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フグタ社長業務日誌『韓国にて思うこと』

このシリーズは2007年9月~2008年9月まで1年にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。※巻5は自2008年2月1日~至2月28日。

フグタ社長業務日誌(巻5-6):2月25日(月)

 韓国に来ている。ソウルに本社のある同業者で新社長が就任するので、そのお祝いである。まあご近所づきあいのようなもの。
25日は午前11時から新社長の就任式というから、どこかホテルの宴会場で昼飯のバイキングかなと思ったら、とんでもない。外だ。寒い。冷える。けっこう大勢の参加者が、コートの襟を立て(るわけにもいかず)集まっている。アメリカからはスライスさんも来ていてやはり不機嫌そうな顔をしている(いつものことか?)。

 それよりも何よりも驚くのは、うちの会社の元社長のモリさんとナカソネさんが揃って出張ってきていて・・、大きな顔をしていつの間にか席についていることだ。どうやってまぎれこんだのか・・。私だけでは不安とでもいうのか、ヒマなのか、しかしどこでも入ってくるなあ。

 就任式の後、韓国の新社長と少しだけ話す。
「いやあこの度は・・おめでと・・もごもご」
「しかしこの冬は特に寒いですなあ」
「そうでんなあ、ソウルは冷えますやろ」
 聞けば、新社長、生まれは大阪らしい。
 二言三言話すが、あまり話が長くなると、昔々のわが社の悪口を蒸し返してネチネチと文句を言われるのが目に見えている。適当に話を切り上げて、そそくさと帰り支度。
 女房は「ヨン様に会えるかと思ってたのに・・」、と少し不満顔である。焼肉のたれとキムチを土産に買って午後8時52分、ソウル発。キムチのニオイがするのかスチュワーデスさんの顔が心なしか怖い。羽田空港着は同9時4分。午後9時25分、社宅着。ああ、芯まで冷え切った。

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注:
李 明博(イ・ミョンバク)氏は、2008~2013年の間韓国の大統領を務めた。就任式には福田首相のほか、中曽根、森元首相ら約6万人が参加した。ところで韓国には大統領を辞めると必ず逮捕される制度(?)があって、氏もまた2018年に大統領在任中の収賄や横領等の容疑で逮捕され有罪判決を受けた。日本にはこうした制度がないので、中曽根氏や森氏は元気でお過ごしになっていたわけである。
ヨン様とはペ・ヨンジュン、韓流ブームのきっかけとなった人気俳優。ドラマ『冬のソナタ』の人である。
※『フグタ社長業務日誌:韓国にて思うこと』は、ブログ『tanpopost』に2008年2月26日 付けで掲載したものです。


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