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フグタ社長業務日誌『塩爺さん』

このシリーズは2007年9月~2008年9月まで1年にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。※巻3は自2007年12月1日~至12月31日。

フグタ社長業務日誌(巻3-2):12月4日(火)

 10時から5時までびっしり、業界団体のつまらない会議がつまっている(オヤジギャグです、気にしないでください・秘書注)。例の『国内販売会社代理店総会(略して国会)』である。私は早く終わらせたいのだが、皆さん会議がお好きで困る。

 この会議があるせいで、他の業務が滞る、そのため早出と残業を強いられる。今日は朝7時半には家を出て、8時出社。社長室からの業務報告を受け、取締役会に出て、役員の愚痴を聞いたりする。
 「国会」が終わると特別応接でお客さんがお待ちかね。その後、業界紙の取材を受けていると、あっという間に6時を過ぎている。午後6時17分退社して、今日はアメリカ人のお客さんたちを招待して会食。

 秘書が「山里というわけにもいかないでしょう、どこかネットで見つくろいます」という。どこでもいいが、「三ツ星はやめてね」。
 ということで、結局は紀尾井町の「福田屋」へ。私と似た名前だが親戚筋というわけではない。モリ元社長やコミズミさんがちょくちょく使っていた店だ。囲炉裏があったり魯山人の器だったりするので、アメリカ人にもジャパニーズ文化がわかりやすいだろう。

 午後6時27分到着。「アメリカ人のお客さん」とは、現東京支社長のシーハーさんと前支社長のビーカーさんで、二人揃ってやってきた。シーハーさんは「濱田屋さんでなくてよかった」とくだらない冗談を言う(例のガクガク財務部長のことを言ってます・秘書注)。
 このメンバーだけだと話が弾まないだろうと思い、上方(かみがた)からとっておきの助っ人を呼んでいる。わが社のOBで元財務部長の通称「塩爺」さん。現役ではないので害がなく、いつも話にボケ味があるので座持ちがいい。

 「今日はちょっと気の早い忘年会でんな、けどこの年になると年をとるのも忘れますからなあ・・、いつ年取ったらええのやら、ようわからんさかい、これがほんまの忘年会や、てか。ところでシーさん、やったかな、あんさんお国はどちらでしたかな? はは、さっき聞いたのに忘れてしまいましたわ・・・」てな調子が延々と続く。
 午後9時11分お開き、福田家を出て午後9時37分、自宅着。

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注:
「塩爺さん」は塩川正十郎氏、小泉内閣で財務大臣を務めた(当時80歳を超えていた)。女性や民間人、若手を多く起用した組閣人事の中で逆にサプライズとされた。ひょうひょうと愛嬌のある大阪弁のしゃべりが人気で、愛称の「塩爺」は新語・流行語大賞のトップテンにも選ばれた。
なお「濱田屋」うんぬんはヤモリ君こと某M氏が接待を受けていた店の名である。
※『フグタ社長業務日誌:塩爺さん』は、ブログ『tanpopost』に2007年12月5日 付けで掲載したものです。


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