やるなら僕の下で動くのではなく、僕と対等な立場でやってほしいとも思ってました。
というか何なら研究開発やサービス改善は僕が責任を持って率いるけど、その他の経営のことは全部任せたいなって笑。本田宗一郎と藤沢武夫のような関係になれたら理想だなと思っています。
(理)それ、あの時も言ってたよね笑。
僕たちがあの偉大な二人の先輩のようになれるかは置いておいて、確かに泰さんは本田宗一郎のようにもっともっと魂の部分や技術のことに特化してったほうがいい、そのほうが面白い会社になるってことは客観的にもそう思いました。だから僕も真剣に考え始めたんだと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1738144146-b6FdrUy0OE1uYn7gkeHKVx8i.jpg?width=1200)
■実際に働き始めた4ヶ月で感じたこと
(泰)その後、理啓さんが2024年6月にClassiの社長を退任されることが決まり、そこから具体的に動き始めましたよね。
夏頃にじゃあこれからどうする?というのを話し合って9月から具体的に働いてもらうことを決めましたよね。でも僕は案外慎重なところもあって、本当にこの人事がお互いにとって良いものなのか、あるいは会社の従業員や顧客にとって良いものなのか、確かめる機会が欲しかった。だからすぐに役員就任ということではなく、試用期間として業務委託はどうかと提案しましたよね。
(理)僕にとっても次の人生を決める大きな決断になるので、その提案はポジティブでした。
熱くなってえいやって決めるのは簡単だけど。
泰さんにも意外と慎重なところがあるじゃん!とその辺もポジティブでした笑。
それで9月から実際に働き始めたわけですけど、まずやっぱり感じたのは、この会社が作っているサービス、つまり学びの体験は顧客にとって大きな魅力があるんだなということを確認できました。
それから社員のみなさんの情熱と才能がずば抜けているなーって。
一方で、組織の中にはたくさんの課題があるとも感じましたね。
権限の委譲と責任のバランスがうまく取れていないとか、意思決定のフローが曖昧だったりとか。正直本当にこの会社を自分が経営するのか?できるのか?という迷いのようなものも生まれたのは事実です。
だから4ヶ月過ぎて泰さんから「ぶっちゃけどうですか?」と切り出された時は、大いに悩みました。
(泰)探究学舎には魅力もあるけれど、外からは見えない内部の課題はやっぱりあるわけで。
でもそれを隠してお迎えしてもどうせ後でバレるし、だったら最初からフルオープンにして全部見てほしいし、全部感じて欲しかったというのはあります。
だからあとは理啓さんがやれそうだ、やりたい、という気持ちを持っていただけるかどうかだなーと思ったので去年の年末に切り出しました。
でも正直僕もドキドキでしたよ。フラれるんじゃないかって・・・
(理)最終的には自分がやりたいな、と思えたことが決め手でした。
僕自身が自ら探究学舎の生み出す興味開発という体験を子どもたちや保護者の方々に届けたい。
もっといい体験を届けたい。もっと多くの人に届けたいって。泰さんとのパートナーシップだったり、共同代表としての役割分担だったり、従業員の皆さんとのコミュニケーションや信頼関係だったりは、ひとつずつクリアにできている感じはあったので、あとはそこだけでしたね。
僕も決断できて良かったと思っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1737952083-gbXQqd0OHYhxjEv42oC1uTcW.jpg?width=1200)
■共同代表としての役割分担は?
(理)僕は、宝槻泰伸のビジョンに対する解像度や、授業を作り、それを届ける腕前をリスペクトしていますし、そこにおおきな信頼があるので、10→100にするための組織開発に力を入れたいと思っています。
そして、それはこれまでいくつかの会社を経営してきた経験やたくさんの失敗が活かせると思っています。
今後、さらにたくさんの子どもたちや保護者の方々に探究学舎の授業を届けるために、探究学舎自身がたくさんのスタッフを迎えることになるので、様々な役割の人たちが働きやすい環境や、意思決定しやすい仕組みを組み立てていきたいと思います。
そのためには、組織の求心力は僕に向かっていると良いと思ったので、社長という役割で仕事をすることを決意しました。
(泰)そこは本当に同感で、理啓さんの人柄と能力含めて求心力を発揮していただけたら嬉しいです。
一方で、僕の役割は遠心力なんじゃないかなと。
遠心力って組織が分離するネガティブな力としても使われがちですが、新しい可能性に向かっていく、ビジョンに向かって組織だったり事業だったりがストレッチする、そういうポジティブな意味でも使えると思うんです。
具体的なお話として、去年の春頃、株式会社LXDという会社を別に立ち上げました。この会社はLearning eXperience Designの頭文字をとっていて、探究学舎のコアテクノロジー、学習体験をデザインする技術を、子ども向け教育事業以外にも応用するという意図の会社です。
実際に今、法人向けの研修の仕事や、ホテルやレストランの体験に学びの要素を追加するということに関わったりしています。
でもそれだけではなく、探究学舎で5年10年とLXDの技術を磨いてきた社員たちが、次のチャレンジをしたいと思った時の器にできたらとも思っています。
このように、新しいことにチャレンジし続けて、探究学舎やそこで働く人たちの可能性を広げていく、そういう役割ができたらなと。
(理)株式会社LXDの話を聞いた時も、よくそこまで考え抜いてるなと感心しましたよ。
もちろん僕としては探究学舎という会社に対しての泰さんのフルコミットを期待してますけど、大きなビジョンを描こうとしたとき、いまお伺いした泰さんのアイデアやチャレンジはとてもいいなって。
(泰)ありがとうございます。
遠心力を発揮し過ぎて、自分がどっかに飛んでいってしまわないようにしないと笑。
理啓さんが発揮する求心力にも巻き込まれながら、自分の立ち位置と役割はつねにバランスできるように頑張ります!
![](https://assets.st-note.com/img/1738143754-qV6WA7adbvg02RPzwoIBsLG1.jpg?width=1200)
■これから一緒に目指したいビジョン
(理)改めてこの会社は、ビジョンが中心であるべきだし、僕を含めて探究学舎に集う仲間や、子どもたち・その保護者の方々を惹きつけるだけでなく、世の中の様々なステークホルダーを魅了するものでもあると思うんですよ。
泰さんが言ってる「探究学舎がこの世界に残すのは、興味開発という学びの文化だ」というのは今の時代のタイミングに合っているし、関わる人たちが「よし!」とやる気になるものだと思います。
そして興味開発が文化と呼ばれるものまでになるのだとしたら、どれだけ多くの人たちがそれを受け取っているのかということが鍵になってくるので、僕はこのビジョンのためにも、探究学舎と興味開発という学びをスケールさせることを目標としたいし、そこに責任を持ちたいと思ってます。
(泰)興味開発というのは、この世界に対する解像度を上げながら、好きなことや、やりたいことが段々と見つかっていく、そういう学習プロセスのことだと思っています。
そして、興味開発の段階は大きくは入門編、中級編、上級編として、3段階で説明ができます。
入門編とは種まきの時期で、とにかく色々なことを見聞きして世界を広げるステージ。
中級編はその中から「これだ!」と思うものを選択して深めていくステージ。
上級編は実際にそれを仕事に繋げるべく弟子入りしたり行動に移すステージ。
そのようにステップがあると思っています。
探究学舎は入門編をサービスとして提供しているのですが、中級編や上級編は本当の意味では、まだやれてない。
だから興味開発という仕組み自体を作るために、まだやらなければならないことは、たくさんあると思っています。
作り上げるということと、広げるということを並行して取り組むというのは、文化を目指すなら避けられないですよね。
(理)そうそう、だからあなたまだやらなければならないことたくさんあるのよ!笑。
ビジョンを形にしていく力は信じていますから、僕はビジョンが社会に実装化されていくというプロセスに注力したいと思います。
その意味では、この2025年の春から取り組む教室事業の多店舗化というのはとっても重要なプロジェクトになりますね。
(泰)そう思います。しかもそれを、僕が!やるのではなく、みんなでやるというのがとってもいい!
大変なことはこれからもたくさんあると思いますけど、ワクワク感をもって進めていけたらと思っています。
(理)僕もワクワクしています!これからは一緒にやりましょう!
![](https://assets.st-note.com/img/1737953154-3z1n8J6iHYKGjDmXOQS5CebF.jpg?width=1200)
いいなと思ったら応援しよう!
![探究学舎](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58743730/profile_b85a3efac0280935dcd425bd0bf21dda.jpg?width=600&crop=1:1,smart)